そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

検証をおろそかにする国

2008-12-04 | イラク

イラクから自衛隊が完全に引き上げるようである。何事もなかったように、クエートから引き上げる。アメリカでさえ、開戦の大義の不遜は認めている。日本では、小泉首相がぼけたような見解を予算委員会で発言している程度である。

インド洋上でのアメリカ艦船への給油も、参議院で拒否されながらも通した法案である。また期限切れで、何とか給油をやりたい麻生首相は国会対策に、奔走している。

どちらも、イラク支援やアフガン支援、あるいはテロ対策としての検証が全くなされていない。ズルズルと止めてみたり引き延ばしたりしているだけである。

イラク派兵については、サマワについても空自の派遣にしても、どのような成果があったのか、何のための派兵だったかが全く検証されていない。インド洋上での給油にしても、テロ対策ならこれまでの効果を検証しなければならない。実際には、テロは激しくなってタリバンが完全復活の所もあるほどである。それでも何の手直しもなく続けるこの矛盾。

こうした現状を認めての検証とこれからの対策を、正常な国家なら立てて次に取り組むものである。それができないのは、アメリカの言いなりの行動であるから、検証のしようがないのである。

道路税の一般財源化にしても、世界的な金融危機を口実にこれ幸いと、財政再建は無視して(見直しではない)、不況で息絶え絶えで口をあけている土建業者に餌を与えるだけの行動ををとったのである。地方の振興も財政再建の検証も全くないのである。そもそも税金の無駄使いの検証もなく、道路族の綱引きの腕力ばかりが目立ついい加減さである。

定額給付金にしても、過去に類似のバラ撒きを行ったがどのような経済効果があったのかさえ検証されていない。選挙もやらないので、効果は選挙対策だったとはいえないので検証しないようでは、何のためのバラ撒きなのかも分からない。

現在ポーランドで開催されている、COP14で日本は早速「化石賞」を頂いてる。Co2排出の一般論をいつまでも述べていて、経済成長を片目で睨んだまま、いまだ踏み出すことのない日本は、国内的な検証を全くやっていないことを突かれたのである。

どうしてこんな体たらくをするのか?答えは意外と簡単である。この国は、敗戦の検証をやっていないからである。東京裁判を受け入れたくない連中がいつまでも、あの戦争はもうちょっとうまくやっていれば勝てたはずだと、いまだに田母神のような連中が歯ぎしりをしている。国内での論議がなく今日まで来たためである。

ズルズル時の流れに任せるいい加減さは、戦後の日本が敗戦を検証してこなかったことが大もとにある。

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