アメリカが2010年までにイラクから完全撤退するための協定案が明らかになった。日本が注 目しなければならない内容として次の3点がある。
〇犯罪を犯した米兵に対してイラクが裁判権を持つ。 〇アメリカの軍事行動に対してはイラク政府の承認が必要。 〇アメリカはイラクから他国を攻撃できない。
これらのすべてを日本はアメリカに対して寛容である。60年以上に亘ってアメリカ軍隊に対しては、従属をし服従を強いられている。地位協定であるが、アメリカの傀儡政権と言われているマリキ首相ですらこの程度のことは、アメリカに提示できるのである。
翻って日本は、米兵の犯罪行為は日常茶飯事のように行われている。沖縄の人たちは、毎年のように抗議活動を行っている。どこかの大学の校庭に米軍ヘリコプターが墜落した時など、日本の警察は遠巻きに見るだけであった。ベトナム戦争以来、沖縄や岩国から飛び立つ飛行機も艦船もほとんど自由である。非核三原則お構いなしに核兵器を持ち込んでいた。
シリアにイラクから空爆機が飛び、多くの一般人を殺傷したのはつい最近のことである。遠い国家よりも、民族的にも宗教上も近い近隣の国々と仲良くやりたいのは当然である。イラクの主張は、他の2点も合わせ当然の要求である。
日本でアメリカ兵の犯罪行為に対して、犠牲になるのはいつも庶民である。しかも多くは若い女性である。それも大騒ぎになるのはかなり大きな事件である。軽犯罪などはほとんど無視されている状況である。
日本はアメリカに対しては、占領下にあるイラクが突きつけた協定以下の状況を60年も続けているのである。日本は独立国家といえるであろうか。