小金沢ライブラリー

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キン肉マン完璧超人始祖編ベストバウト5

2017年05月23日 | 今週のキン肉マン
冗長で微妙だった「Ⅱ世」の反省を活かし、生まれ変わったように最高の作品をものしてくれたゆでたまご両先生には改めて感謝と称賛を贈りたい。
完結記念に今シリーズの私的名勝負ベスト5を選んだ。


キン肉マン VS ピークア・ブー
今シリーズにおいて、主人公の試合を面白く描けるかどうかは試金石になると踏んでいた。
なんせ何十試合と観てきた、勝敗のわかりきったスグルの試合である。ルフィしかり刃牙しかり主人公の戦いは最もつまらなく興味のわかないものだが、今のゆでに掛かれば主人公の試合を面白くすることなど、いとも簡単なことなのだと思い知らされると同時に、ゆでたまごの完全復活を確信した一戦である。
ア・ブーのチート能力に為す術もなく追い詰められ、やぶれかぶれで放ったボディスラムからの気付きと、一気呵成の逆転劇。そして「基本技しか通じない相手」へのとどめとしての風林火山。まるで良質の本格ミステリを読んだような展開が、わずか1話で描かれたことには驚愕を禁じ得ない。


ステカセキング VS ターボメン
悪魔超人が出てきたと聞いてから今シリーズを読み始めたのだが、その初戦の冒頭、ステカセキングがマッスルインフェルノをぶちかました時の衝撃と来たらもう。夢でも見ているのだろうかと自分の正気を疑ったものである。


バッファローマン VS ガンマン
対戦カード決定時点ではバッファローマンの勝利を確信していたが、ガンマンのあまりの強さに全く勝敗が読めなくなった。
あえて火事場のクソ力を発動させておき、それを正面からねじ伏せロングホーンを叩き折り、ほとんどダメージを受けない。実況の「強い!強すぎる!」というそのまんまの形容がしっくり。決着後の静かな最後も余韻が残った。


シルバーマン VS サイコマン
今シリーズの名勝負製造機を一人挙げるならもちろんサイコマンだろう。8000万パワーの恐ろしさがひしひしと迫ったバッファローマン戦、技のデパート同士の正面からの殴り合いだったプラネットマン戦、格下の相手に十分に見せ場を与えながらも圧倒的な実力差を見せつけたブロッケン戦……とどれも面白かったが、やはりシルバーマン戦がその中でも随一。
長い因縁を持つ、手の内を知り尽くした好敵手同士の一戦は、会話の応酬も最高。特にグリムリーインカーネーションに固めたサイコマンが胸に秘めていた思いを吐露した一連の台詞は、キン肉マン全体でも最も素晴らしいものだった。
友情に厚く、真に仲間思いで正直ながら、ひねた態度と憎まれ口で韜晦し、本心のうかがい知れない嫌われ者。トリックスターのサイコマンがいなければこのシリーズの魅力は何割かが失われていただろう。


アシュラマン VS ジャスティスマン
5つ目には迷ったがこの試合を。裁きの神が参戦というサプライズから、「Ⅱ世」でラスボスも務めたあのアシュラマンが完膚なきまでに敗れるという展開。プロレス的に相手の技を受け切った上で勝つサイコマンとは対照的な、理屈の通じないセメントファイトで、ダメージの入った描写がほとんどなく、腕の腱が切れたくらいではびくともしないというタフネスぶり。
いや本当に将軍様もこいつ相手にはロンズデーライトパワーも使えないし、正直ザ・マンよりも攻略法の見当たらない存在である。


無理やり5つに絞ったが、凡戦が1つも無かったことも驚きだろう。
ウォーズマン VS ポーラマンは間延びしたが決着は盛り上がったし、テリーマン VS ジャスティスマンは内容はちと乏しいものの、想像だにしない結末だった。
次回のシリーズはどんな舞台でどんな対戦カードが組まれるのか、待ち遠しくてならない。
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