そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

早速ほころびを見せた新エネルギー政策

2012-09-20 | 原発と再生可能エネルギー

民主党が、40年までに原子力発電依存をゼロにする、とした「新エネルギー政策」であるが、早くも行き詰っている。当然である、これまで原発推進派であった首脳部が、選挙対策として打ち出したもので、内容が詰められていない。

閣議決定を昨日するはずであった。閣内の意見統一はできていると、戦略担当大臣は発言しているが、閣議決定できなかった理由は述べることがない。

Nucler_crisis_001_2原発の燃料を作るために作られている核燃料サイクルは、継続するとしている。40年までにゼロにする原発のための核燃料を、なぜ今後も作り出す必要があるのだろうか? 答えは簡単である。これで潤っていた青森県が反対したからである。ここには、エネルギーの将来を見た視点も、論議もないのである。

○原発の稼働年限を40年とする ○安全を確認した原発は再稼働させる ○新設も増設もしない としてきたこれまでの、民主党政権の原発政策の流れ、方向性が自治体の要請で簡単に覆る脆弱性が見て取れる。

それは逆の意味からも見て取れる。官邸周辺を毎週取り囲む、反原発のデモにほだされて打ち出した「新エネルギー政策」である。票になると見込んで、急きょ転換したのである。

民主党党首選挙では、野田以外の候補は野田の脱原発の姿勢が曖昧であると、一斉に反論している。野田はこれにこたえることはなく、しどろもどろしている。

翻って、自民党の総裁選挙であるが5名が(4名?)が、原発推進を訴えている。民主党政権は余命いくばくもない。原発は再稼働される日は近いとみるべきだろう。

これだけの事故が起き、これだけの原発政策の矛盾が露呈しておきながら、いまだに原発止めませんと言い続ける自民党のアホ政治家たち。

票が欲しくて、とりあえず脱原発を打ち出した、いい加減な民主党の政治家ども。この国にはこの程度の政治家しかいないのだろうか?

原発事故は物理学的な矛盾や人々の悲劇を生み出しただけではなく、この国の内部に抱える政治的な矛盾を曝け出してくれた。しかし、その修復能力すらこの国にはない。

コメント (1)
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