チュニジアに始まってエジプトに飛び火し、中東各地を荒れ狂う社会民主化運動であるが、今盛んにリビアが報道されている。カダフィが強力な親衛隊と空軍で 盛んに抵抗している。世界中の目が中東と北アフリカの動向に注目している。
しかし、アフガニスタンではEU連合軍とアメリカによる、民間人の誤爆が相次いでいる。さしもの傀儡政権のカルザイも、激怒し抗議している。昨日(7日)もアメリカ空軍が、森で薪を拾っている子どもたちを戦闘機で攻撃して射殺した。子供たちだけの集団であったが、4名もの幼い命が奪われている。誰も責任を取らない。
タリバンによる自爆テロも一向に下火にならない。それどころか、アメリカの撤退を見込んでか、大きな自爆テロが相次いでいる。一度に10名を越す死者のテロも頻繁に発生している。治安の改善は全く進んでいない。
オバマは、ブッシュの尻拭いをする羽目になった中東政策であるが、原点のアフガニスタンから今年7月から撤退をすることを約束している。来年中には撤退するようである。その後の治安に関しては、カルザイが引く継ぐことになっているが、全くめどが立っていないのが現状である。
9.11の怨念を下げて、ブッシュが真っ先に兵隊を送り、平穏であったこの国の様相が一変した。タリバンが国民から信頼はされていたか、人権などが守られていたかは疑義のあるところである。が、少なくともアメリカが侵攻してからの方が、比較にならにほど治安は悪化し、国民生活は困窮している。国民は他国の理念に生きているのではない。自らの国は自らが治める原則は曲げるべきではない。
リビアへの介入にさすがに慎重なアメリカであるが、隣国で石油の輸入国であるEUはどうやら動きそうである。飛行禁止区域の設定に前向きのようである。彼らは、アフガニスタンやイラクを教訓化していな い。カダフィが悪政をやっているからと、他国が介入する理由は介入する側の国にはない。リビアを、アフガニスタン化することになるからである。