詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

オリンピックは中止すべきだった(23)

2021-08-13 09:45:05 | 考える日記

オリンピックは中止すべきだった(23)

 私は、自宅のパソコンが完全にダウンし、つかいものにならないのだが、書かずにはいられないことがあってキンコーズまでやってきた。そして、書いている。
 8月13日の読売新聞(西部版・14版)。
 「東京 人出5割減必要」/コロナ分会長提言 2週間集中対策」という見出し。記事の内容は見出しに言い尽くされている。
 私が怒りを覚えたのは尾身の提言ではない。
 菅が黙り込んでいることに対してである。
 こんな緊急事態に、なぜ黙り込んでいられるのか。「提言」を尾身にまかせて、いったいどこへ雲隠れしているのか。
 何と、3面に「首相、休めぬ夏休み/コロナ対応 137日連続執務」という、よいしょ記事が載っている。安倍が「147日連続で執務した後、持病が悪化し、退陣につながった」と書いているのは、菅もあと10日したら退陣するという「予測」だろうか。
 しかし、「137日連続執務」(休みなし)を招いたのは管の判断の甘さ、政策ミスが原因である。コロナ対策を進め、東京オリンピックを中止していたら、今頃はゆっくり休暇をとれていただろう。盆帰省で、秋田で墓参りしていたかもしれない。みんな、菅自身の判断ミスのせい。専門家の意見を聞かないせい。いまからでも、「専門家のいう通りにします、教えてください」と頭をさげるべきなのだ。

 全国の感染状況は、国内総数1万8888人。過去最高で、20府県で最多を更新した。私の住んでいる福岡でもはじめて1000人を超えた。東京4989人、神奈川1807人、埼玉1528人、千葉1038人、大阪1654人。
 さらに、私が注目している北海道(マラソン開催時310人)は480人。11日午前0時現在はは347人だから133人、約1・38倍に増えている。ますます増えるだろう。北海道のこの拡大がマラソン(東京オリンピック)の影響であるのは間違いないだろう。尾身は感染拡大を防ぐには人流の抑制しかない、と言っている。マラソンの感染は人流の抑制に逆行した。そのマラソンは通常の往復でもなければ、一本道でもなく、珍しい3周する周回コースだった。つまり、観客は選手が3回目の前を通るのを待ち続けた。密集したままだった、ということだ。通常なら選手が通りすぎたら観客も散らばっていく。私は家の近くが福岡マラソンのコースなので、一度レースにさしかかったことがある。沿道の人は、選手が全員通りすぎるのを待つわけではなく、戦闘集団が通りすぎるとさっさと帰る人が多い。道路規制があって、なかなか帰れない(横断できないため)ことにいらいらする人もいるが、その段階では観客はまばらだ。マラソンが公道を利用するから観客が集まりやすいだけでなく、その密集は周回コースの採用で「持続」を生んだのだ。約2時間、密集がつづいたのだ。感染防止対策がとられていないどころか、感染推進対策をとっていた大会だったのだ。
 パラリンピック関係では、チュニジアのスタッフが陽性と判明した。広島滞在のメキシコ人選手14人が搭乗機の濃厚接触者は判断された。感染は拡大し続けている。東京オリンピックの開催は間違いだった。中止すべきだった。パラリンピックは中止すべきだ。

 さらに、この感染拡大は、救急車での「搬送困難状況」を引き起こしている。要請が多すぎて対応できないのだ。受けいれもスムーズではない。そのため、東京は「待機所」を11病院に36床設置するという。(設置したではない、まだされていない。)なんという遅れ遅れの、愚かな対策だろう。何度でも書くが、コロナが発生したとき、中国は病棟を何棟も建設し対応した。患者を受けいれた。そういう「成功例」は1年以上も前にある。それは誰もが知っている事実である。そういう事実を見ながら、それを「手本」にしない。その結果の延長が、いまの事態を招いている。いまからでもいい。すぐに病院を建設し、「自宅療養」を解消し、患者に「安心安全」を提供すべきである。
 病気の人に「安心安全」を提供できなくて、何が「安心安全」の東京オリンピック、パラリンピックなのだろう。
 もう一度書く。東京オリンピックは大失敗、中止すべきだった。パラリンピックは中止すべきだ。パラリンピックは首都圏は無観客だが、静岡では上限5000人で観客をいれるらしい。静岡のきのうの感染者は353人で、過去最高だった。何も考えていないし、事実を見ようとしない管の姿勢が露骨に出ている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オリンピックは中止すべきだった(22)

2021-08-13 09:36:56 | 考える日記

オリンピックは中止すべきだった(22)

 8月11日の読売新聞(西部版・14版)。コロナ感染の続報。(一部WEB版から)
↓↓↓↓
 国内の新型コロナウイルス感染者は10日、全都道府県と空港検疫で新たに1万574人確認された。1万人以上は8日連続。死者は19人、重症者は前日より40人増の1230人だった。
 東京都内の新規感染者は2612人だった。1日の感染者は7月24日以来、17日ぶりに前週を下回ったが、9日までの3連休で検査数が減ったことなどが影響している可能性がある。30歳代以下の若年層が66%を占めた。
 重症者は前日から19人増の176人。これまでの最多の160人(1月20日)を上回った。全体の35%にあたる62人が50歳代だった。入院患者は3594人で、4日続けて最多を更新した。
 都内では70~90歳代の男女3人の死亡も確認された。このうち1人は基礎疾患がなく軽症で、本人の希望で自宅療養していたが、容体が急変して死亡したという。
↑↑↑↑
 感染者総数が減っているのに、重症者が増えている。これは、ごくふつうに考えるととても奇妙。
 読売新聞でさえ「9日までの3連休で検査数が減ったことなどが影響している可能性がある」と書いている。もし、それを不思議に思うのなら、なぜ「陽性率」を聞き出さないのか。検査総数を聞き出して「陽性率」を調べないのか。報道機関は、「権力が」公表したことをそのまま垂れ流すのではなく、その情報に疑問があれば、疑問点を追及しないといけない。
 それは、「1人は基礎疾患がなく軽症で、本人の希望で自宅療養していたが、容体が急変して死亡したという」の部分にもあらわれている。「という」は伝聞。では、だれがそれを語ったのか、そして語られたことを記者はなんらかの方法で確認しようとしたのだろうか。「本人」というのは「一人暮らし」なのだろうか。家族がいるのだろうか。もし一人暮らしであるなら、その「情報」はこの場合、不可欠である。なぜなら、「一人暮らしの自宅療養は危険」という警鐘になるからだ。「70~90歳代」よりも重要な情報だろう。「一人暮らし」の場合、体調の急変を連絡しようにも連絡できないということがありうる。救急要請が遅れるおそれのある「自宅療養」は危険なのだ。
 さらに。
 いま、デルタ株が主流を占めているが、その特徴は「重症化することが少ない」と言われている。しかし、ここに書かれている死亡の3人はいずれも高齢者である。ワクチンも接種済みと考えられる年齢である。3人はワクチンは接種していたのか。そういう「情報」も必要だろう。
 なぜ、聞き出して、書こうとしないのだろうか。

 きょうの紙面で気づいたことは、もうひとつ。
 「東京五輪関係者」の感染状況が書かれていない。オリンピックが終わったから、「感染者」の感染は発生しないのか。追跡調査をしないのか。
 これは、私が予想していたとおりの展開だが、おかしいだろう。感染して、すぐ「陽性反応」が出るわけではないだろう。潜伏期間があるはずだ。だからこそ大会期間中は毎日検査をしたのではなかったか。潜伏期間を考えるならば、最低2週間は「関係者」の追跡調査をし、その結果を公表すべきだろう。もちろんそこには帰国した外国人選手、関係者も含まれる。そうしないと、オリンピックがコロナ感染にどう影響したかがわからない。期間中に陽性が判明しなかったからといって、「安心安全」な大会だったとは言えないのだ。
 それは、こういうことからも言える。きのう書いたのだが、札幌のマラソンには大勢の観客がつめかけた。そこから感染拡大がはじまるのではないか。
 きのうの読売新聞によれば、9日の北海道の感染者は310人。きょう公表されている10日(11日午前0時)の感染者は347人。約1割増加している。347人という数字は東京の2612人に比べると少ないが、東京が減っているのに対し、北海道では増えている。
 「今後」が、大会期間中よりも、もっと重要なのである。

 読売新聞は陽性者が減った理由を「9日までの3連休で検査数が減ったことなどが影響している可能性がある」と推測しているが、検査数が減る要素は「3連休」だけではないかもしれない。「減る」ではなく「減らす」という操作がおこなわれているかもしれない。これから、総裁選、衆院選がある。(順序は、衆院選、総裁選かもしれないが。)さらに、パラリンピックもある。陽性者を増やさないために検査をおさえるということは、ありうると思う。なんといっても、「軽症者は自宅療養」を打ち出した管である。そのうち感染状況も「重症者」「死者」だけになるかもしれない。何度も書いたが、五輪関係では途中から「濃厚接触者」の数を公表しなくなった。そういう変化を考えれば、管が感染者状況の公表基準についてなんらかの「提案」をしてくると考えられる。
 どこにも「正確な情報」がない。公表されるのは、管にとって都合のいい数字だけである。

 東京オリンピックは中止すべきだった、とまた書いておく。パラリンピックの「観客」はどうなったのか知らないが、パラリンピックは中止すべきである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする