原発事故報道のほとんどが、放射能がどのレベルだったか、何処から漏れているかとかに偏っているようにみえる。EUの多くは、日本の原発事故を受けて見直し論や、脱原発にと波紋が広がっている。
ドイツでは全国的な反原発運動が起きていたりする。あの中国も、温暖化対策 の切り札として、原発の大量建設を目指していたが、それに見直し論が広がっている。
昨日(28日)の発表は2転3転している。現場が混乱しているのか、社長が何処かに行っているようであるが、放射線量の発表に明け暮れているだけである。その測量結果の発表すら、何とも心もとない。
繰り返される、放射能漏れは詳細にみると、かなり違ったところからことなる放射性物質が計測されているが、誰もが毎日同じ報道が繰り返されているようにしか思っていない。要するに、放射能漏れは収まらず、事故は拡大しているのである。
住民が最も知りたい見通しについては、曖昧なままである。廃炉を前提に考えると、こんな混乱は起きないであろうにと思われる。
チェルノブイリ事故は、10日でコンクリートで覆ってしまっている。いわゆる石棺にしてしまったのである。福島原発は、2週間を超えたが、全く封じ込めの段階にも至っていない。しかも今回は4基(?)である。
コンクリートでまず覆い、それから石棺・廃炉に向けての作業をすれば、住民がどれほど安心するのか想像に難しくない。2000トンもの海水を注入した結果、何が起きるかははっきりしている。今更海水の汚染はないだろう。当然の結果である。
マスコミ報道は相も変わらず、“修復”に向けた、放射能を浴びながら働く献身的な職員に、同情論から始まる報道で視聴率を稼いでいる。
原発そのものの在り方を、今こそ報道するべきである。時間が経てば事故のことなどを、この国の住民は、すぐに忘れてしまう。被爆国が原発導入することが、喉もと過ぎると忘れて良いこととそうでないことがある。
放射線が、遺伝子に及ぼす影響を、未だに多くの科学者は認めていない。確かに直ちには影響はないかもしれないが、こうした無責任な被爆国の意見とは思えない。ソ連の核実験場近くのセミパラチンスクでは、いまだに奇形児が生まれている。