~あらすじ~
花ジンの愛称で親しまれる有名俳優・花村陣四郎のマネージャーの北上梁一は、舞台裏では横暴な花ジンへの怒りを募らせる。
ある夜、バーで出会った女に騙されその恋人に脅迫されるが、梁一は脅迫相手にスター性を見出しデビューを持ちかける。
2003年このミス9位
~感想~
おなじみの、それは嘘→嘘と言ったのは嘘→嘘と言ったのは嘘と言ったのは嘘(嘘とは言ってない)、といった具合に虚実が延々と入れ替わる手法が一人称と三人称の混在でさらにやりたい放題。
しかも舞台は海千山千の有象無象がうごめく芸能界。連城ワールドの芸能界では枕営業も当たり前で、誰も彼もが手段を選ばず他人を騙して益を得ようと手ぐすね引いている。
そんな中で登場人物間だけではなく、読者をも騙そうと企み、それまでの前提の全てが引っくり返る大ネタが仕掛けられているのだが、面白いのはそれが終盤ではなく中盤の段階で明かされるところ。爆弾の投下とともに虚実の反転は控えめとなり、以降は収まるべきところへと収まっていく展開がお見事。
40過ぎの演技経験ほとんど無しのオッサンが才能だけでスターの座に上り詰めることが有り得るかどうか(芸能界広しと言えどもちょっと思い当たらないのだが)に目をつぶれば、いかにも連城らしいやりすぎ感あふれる嘘の洪水と、連城らしからぬやさぐれおじさんの叙情的やさぐれ一人称が同時に堪能できる佳作である。
17.9.25
評価:★★★ 6
花ジンの愛称で親しまれる有名俳優・花村陣四郎のマネージャーの北上梁一は、舞台裏では横暴な花ジンへの怒りを募らせる。
ある夜、バーで出会った女に騙されその恋人に脅迫されるが、梁一は脅迫相手にスター性を見出しデビューを持ちかける。
2003年このミス9位
~感想~
おなじみの、それは嘘→嘘と言ったのは嘘→嘘と言ったのは嘘と言ったのは嘘(嘘とは言ってない)、といった具合に虚実が延々と入れ替わる手法が一人称と三人称の混在でさらにやりたい放題。
しかも舞台は海千山千の有象無象がうごめく芸能界。連城ワールドの芸能界では枕営業も当たり前で、誰も彼もが手段を選ばず他人を騙して益を得ようと手ぐすね引いている。
そんな中で登場人物間だけではなく、読者をも騙そうと企み、それまでの前提の全てが引っくり返る大ネタが仕掛けられているのだが、面白いのはそれが終盤ではなく中盤の段階で明かされるところ。爆弾の投下とともに虚実の反転は控えめとなり、以降は収まるべきところへと収まっていく展開がお見事。
40過ぎの演技経験ほとんど無しのオッサンが才能だけでスターの座に上り詰めることが有り得るかどうか(芸能界広しと言えどもちょっと思い当たらないのだが)に目をつぶれば、いかにも連城らしいやりすぎ感あふれる嘘の洪水と、連城らしからぬやさぐれおじさんの叙情的やさぐれ一人称が同時に堪能できる佳作である。
17.9.25
評価:★★★ 6