福島原発の冷却のためにヘリコプターで海水の投下を試みたが、どうもうまくいかなったようである。仮に冷却へ至っても、溢れた水の処理はどうするのだろうと案じたが、杞憂のようである。
それではと、警視庁の放水車が出てきた。暴徒を押さえる道具であるが、これもうまくいかなかった。施設に届かなかったとのことである。結局自衛隊の航空機火災の、特殊消防車でやっと注水できたようである。
この冬に自衛隊が勇んで、エゾシカの駆除に100人も駆り出されたが、初日は一頭も処理できなかったことを思い出す。
原発施設の必死の消火・鎮火・冷却活動であるが、どこか滑稽でもある。安全神話を作り上げ、こうした事態を想定していなかったことが、はっきり分かる。外部機器でしか対応できなかった。
事故内容の説明もぎこちない。IAEAは情報が足りないと、事務局長が乗り込んでくることになった。アメリカも専門家ももどかしい発表に、共同作戦を組むと政府も発表している。
安全神話を言い続け、周辺の産業への被害を考慮・想定してこなかった 、東電と原発推進してきた政府と評論家は猛省するべきである。
アメリカ政府は、周辺80キロ以内に住む自国民に避難の勧告を行っている。カナダなども同じ勧告をやっている。要するに日本の発表を信用していないのだ
原発周辺には酪農家が、20数戸あると聞く。毎日酪農家は牛乳を出荷するが、集荷の運転手が恐れていかないようである。酪農家は牛乳を廃棄している。
これから最も心配なのは、避難勧告地域あるいは福島と言うだけで、牛乳を消費者が買わないのではないか。あるいはこの地域の、農産物を消費者が買わないのではないかという心配である。
畜産農家は、家畜を抱えている。避難指示を受けても、家畜を放り出して避難できるわけがない。地震は天災であるが、放射能被害は人災である。
風評被害と言えるかどうか解らないが、地震による3次災害と言える。もうすでに、イチゴなどは入荷を嫌われているようである。これからの農産物の売れ行きを案じている。東電は補償するのだろうか?