四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを山口県の住民が求めた仮処分申し立てで、広島高裁は、運転してはならないとする決定を出した。森一岳裁判長は、原発付近に活断層がないとした四電の調査は不十分で、阿蘇山の大規模噴火時の想定も過小評価だと判断した。原発の運転を差し止めた司法判断は、福島第一原発事故後は5件目であるが、高裁では2件目となる。3号機は定期検査で運転を停止中で、仮処分はただちに法的拘束力を持つ。今後の司法手続きで覆らない限り、定期検査を終えても運転できないことになる。
四国電力は「到底承服できず、速やかに不服申し立ての手続きを行う」とするコメントを出している。
この判決に対して、菅官坊長官は、「本件は民事手続きであり、国は直接の当事者でないことからコメントは差し控える」と、シャーシャーと述べた。不都合な事実に関しては、なかったことにするこれまでの政府の方針を踏襲した形である。安倍政権の方針が覆されていることについては、何の思いもないというのであろう。
辺野古新基地建設についての沖縄県民投票では7割以上が反対の意思を示した。そんなことは安倍政権にとって全くお構いなしである。
桜を見る会の名簿の廃棄いたっては、もっと強権的である。国が功績を認めて参加していただいた国民を、個人情報だとするのは失敬千万である。公表して末永く称えなければならない人たちである。廃棄し一部公表したものも改ざんしていた。徹底的に探すべきであるが、菅官坊長官は探す気がないという。多くの調査では8割が政権の方針に疑義を持っているが、全く意に介さない。
安倍晋三にとって、司法も民意も倫理観さえも全く関係ない。政治的欲望の発露があるだけである。憲法についても論議はない。古いと悪口を言ってただ改正するというだけである。原発は日本会議の主張するプルトニュウムの存在が背景にある、再稼働容認を安倍晋三は主張し続けるであろう。