~あらすじ~
2020年、東京に建設されたカジノ特区「聖州」。
刑事の諏訪は、雑居ビルから転落死した男のそばに落ちていたカードに不審の念を抱く。
伝説的なギャンブラー、死神のような男、陰謀を追う男女、帰国子女の政治家。彼らを天上から見下ろすのは天使か悪魔か。
~感想~
新進気鋭の作者が3作目にして早くも出したノンシリーズ長編。
制定間近のカジノ法を題材に、近未来を舞台にしたためまず説明が長いのがネック。風景描写はもちろんのことカジノ周りの(本作独自の)法律の説明や近未来のガジェットに多くの筆が費やされ、前半は非常に肩が凝る。
物語の展開はハードボイルドというには少々過剰かつ安直なB級近未来SFアクションといった雰囲気で、登場人物は基本的に善人か悪人かの二極化されており、水戸黄門の悪代官ばりにわかりやすい悪人による陰謀が繰り広げられ、死ぬほど単細胞な庶民たちが金と命を吸い上げられる、時はまさに世紀末状態。
黒幕との対決は使い古された新味のない手で決着するも、無理のありすぎる軌道修正から俺たちの戦いはまだ始まったばかりなエンディングを迎えるのも物足りない。最後の最後に現実を超越させて締めくくるのは良かったが、それとてやはりB級のにおいがそこはかとなくただよってしまう。
また主人公格の諏訪刑事を筆頭に多くの登場人物がギャンブル全般に激しい憎悪を燃やすものの、諏訪はともかく他の面々にはさしたる理由が無かったり、実在の認知症ケアまで国民殺害計画に組み込まれたりと、個人的にどうにも居心地が悪い描写が多かったのも厳しい。スロカスで正直スマンカッタ。
間違いなく労作にして佳作ながら、ハードボイルドと呼ぶにはB級すぎ、社会派と呼ぶには世紀末すぎる作風で、個人的にはあまり口に合わなかった。
14.11.27
評価:★★☆ 5
2020年、東京に建設されたカジノ特区「聖州」。
刑事の諏訪は、雑居ビルから転落死した男のそばに落ちていたカードに不審の念を抱く。
伝説的なギャンブラー、死神のような男、陰謀を追う男女、帰国子女の政治家。彼らを天上から見下ろすのは天使か悪魔か。
~感想~
新進気鋭の作者が3作目にして早くも出したノンシリーズ長編。
制定間近のカジノ法を題材に、近未来を舞台にしたためまず説明が長いのがネック。風景描写はもちろんのことカジノ周りの(本作独自の)法律の説明や近未来のガジェットに多くの筆が費やされ、前半は非常に肩が凝る。
物語の展開はハードボイルドというには少々過剰かつ安直なB級近未来SFアクションといった雰囲気で、登場人物は基本的に善人か悪人かの二極化されており、水戸黄門の悪代官ばりにわかりやすい悪人による陰謀が繰り広げられ、死ぬほど単細胞な庶民たちが金と命を吸い上げられる、時はまさに世紀末状態。
黒幕との対決は使い古された新味のない手で決着するも、無理のありすぎる軌道修正から俺たちの戦いはまだ始まったばかりなエンディングを迎えるのも物足りない。最後の最後に現実を超越させて締めくくるのは良かったが、それとてやはりB級のにおいがそこはかとなくただよってしまう。
また主人公格の諏訪刑事を筆頭に多くの登場人物がギャンブル全般に激しい憎悪を燃やすものの、諏訪はともかく他の面々にはさしたる理由が無かったり、実在の認知症ケアまで国民殺害計画に組み込まれたりと、個人的にどうにも居心地が悪い描写が多かったのも厳しい。スロカスで正直スマンカッタ。
間違いなく労作にして佳作ながら、ハードボイルドと呼ぶにはB級すぎ、社会派と呼ぶには世紀末すぎる作風で、個人的にはあまり口に合わなかった。
14.11.27
評価:★★☆ 5