昨日の続きです。農薬は、農家が好き好んで散布しているではない。左の表は、単位面積当たりの農薬の散布量である。ほんの少し前まで、日本は圧倒的に、世界第一位でした。
表は2008年のものですが、韓国に追い抜かれています。韓国が追い抜いた理由は、アメリカとの自由貿易協定FTAを締結したからです。農業は置いてきぼりで、韓国は農業を捨てたと言われています。残された農民の必死のあがきは、農薬の多投入になっているのです。
もう一つの理由は、日本がネオニコチノイド系の農薬に移行してきたからである。少量でも効果が高いから、結果的に少なくなったと言える。怖ろしいことである。
右の図は農薬散布の時にしなければならない防護服と、その注意書きである。農薬が安全であるはずがないのは、この服装を見ればわかる。
更には、この数年で、空中散布が無人ヘリに大きく変わってきたことある。安価で、低空散布ができる。したがってて広がりが少なく、結果的に高濃度の散布が可能になったと言える。農家も散布量が抑えられるが、農薬が減少したわけではない。低空散布は高濃度が許可されているのである。
TPPの参入で、農家には経済効率が求められるようになる。農家は生き残りをかけて、「安全」というお墨付きをもらって、農薬や化学費用の量を増やすことになる。
その指針は、農水省が出すのであるが、原子力ムラと同様の構図がここにある。申請するのは農薬会社であって、審査する専門家も彼らとと天下りの官僚が「法人」組織を作り、許可するのである。
TPP参入で、食糧の一時の量は生産されるであろうが、とても安全とはいえ内容な農産物が、消費者の口に届けられることになる。
しかも、概して農薬散布や残留基準は圧倒的に、アメリカが緩い。日本も欧米に比べて極めて高い水準であるがTPP参入で、こうしたアメリカ基準が日本などの参入国に押し付けられことになる。農産物の安全基準など、生産効率と経済性の前には意味がなくなるようになる。