そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

原発ゼロでは不十分である

2012-12-03 | 原発と再生可能エネルギー

総選挙を控えて14党ほどの討論を複数聞いてみた。原発に限ってみると、政治家どもは全く理解していないことに気が付いた。彼らは原発を政治的に捕え、国民の意見を取り込むための発言をしているに過ぎない。

民主党、自民党、公明党、みんなの党、新党改革、日本維新の会、国民新党は原発再稼働容認と理解してよい。原子力規制委員会が「安全」と認めると、稼働するとしている。これらの党は、原発は世界一厳しい規制を受けた後、再稼働を認めている。世界一厳しいのは、日本の地理的条件を考えると当たり前である。それでも安全な原発など存在しない。

原発は放射性廃棄物が出る限り安全であるわけがない。原発はシステムそのものが解決できない危険性を抱えている。核と人類は共存できるわけなどないのである。

残りの党は、それなりに原発再稼働を認めていない。大気や海には国境はない。野生生物も同じである。Photo_3
日本近隣の国々では原発は再稼働どころか、建設が盛んである。韓国が20基(7)、中国が15基(26)、台湾が6基(2)が稼働している。カッコ内は建設中の数である。

中国の現在の稼働基は、江蘇省、浙江省、広東省と全て沿岸部に偏っている。さらに、今年「原発安全5か年計画」を作成し、さらなる建設を具体化している。

現在は電力として1200万キロワットで、僅か1%程度であるが、計画では2030年には60基ほどにするとしている。その上、2050年には230基の稼働を計画しているようでもある。これらの建設予定地は、沿岸部に集中している。

台湾も韓国もすでに東シナ海、南シナ海に面して原発を稼働させている。春になると中国から黄砂が降ってくることを見ても分かる通り、西風はいつも吹いている。

日本は経済的にも技術的にも東洋の先進国である。これらの国に原発の稼働をゼロを指導してこそ、本当の意味での脱原発である。前述のように、空はつながっているし、海に切れ目などなく、野生生物には国境などないからである。

民主党政権は大間原発を建設させたり、ベトナムへ原発を輸出させたり、ヨーロッパやアフリカへ売り込みを促進させるなどもってのほかである。近隣国に事前通知なしに、汚染水を廃棄した民主党にはそんな感覚は全くないのは当然である。

福島原発事故を経験した日本は、国内の原発ゼロをするだけでは不十分である。日本は他国への原発停止を指導するべき使命を負っているのである。

再稼働を考えている人たちがこの国いるなど、事故から何を学んだのだろう。ましてや、それがこの国のリーダー候補たちとは情けない一言である。

コメント (4)
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