オバマ次期アメリカ大統領は、イラクからの撤退を表明している。その一方でアフガニスタンの 重要性を強調している。現在、アフガニスタンにアメリカ兵は3万人ほど派兵されている。これを倍増するとのことである。
私は生涯のライフワークとして、シルクロードを歩く計画を立てていた。かなりの所を訪れたが、イラン、イラクそしてアフガニスタンはいまだ足を踏み入れていない。様子を見ているうちに、年々情勢が厳しくなってきたのである。
1979年ソビエトの介入でも、多民族国家と山岳民族の特性を生かして、ソビエトを追い出した実績がある。彼らにしてみると大きな自信となって残っている。
とりわけパシュツーン人は、敗北を知らない民族である。タリバンという言葉に騙されて、無用な判断を下すことが多い。彼らは、アフガニスタンとパキスタンに分断された民族なのである。
トライバルエリアは、彼らにとってはパキスタンでもアフガニスタンでもないのである。今ここに、オサマビン・ラディンの息子のサアドビン・ラディンがいるとされている。EUを中心にしたISAFがいくら地上戦を戦っても追い詰めることができない。
韓国へはすでに増派を依頼している。日本のインド洋上でアメリカ艦船に給油する行為が、テロ対策(タリバン掃討)に有効であるはずもない。オバマは、日本政府に別の形での支援を依頼するであろう。その時日本政府が民主党なら、小沢一郎の主張通り国連を通した形になっていたら、日本は地上軍を派兵することになるのではないか。
制空権を持つアメリカは、今年になって何度も誤爆を行っている。とりわけ大勢が集まり空砲を撃つしきたりの結婚式への誤爆が目立っている。11月3日には、カンダハルの結婚式では40人以上が殺害されている。歴史的建造物への空爆による破壊も後を絶たない。
こんな国の支援を支持する民族があるだろうか。オバマによるアフガニスタン介入は結局失敗することになる。ガルフニュースは、アフガニスタンの地は彼らの墓場になると結論している。大国は民族の自立を支援するべきであって、国家権力への武力介入は慎むべきである。