ブッシュがバクダッドでの記者会見で、イラクの記者から靴を投げられた。ブッシュは意外と反射神経がよく、2足とも見事にかわした。
ブッシュがかわせたのは、この記者が怒鳴りながら投げつけたからである。一つ目は「これが別れのキッスだ犬野郎メ」で、二つ目が「夫を失った女性、親を亡くした子供たちからの贈り物だ」と言った。靴の勢いもそこそこあったように見える。
イスラムでは靴などの底は最も嫌われる部分である。靴などの底で殴るのは、最大の侮蔑なのである。フセインの銅像をアメリカ軍が倒した時に、子供たちが靴底で叩きつけていたのもそうした意味もある。この記 者の行動は、イラクの人たちの本当の心情であろう。
先ごろ任期を終えようとするブッシュへの質問で、最も悔いの残ることはと聞かれて「イラクの大量破壊兵器の情報が間違っていたことだ」とこともなげ返答していた。その後侵攻したイラク人に対する謝罪も何もない。
そんなことで国家を破壊された人たちはたまったものではない。ブッシュは言った後でもケロッ としていた。このイラク人記者の行動を理解できないイラク人はいないだろう。早速釈放が求められているようだ。
一方強引な憲法解釈で、クエートに5年近く駐在していた日本の自衛隊はやっと撤退する。東京新聞などによると、この間の主な業務は武装したアメリカ兵の輸送だったとのことである。アメリカ軍に良いように使われていたと、自衛隊員が告白している。事実なら憲法違反もいいところである。
このことも含め、アメリカを支援し続けてきた日本は何も検証していない。侵攻の根拠がなかったことを認めているアメリカへの、支援根拠の検証を国民に明らかにしなければならないところである。
今回もなし崩し的な派兵が終わり、派兵の事実だけが残ることになる。次のはもう少しレベルを上げた派兵が行われることになるに違いない。検証しないがやることはやる国家である。