東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

ゆすり屋は撃たない、7

2013-05-30 08:58:59 | 国際・政治
さて、1980年代の終わりに発症した中韓型「歴史認識」癌は有効な治療が出来ないまま増殖を続けている。

日本側の対策がことごとく、間違いであったからである。政府、外務省、族議員、対米問題、安全保障の専門家を自称する人間にまともな対策がたてられなかった故である。

昨日はたまたま日高くんが夕刊フジにひどい文章を寄せていたので演習に使ったが、安全保障の専門家の無能、背信を論ずるならまずこの人だろう。年配で長老格だし、マスコミにもよくでる。名前は岡崎なにがしという。

彼の認識はまずこんなものである。「アングロサクソンとうまくやっている間は大丈夫だ」

アングロサクソンというのは、日英同盟時代のイギリスと現在のアメリカをいうらしい。彼は外務省の吏員だったころ、税金を使ってケンブリッジだかどこかに留学している。それがこんなレベルの認識である。

なるほど日英同盟は優れた外交であったし、地政学的に必然性があった。その日英同盟は大正末年に延長されなかった。アメリカの妨害工作が成功したのである。日本を攻撃してもイギリスから反撃されないようにするためである。

言うまでもないが、現在日米同盟は必須であり、我が国に安全保障体制のかなめである。そんなことは言われなくても分かっておる。

第二次大戦後の東西冷戦が日米同盟を必要とした。冷戦は1980年代末に終わっている。いつまでも日米同盟がかってのように、有効であることはあり得ない。アメリカのアジア政策は日本もシナも、というものだ。1850年以来かわらない。

いまではシナも韓国も日本も、になっている。この地域で紛争が起これば、よくてアメリカの態度は中立である。
だから、なにがなんでも、アメリカの機嫌を損ねないようにご無理ご尤もを旨とすべきというのが岡崎をはじめ安全保障問題の専門家の意見である。

いまやアメリカにとって、ペリー来航以来再びチャンスが巡ってきた。日本には第二の神風が吹いた。南北戦争である。数年間にわたって62万人の死者を出した内戦である。アメリカの対外侵略は50年遅れた。19世紀の末から20世紀の初めにかけてアメリカは遅れを取り戻すために、やたらに侵略をはじめた。無防備のホノルル王族を拉致監禁して自分のものにした。

スペインに戦争をしかけて、パナマをとり、グアム、フィリピンを奪った。さて、次は日本だ。とみるとアメリカが南北戦争で疲弊している間に日本は清国を破り、ロシアを破り大陸に影響圏を拡大して、軍事強国になっている。しかも日英軍事同盟だ。へたにちょっかいを出すとイギリスからも反撃される。

まず日英同盟を延長しないようにイギリスに工作し成功した。それから十数年をかけてじっくりと、日本を挑発してルーズベルトはうまく日本をはめて戦争に持ち込んだ。その戦争にもようやく勝ち、さて日本次はシナの略取だとほくそ笑んだ時にシナに共産党政権樹立、ソ連、シナ、東欧との東西冷戦がはじまった。

朝鮮戦争は勃発するし、ベトナム、マレイシア、フィリピンでは共産党政権が樹立、あるいは共産ゲリラが勢力を伸ばす。

そうなると、出城として日本は重要となった。これが日米安保だよ。今の状況はまったく違う。行きがかり上、政策の大転換が出来ないだけの危うい状況である。

こういう状況に警鐘をならし、未来の外交政策を提言するのが安全保障の専門家だろうが。