北朝鮮が「人工衛星と称する事実上のミサイルを発射」した。失敗するのでないかと思われた、ミサイルは思ったより精度が高かったようである。事実、人工衛星は地球を回っているようであるが、メディアは事実上のミサイルと表現している。
世界最貧国の新しいボッチャマ指導者が、なぜ1年に2度も800億円もするミサイルを発射するのだろうか? 答えは簡単である。2012年から強盛大国を目指すとした、お父うちゃまの遺訓の実行である。今月は命日でもある。
強盛大国とは、思想・政治・軍事・経済を強くするとする、実質軍国主義国家のことである。これはどこかで聞いたことはないか?
石原慎太郎が、これまで盛んに言ってきている内容に、ぴったり符合する。核兵器を持たないから、他国にバカにされるのだ、アメリカに頼ることになり言いなりになるのだと。
思い起こせば、彼は1932年(昭和7年)生まれである。この男が尋常小学校に入学した時は、最も軍事大国として勢いがあった。この男は、皇国史観に教育され軍事大国日本の世界制覇を、頭から叩き込まれたのである。
その後、慎太郎軍国少年の願いもむなしく、鬼畜米英に敗北するのであるが、彼はこの時の思想を、齢80になっても披歴し展開しているに過ぎないのである。
石原慎太郎こそは、現代の日本を強盛大国・軍事大国へと導こうとしているのである。憲法を破棄して国軍を持つことが、この国を強くするというのである。庶民の目線もなければ、国民の生活もない。北朝鮮の強盛大国そのものである。
敗戦国日本の反省もなければ、21世紀の世界が均一化しつつあるにもかかわらず、いまだに中国を「シナ」と卑語を使って呼ぶ石原は、戦前の軍事教育の、優秀な落とし子と言える。
こうした時代錯誤も甚だしい男の言葉は、勇ましく歯切れがいいので国民が錯誤するのであるが、実態は強盛大国の実現に他ならない。
石原は、憲法のためなら自民党とも手を組むと、改憲論者の安倍晋三に手を差し出している。公明党と手を切ってこいと言っているのである。急速な右傾化で、この国が危なくなってきている。