「襄陽記」に曰く。
264年、蜀を制圧した衛瓘(えいかん)は戦利品として2つの印鑑を得て、献上し相国を務める司馬炎(しばえん)の蔵に収められた。それを聞いた向充(しょうじゅう)は言った。
「蜀の旧臣で予知にも優れた譙周(しょうしゅう)はこう言っていた。
蜀の初代皇帝の劉備の「備」は完結という意味があり、蜀の最後の皇帝の劉禅の「禅」は授けるという意味がある。合わせれば「劉氏は完結し、授ける」という意味になる。
魏の実権を握るのは相国の司馬炎で、蜀の最後の元号は「炎興」だった。劉氏が帝位を終え、それを授けるという意味を持つ印鑑が、司馬炎の蔵に収められた。これは天の意志である」
翌年、司馬炎は魏から帝位を譲られた。「炎興」は「司馬炎が勃興する」という意味でもあったのだ。
264年、蜀を制圧した衛瓘(えいかん)は戦利品として2つの印鑑を得て、献上し相国を務める司馬炎(しばえん)の蔵に収められた。それを聞いた向充(しょうじゅう)は言った。
「蜀の旧臣で予知にも優れた譙周(しょうしゅう)はこう言っていた。
蜀の初代皇帝の劉備の「備」は完結という意味があり、蜀の最後の皇帝の劉禅の「禅」は授けるという意味がある。合わせれば「劉氏は完結し、授ける」という意味になる。
魏の実権を握るのは相国の司馬炎で、蜀の最後の元号は「炎興」だった。劉氏が帝位を終え、それを授けるという意味を持つ印鑑が、司馬炎の蔵に収められた。これは天の意志である」
翌年、司馬炎は魏から帝位を譲られた。「炎興」は「司馬炎が勃興する」という意味でもあったのだ。