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ミステリ感想-『最後の願い』光原百合

2019年11月03日 | ミステリ感想
~あらすじ~
新たに劇団を立ち上げようと動く度会と風見は、有望な役者やスタッフに声を掛けて回る。
候補たちはそれぞれ、身の回りで不思議な出来事が起きており、度会と風見はその小事件を解き、仲間に迎え入れていく。

2005年このミス10位


~感想~
劇団を立ち上げようとする二人の男が、仲間候補の周囲で起こる日常の謎を解きメンバーに迎えていく連作短編集……ハルチカ! ハルチカじゃないか!
実際にはハルチカ2008年、これが2005年なので、ハルチカが後発である。

日常の謎系統のわりには謎が全然日常の範疇に収まってなかったり、解釈は付いてるけどすっきりしなかったり、概要を聞いただけで真相丸わかりだったり、せっかく二人いる探偵役が設定以外のキャラがほとんど同じだったりと色々惜しいところはあるが、話自体が面白いので全て許せる。
クエストをクリアしたら仲間が増える話が嫌いな男の子はいません!

連作短編集としてのまとめ上げ方も、トリック一本勝負ではなく、話を盛り上げるための手法の一つなのだが、期待通りに全ての仲間が集い、これまでの短編全てがあってこその結末で素晴らしい。
ハルチカ好き、劇団好きにぜひおすすめしたい良作である。


19.10.29
評価:★★★☆ 7
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