今日安倍内閣が発足する。困ったことに、世界は安倍にとって追い風の雰囲気が強い。二度目の登板とはいえ、よくよく運の強い男のようである。
何よりもオバマが自民党の復権を歓迎している。安倍は早々に日米同盟の深化を打ち出している。小泉純一郎の外交は、アメリカの言いなりになることだけと言ってよい内容であった。この間にも世界は多極化している。とりわけ中露の台頭は目覚ましいものがある。
小泉のような単純外交は許されないだろう。オバマも日本との関係の強化は、自国の問題でもある。安倍との連携を深めたいのは、安倍にとっても好都合である。
時を同じくして登場した、中国韓国のこれまた二代目のボッチャマ・お嬢様がいるが、彼らの試運転期間に登場したことも幸いするだろう。
民主党政権の迷走は、短期内閣が続いたことにある。国内外では、人物の特定はともかくとして、長期政権を望んでいる。これも安倍にとっては好材料である。
今回の選挙は投票率が低かったが、その多くは民主党支持者が棄権したことと、経済対策を第一に挙げた人たちの登用率が極めて高かった特徴がある。タブーと言われる日銀に手を出してまで、どうなるかわからない経済対策を打ち出したことで、早速市場が動き出している。行方不明の政策であるが、期待感が強くこれも好材料である。
民主党政権時代に、東北大震災が起きてこれが民主党にとっての打撃になった。国土強靭化なる土木公共事業を打ち出したことも、安倍
にとっては好材料になった。旧態依然としたバラマキであるが、土建屋の支持が強い。
野党に転落した民主党とほぼ同数の、維新の会が登場したことも大きい。旧態依然たる国粋主義者の安倍は、外なる賛同者を持ったことになる。
民主党の脱官僚に比べて、経済対策の成果は見え難い。3年はかかる。早くも続原発を打ち出した安倍は、こうした好材料を追い風にして何をしでかすかわからない。
土木事業を主体とする公共事業は、後の世代にツケを残すことをこの国は学習したはずである。この国は近隣諸国のみならず、世界各国に宣戦布告した経験が生んだ平和憲法破棄も、安倍の視野に入っている。とても恐ろしい時代になった気がしてならない。