昨日NHKの教育テレビ「ニッポンのジレンマ」という、少しばかり長い若者たちの討論番組を見た。深夜1時半ころまであったが、惹かれるものがあった。
討論者は20代かせいぜい30代前半の若者たちであった。昨日の討論議題は「僕らの楽しい資本主義」というものであった。企業家や評論家たちである。カタカナ職業の実態は理解できなかった。
小学校時代に、山一証券の破たんを見、高校時代にライブドア事件を見ている。彼らは崩壊する資本主義を見ているのである。お金儲けにこだわる企業に拘泥しない。
企業を大きくすることや上場に執着しない。大きくすると、自分の意思に反する人たちが増えるし、働き方の自由度が減少する。ということらしい。
得意分野だけ企業が評価するノマドといわれる雇用、あるいは自宅勤務やアウトプッターと呼ばれる雇用形態などを多様な雇用関係を容認する。
「良くも悪くも大企業がなくなる楽しい時代、安定度がない分、自由度が増える」という思考方法には、旧態の雇用にこだわると理解できなくなる。
働くことを、労働(苦役?)と仕事(経済性?)に別々に思考する、それは全く新しいが、冷めた考え方のようにも見える。しかし、根性ではなく夢中になる働き方を求める。それが楽しい資本主義社会なのであろう。新たな価値を求めて、経済指標を語るより、何を考えるかが重要とするのである。
最も私を驚かせたのは「これまで生産と消費だけで、資本主義を語ってきた」という発言である。彼らは、過去を否定するばかりではなく、新たな資本主義の形態を模索しているように見える。若者も捨てたものではない。