週刊文春見た? 最近は四誌(週刊文春、週刊新潮、週刊ポスト、週刊現代)のなかでは文春がジャーナリスティックなセンスがいい。今週の見出しにつられて買った。例のバラバラ夫の話だ。
どうもぱっとしない。新聞やテレビは第一報を荒っぽく伝える。これは性格上仕方が無い。それをフォローするのが週刊誌だが、新聞を見て報道で抜けているのが、友人の活躍の詳細だ。
カオリ容疑者が逮捕される前から、「友人」が少年探偵団を作ってマンションの監視ビデオを入手して分析していたという。その情報提供が警察の捜査を大いに助けたそうだ。被害者は友人に恵まれたな、というのが第一の感想。どういう友人のだろうというのが第一の疑問。
それとこれは捜査に役立ったかどうかしらないが、「友人」がカオリ容疑者と電話で頻繁に連絡しあった内容を録音したというのが盛んにテレビに流された。こっちのほうは文春に出ている。「友人」というのは旅行会社の人らしい。三橋夫婦共通の知人らしいが、どうもはっきりしない。いずれにせよ、マンションのビデオを分析した「友人」とは別人のようだ。この携帯電話の録音のほうは「友人」がテレビに売り込んだらしいね。警察に協力したかどうかは文春の記事からはわからない。警察におこられたということは書いてある。どうして怒られたのかな。
問題は監視ビデオのほうだが、一部の報道で被害者の勤める会社の同僚だというのがあったと思うが、ありうる話だ。その場合は友情ではありえない。ぎすぎすした競争関係にあるのが外資の社員同士だ。わたしの推測は友人ではなくて外資系会社の「内務班」ではないかというものだ。
外資系は社員が社内データを持ち出して他社に移ることを非常に警戒する。日本の会社もすこし見習えば顧客の個人データの流出も減るだろう。閑話休題、急に何日も欠勤したので『内務班』が活動を開始したと言うのがまず間違いのないところだ。その辺が取材してあるのかな、と文春を買ったのだがなにもない。とろいね。
本当に被害者への友情から監視ビデオを分析したり、携帯電話で容疑者に鎌をかけて長時間録音したりという作業を無償でしたならば麗しい友情といわねばならない。もっともこの録音した人は警察ではなくてまずマスコミ各社に売り込んで荒稼ぎをしたらしい。