アメリカのコネチカット州でまたもや、小学校で銃乱射事件が起きた。今年になって8度もこうした事件が起きているというのである。今回は死者が26人で、小学1年生が20人もいる。悲惨な事件である。
犯人は3本ほどの銃を持って、母を射殺した後母が教師として勤める小学校に侵入し乱射したものである。無抵抗の子供たちを打ち殺して、自らも命を絶った。撃たれた子供たちは、数発の弾丸を受けていたということである。
コネチカット州はアメリカでも、比較的銃規制の厳しいところである。引きこもりの、母子家庭の子どもがおこした乱射事件である。社会的な病巣の結果と言える。
驚くことに、アメリカでは毎年銃による死者が、10万人にもなるそうである。今回のような弱者を狙って起こす乱射事件も、毎年数件起きている。
オバマも銃規制の必要性をコメントしている。これを受けて、NRA(全米ライフル協会)が、反対の記者会見をした。この会見は、NRAによって子供を殺されたとする市民団体によって、何度も中断された。
NRAの主張は「銃は身を守るものであって人を殺すものではない」「銃が人を殺したわけではない」「銃によって身を守る権利がある」と言ったものである。
NRAの主張は、自民党などが主張する自衛権とそっくり置き換えることができる。相手が銃(軍隊)を持っているから、こちらも持たなければならない。あるいは、もっと発展してあちらが10個持っているから15個持たなければならない。あちらの殺傷能力が高いのでそれ以上にしなければならないというものである。
結局銃は自衛のものであって、使用したのは相手が悪いといことになる。いつでも使える凶器は、その目的以外に使用されることはない。
自衛のための戦争も、自衛のために銃を手放さないことも同じである。「相手が俺より悪い奴」理論が戦争となり銃による殺人事件になる。オバマが、核無き社会を就任当時掲げたのであるが、それは正しい。
核も軍も銃も同じである。日本国憲法はその所有を禁じている。