オリンピックは中止すべきだった(23)
私は、自宅のパソコンが完全にダウンし、つかいものにならないのだが、書かずにはいられないことがあってキンコーズまでやってきた。そして、書いている。
8月13日の読売新聞(西部版・14版)。
「東京 人出5割減必要」/コロナ分会長提言 2週間集中対策」という見出し。記事の内容は見出しに言い尽くされている。
私が怒りを覚えたのは尾身の提言ではない。
菅が黙り込んでいることに対してである。
こんな緊急事態に、なぜ黙り込んでいられるのか。「提言」を尾身にまかせて、いったいどこへ雲隠れしているのか。
何と、3面に「首相、休めぬ夏休み/コロナ対応 137日連続執務」という、よいしょ記事が載っている。安倍が「147日連続で執務した後、持病が悪化し、退陣につながった」と書いているのは、菅もあと10日したら退陣するという「予測」だろうか。
しかし、「137日連続執務」(休みなし)を招いたのは管の判断の甘さ、政策ミスが原因である。コロナ対策を進め、東京オリンピックを中止していたら、今頃はゆっくり休暇をとれていただろう。盆帰省で、秋田で墓参りしていたかもしれない。みんな、菅自身の判断ミスのせい。専門家の意見を聞かないせい。いまからでも、「専門家のいう通りにします、教えてください」と頭をさげるべきなのだ。
全国の感染状況は、国内総数1万8888人。過去最高で、20府県で最多を更新した。私の住んでいる福岡でもはじめて1000人を超えた。東京4989人、神奈川1807人、埼玉1528人、千葉1038人、大阪1654人。
さらに、私が注目している北海道(マラソン開催時310人)は480人。11日午前0時現在はは347人だから133人、約1・38倍に増えている。ますます増えるだろう。北海道のこの拡大がマラソン(東京オリンピック)の影響であるのは間違いないだろう。尾身は感染拡大を防ぐには人流の抑制しかない、と言っている。マラソンの感染は人流の抑制に逆行した。そのマラソンは通常の往復でもなければ、一本道でもなく、珍しい3周する周回コースだった。つまり、観客は選手が3回目の前を通るのを待ち続けた。密集したままだった、ということだ。通常なら選手が通りすぎたら観客も散らばっていく。私は家の近くが福岡マラソンのコースなので、一度レースにさしかかったことがある。沿道の人は、選手が全員通りすぎるのを待つわけではなく、戦闘集団が通りすぎるとさっさと帰る人が多い。道路規制があって、なかなか帰れない(横断できないため)ことにいらいらする人もいるが、その段階では観客はまばらだ。マラソンが公道を利用するから観客が集まりやすいだけでなく、その密集は周回コースの採用で「持続」を生んだのだ。約2時間、密集がつづいたのだ。感染防止対策がとられていないどころか、感染推進対策をとっていた大会だったのだ。
パラリンピック関係では、チュニジアのスタッフが陽性と判明した。広島滞在のメキシコ人選手14人が搭乗機の濃厚接触者は判断された。感染は拡大し続けている。東京オリンピックの開催は間違いだった。中止すべきだった。パラリンピックは中止すべきだ。
さらに、この感染拡大は、救急車での「搬送困難状況」を引き起こしている。要請が多すぎて対応できないのだ。受けいれもスムーズではない。そのため、東京は「待機所」を11病院に36床設置するという。(設置したではない、まだされていない。)なんという遅れ遅れの、愚かな対策だろう。何度でも書くが、コロナが発生したとき、中国は病棟を何棟も建設し対応した。患者を受けいれた。そういう「成功例」は1年以上も前にある。それは誰もが知っている事実である。そういう事実を見ながら、それを「手本」にしない。その結果の延長が、いまの事態を招いている。いまからでもいい。すぐに病院を建設し、「自宅療養」を解消し、患者に「安心安全」を提供すべきである。
病気の人に「安心安全」を提供できなくて、何が「安心安全」の東京オリンピック、パラリンピックなのだろう。
もう一度書く。東京オリンピックは大失敗、中止すべきだった。パラリンピックは中止すべきだ。パラリンピックは首都圏は無観客だが、静岡では上限5000人で観客をいれるらしい。静岡のきのうの感染者は353人で、過去最高だった。何も考えていないし、事実を見ようとしない管の姿勢が露骨に出ている。