時は総選挙の真っ最中である。両手に余る各党は、政策を訴えている。消費税とTPPと原発の三つを並べて、〇×を付けている。マスコミ報道はこの方がやりやすいのだろう。僅かに自衛隊の扱いと、憲法改正を軸にする見方もあるが、主流になってはいない。
そもそも、民主党がコケたのは普天間の移転問題がきっかけであった。見方によっては、普天間問題は民主党が、戦後連綿と続けられてきた自民党政治の評価・転換の試金石でもあった。鳩山はこのハードルを、実に見事のコケて見せた。
その普天間、沖縄の基地問題は総選挙の政策論争には登場してこない。鳩山が政界を引退したからいいような問題ではない。
尖閣諸島は沖縄県の無人島である。人は住んではいないが、人が住んでいる本島よりも政治家たちは選挙で騒ぎ立てている。
アメリカ兵士の犯罪事件は、夜間禁止令が出ていても一向に収まる気配はない。昨日も傷害事件が起きている。夜間外出をしてもらわないと、商売が上がったりになる人たちのために、ゾロゾロ出てしまうのではないかと穿ってみたくもなる。
更には、今月で配備から2カ月になるオスプレイである。あれほど騒がれていながら、基本的にアメリカの言いなりで、米軍の報告を受けるだけであると、軍人の森本防衛大臣は述べている。
それを受けて、オスプレイの訓練は順調に進んでいる。ほどなく日本各地で低空飛行訓練が行われることになる。反対をしても、何も変わらないばかりかどんどん計画は進行している。
沖縄県民の負担を減らすという、お題目はすっかり色褪せたどころか、もうすでに各政党の中には存在しない。沖縄の基地問題は、鳩山が鮮明に際立たせた効果のみが残り、問題は放置されたままである。沖縄県民は今回の総選挙で棄民となる。