~収録作品とあらすじ~
近隣で起こった2つの殺人事件。交換殺人が疑われるが、同一の凶器が使われ、凶器を受け渡す方法がわからず…妖服の如き切るもの
村内に集落を作り独立した男は自分が不死身だという妄想に取り憑かれ、信奉者に苦行めいた枷を強いる。やがて男は姿を消してしまい…巫死の如き甦るもの
立ち入った者の生気を吸い取るという奇妙な家。2人の人物が目撃したその家の外観は大きく異なり…獣家の如き吸うもの
新人作家の刀城言耶は自称才色兼備の編集者・祖父江偲に出会い、所有者に幸福とそれ以上の不幸を齎す像の噂を確かめに行き、事件に巻き込まれる…魔偶の如き齎すもの
~感想~
刀城言耶シリーズの短編集。表題作は中編で、これまでノベルスで出ていたのに単行本になってしまい、それに反して個々の質はそれほど高くなかったと感じた。
「妖服の如き切るもの」が個人的にはベストで、長編ばりの多重推理を短いながらに披露し、些細な伏線から納得の行く真相を導き出してくれる。ただ怪異の方は、なんなら必要なかった気さえする。
「巫死の如き甦るもの」はミステリおなじみの特殊状況を作り出すために、集落と宗教と訳のわからない教義をひねり出す強引さに吹いた。だが真相はこれもおなじみのアレになってしまい、またこれかとげんなりしたのも事実。
「獣家の如き吸うもの」は怪異は最も面白いが、肝心のトリックが刀城言耶シリーズでこれかよというものでがっかりした。伏線は上手かったのだが…。
「魔偶の如き齎すもの」は某所で見かけた感想でトリックに見当がつき、ズバリ的中してしまったのでここでは何も述べないこととする。
総じてこの質・量で単行本化は損だと感じてしまう、物足りない作品集であった。
19.8.1
評価:★★☆ 5
近隣で起こった2つの殺人事件。交換殺人が疑われるが、同一の凶器が使われ、凶器を受け渡す方法がわからず…妖服の如き切るもの
村内に集落を作り独立した男は自分が不死身だという妄想に取り憑かれ、信奉者に苦行めいた枷を強いる。やがて男は姿を消してしまい…巫死の如き甦るもの
立ち入った者の生気を吸い取るという奇妙な家。2人の人物が目撃したその家の外観は大きく異なり…獣家の如き吸うもの
新人作家の刀城言耶は自称才色兼備の編集者・祖父江偲に出会い、所有者に幸福とそれ以上の不幸を齎す像の噂を確かめに行き、事件に巻き込まれる…魔偶の如き齎すもの
~感想~
刀城言耶シリーズの短編集。表題作は中編で、これまでノベルスで出ていたのに単行本になってしまい、それに反して個々の質はそれほど高くなかったと感じた。
「妖服の如き切るもの」が個人的にはベストで、長編ばりの多重推理を短いながらに披露し、些細な伏線から納得の行く真相を導き出してくれる。ただ怪異の方は、なんなら必要なかった気さえする。
「巫死の如き甦るもの」はミステリおなじみの特殊状況を作り出すために、集落と宗教と訳のわからない教義をひねり出す強引さに吹いた。だが真相はこれもおなじみのアレになってしまい、またこれかとげんなりしたのも事実。
「獣家の如き吸うもの」は怪異は最も面白いが、肝心のトリックが刀城言耶シリーズでこれかよというものでがっかりした。伏線は上手かったのだが…。
「魔偶の如き齎すもの」は某所で見かけた感想でトリックに見当がつき、ズバリ的中してしまったのでここでは何も述べないこととする。
総じてこの質・量で単行本化は損だと感じてしまう、物足りない作品集であった。
19.8.1
評価:★★☆ 5