ヒラリー・クリントンアメリカ国長官が来日した。オバマ政権初めての首脳の外遊である。初の外遊に日本を選んだことと、初の政権担当者との会談にもオバマは日本を選んだ。ヒラリー長官は、分 刻みの日程を笑顔で乗り切った。
彼女の初仕事としては、充分すぎる活動であったにも拘らず、報道はアルコール依存症の男の辞任劇をトップ記事にしてしまった。おかげで、彼女の張り切りはかすんでしまった。ちょっと気の毒ではあるが、しっかりとアメリカの姿勢は見せることはできたようである。
ブッシュ政権のような、一方的で強圧な姿勢は影をひそめ、対話重視の姿勢は見ることができた。紛争に明け暮れたブッシュ政権はアジアから離反していたが、その修正の意味もあったのであろう。東大生との対話や皇后との会談、拉致被害者とのひざを交えた話し合いにも応じて、明治神宮にも出かけた。
オバマは日本を取り込むつもりでいるのは、何よりも次期政権担当者の小沢一郎民主党党首と話し合ったことからみてとれる。オバマ政権にとって最大の課題になるであろう、アフガニスタン派兵の地ならしととれる。
クリントン長官は、笑顔を振りまきながらもしっかりと、グァム移転の予算は取り付けた。大体が、 移転にどうして日本が金を出さなければならないのかも詰めないままであるが、調印はしっかりとした。移転費用106億ドル円のうち62億ドルも日本が負担するのである。その内容は、移転以外の雑費用も含まれるアメリカご希望の内容になっている。
アメリカは恒常的な赤字財政であるが、国債を日本と中国に買ってもらっている。今回の金融危機の対策で、2兆ドルに迫る費用がかかるようである。そのためには、日本は何でも聞いてくれる政権であって欲しいのである。オバマの本当の目的は、国債の購入にあるのかもしれない。
クリントンの笑顔外交に騙されてはならない。オバマは日本での支持率が75%もあることを知っているようである。日本へ何を負担させようとしているのか、これからの動きを見極めなければならない。