そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

東電は宮崎の畜産農家を見習え

2011-03-25 | 原発と再生可能エネルギー

   マスコミの報道も評論も、相も変わらず事故原発の復旧へ向けての作業と、職員の活躍を報じている。職員も必死であろうことは判らなくはない。

 しかし、東電は自らが置かれている位置が分かっていない。簡単である。最近はや りの、リスクマネージメントの観点から見れば、爆発事故原発の置かれている位置が良く解る。

 宮崎の酪農家も養豚農家も、口蹄疫で不条理を感じながら、涙を拭001Photoて家畜の殺処分に応じた。畜舎で一頭でも症状が確認されると、保菌が確認されても、全の家畜の殺処分に応じた。

 もちろん症状のない健康な牛も豚も、殺処分されたのである。本来は家畜の生命を救わなければならない獣医師が、毎日毎日何百頭もの家畜を殺した。飼養農家に泣かれても、懇願されても全頭を殺処分した。

 それを今回の原発事故に当てはめてみると、東電がいかに無神経に居直っているかが分かる。福島第2原発に限ってみると、6基中4基が爆発して、人にとって極めて有害な死の灰(放射性物質)を、撒き散らしているのである。

 本来なら、6基とも殺処分・廃炉である。この福島第1、2と女川原発も含めて廃炉にするべきなのである。家畜を殺処分した獣医師の心情を少しでも理解できれば、復旧や再開などあり得ない。東電あるいは110322 国、あるいは取り巻きの評論家の、どうやっていつ再開出来るかとする姿勢は、批判されるべきである。

 この国に60基もの原発がある。その内の一割もの原発が爆発し放射性物質を撒き散らしているのである。リスクマネージメントからすると、全てを廃炉にしてしまうことが、最も適切な対処方法である。

 口蹄疫は人には感染しない。又口蹄疫で家畜は容易に死ぬことはない。とりわけ牛はそれほど重症になるとは思えない。しかしながら、畜産農家は畜舎単位で全ての家畜の生命を奪って、国の方針と消費者のニーズに応えたのである。

 東電は、口蹄疫の感染を受けた宮崎の畜産農家と同じ立場にある。周辺住民にも、一般国民にも最もわかり選択は、廃炉である。

 今は部分的に降り、海に流れている死の灰も、このままでは終息など程遠く、拡大することは明らかである。周辺住民も作業員も、際限ない被爆のもとにある。

 東電は、速やかに宮崎の畜産農家を見習って、事故原発の廃炉を前提にした対策に踏み切るべきである。

コメント (6)
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