東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

かかりたくないもの

2006-11-05 17:35:55 | 社会・経済

医者と裁判官と鳥インフルエンザにはかかりたくない。徳島の腎臓移植はひどいね。一昔前、手術をするときに百万円包んでよろしくと医者に渡さないと何をされるか分からないと聞いた。今では相場も上がっているだろう。そうしないとメスさばきもおぼつかない新米の助手の練習用にまわされるか、岡山の病院のように悪くも無い腎臓と持っていかれる。

実は昨日江戸時代の「世事見聞録」というのを読み返した(岩波文庫、著者武陽隠士)。色々な職業かたぎを書いた随筆だが、医者の批評がある。まったく現代とかわらない。

まわりに医者が多いからよく分かる。だからオイラは医者にならなかったのだ。医者にはオイラの分類によるとつぎのようタイプがある。

A 頭がよくて倫理観があって好奇心がある。このタイプは当然全体の医者の0.1パーセントもない。好物は難病奇病である。チャレンジングだからである。難病の患者をうそのように快癒させた時ほど興奮することが無いとはオイラの親類のえらい医者の言葉である。こういう知的好奇心を満足させ、難しい数学の問題を解くような知的快感が味わえない職場は見向きもしない。金銭にも無関心である。

B 身を焦がすような功名心がある。頭は悪い。こういう医者は大学にも町医者にも非常に多い。難しい技術に挑戦したがる。しかし、アタマが悪く、技術がないから患者を殺す。超一流の大学病院以外にはこの手の医者が非常に多いから、大学病院にいくのは気をつけたほうがよい。能力にあまる難病を扱いたがるほか、新しい技術、新しい薬を使いたがる。患者を実験台にするのである。そして、一つ論文を物してやろうと身の程知らずの野望をいだく。患者はいい迷惑である。功名心が強いから勿論カネは大好物である。私立のJ医大で出来もしない内視鏡の手術をしたような連中が多い。

C カネが大好物である。アタマが悪いことは自覚しているからBのようなことはしない。

このタイプも非常に多い。BとCで95パーセントを占めるだろう。

なぜ、こういうことになるかというと、前にも書いたが医者は汚わい屋なのだ。人体の汚わい屋である。病気というのは人体の汚わい化にほかならない。そういうのを毎日あつかっていると、金を溜めることだけが生きがいになる。毎日つらい思いをする女郎がカネに執着するようなものである。

(注)汚わい屋というのは死語化しているから注釈を加えると糞尿処理業者のことである。水洗便所が普及する前は都会の民家の便所から糞尿を汲み取り田舎に運んで畑の肥料として農家に売る商売である。

汚わい屋の反動で金に執着するわけだが、まれに文化的活動に救いを見出す医者がいる。医者にときどき美術愛好家とか森鴎外みたいな作家がいるのはそのせいである。

いい医者はわずかにいるが、そういうのにめぐり合える確率は皆無にちかい。嗚呼


今朝のハッチャン

2006-11-05 09:18:20 | 社会・経済

日曜のフジテレビ「報道2001」討論を見た感想である。出席者は中川自民党政調会長、松本民主党政調会長、青山氏(安全保障コンサルタント?)

まず、中川さん:もう少しはっきりと踏み込んでほしいが、議論を提起する場合に立場を明らかにしない、という方法もあるのでまあいい。それに、こういう議論を正面からすることによって、中国などには絶大な効果がある。もし、この議論が出てこなければ中国首脳が慌てふためいて国連制裁決議に賛成しなかったろう。トウカセンが平壌に出向いて膝詰め談判もしなかったろう。

松本氏:よく分からんね。核保有などに絶対反対と自信をもって公に議論をするならいい。議論をするのは世界に誤解を与えるという家畜的な発想は到底受容しかねる。自説を堂々と発信できる機会を与えられるのが嫌なのか。臆病きわまりない。議論をすると結論を出さなければいけないから、議論してはいけないという。どういうこと。議論をすれば負けるのが分かっているから?国民の多数は保有に賛成して自分達の議論が国民を説得する自信がないからですか?

それに民主党はアメリカの核の傘は認めているんだね。アメリカに核を撃ってもらうのはいいが、自分で撃てるように準備するのはいけないというのはどういう理屈かね。分かるように説明してくれたまえ。ガードマンが銃を発砲してもいいが、自分では銃を持たないというお上品な発想かな。

青山氏:日本が核保有すれば日米同盟は一旦こわれるという発言はおかしい。イギリスは核保有国だがアメリカの同盟国だ。フランスも核保有国だ。フランスは同盟国じゃないかな。でもNATOを通して実質同盟関係にある。中国とロシアは核保有国だが緊密な関係だ。

核保有は同盟を壊すものではない。同盟を維持し、解消させる原因は他にある。むしろ現在の片務性を解消して同盟関係がまともになるのではないか。日米同盟関係は新次元に入る、変化する、止揚されるというならいい。せいぜい変質するまでだろう。どうも専門家らしくない。

竹村氏:久しぶりにいいことをいった。核が抑止力として働いているのは厳然たる事実である。これはきわめて有力な理屈だ。

最後に:日本は唯一の被爆国である。核廃絶を訴えるのは当然である。同時に残虐極まりないホロコースト兵器の被害を受けた国民として、将来同じような危険に会わないために核の問題を正面から議論しなければならない。むしろ日本こそ、中川氏の提案を真剣に考えなければならない。

常識的に考えて核には核で対抗するのが一番有効であろう。世界の大国でこの政策を取らないところはない。すなわち世界の常識である。核兵器以上の抑止力のある兵器といえばオカルト兵器かな。残念ながらまだ開発に成功していない。試みた国はあるようだが。

世界に冠たる日本国憲法にあるすばらしい文句、「世界諸国民の善意を信頼して」丸腰で努力をしてまいりましたが気がつけばまわりは核保有国だらけ、軍拡に狂奔する国ばかりという有様だ。政治家の責任はきわめて重い。

まもなく米国の中間選挙が行われる。民主党が優勢である。2008年には民主党政権になる可能性がある。今のうちに日本の立場を明確に世界に発信しておかないと、その時に大混乱になる。外交は先手先手が重要だ。