詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

オリンピックは中止すべきだ(14)

2021-08-02 19:29:40 | 考える日記

NHKのワールドニュース。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/es/news/313988/?fbclid=IwAR2cYtcduN2yp-W5Q-g0khCIHVcjTLr8WeRA3m57oT-0ZX4viB_LLfUvEqE

Sin embargo, la gente se está congregando alrededor de las sedes olímpicas con la esperanza de ver a los deportistas. Una multitud se apiñó sobre un puente el domingo para ver a los ciclistas de BMX estilo libre.
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このニュース、読売新聞には載っていなかったなあ。
(BMXのレースを見に、橋の上に集まってきた人の写真付き)
オリンピックをやれば、会場が「無観客」であっても、周辺に市民が集まってくる。
菅の「報道管制」は「外国語ニュース」にまでは手が回らないらしい。
札幌のマラソンは、きっと大混雑するだろう。
BMXのレースでさえ、市民は「観戦場所」を探し出す。
マラソンは公道を走る。
沿道はもちろん、コースが見えるオフィスやマンションなんかに人が集まるに違いない。
東京五輪は即座に中断、中止すべきだ。
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自民党憲法改正草案再読(19)

2021-08-02 09:11:32 |  自民党改憲草案再読

自民党憲法改正草案再読(19)

(現行憲法)
第27条
1 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3 児童は、これを酷使してはならない。
(改正草案)
第27条(勤労の権利及び義務等)
1 全て国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律で定める。
3 何人も、児童を酷使してはならない。

 改憲草案は、第三項で、なぜ「何人も」ということばを挿入したのだろうか。
 私は現行憲法の「何人」を「人はだれでも」「どんな人でも」と読んでいる。「人はだれでも」というとき、そこに「児童」も含まれている。だから、改憲草案にそれをあてはめることはできない。「児童は、児童を酷使してはならない」という文章にもなるからだが、文章にしてみるとわかるように、これはとても奇妙である。
 ここから逆に、私は、自民党改憲草案の「何人」の定義は「人はだれでも」ではない、と考える。では、いったい何なのか。わからない。ほかの条文の「何人」と比較しないと、はっきりした定義はできないと思う。言えるのは、改憲草案は「何人」を「人はだれでも/どんな人でも」とは考えていないということだ。繰り返しになってしまったが、これは、大きな問題を含んでいるかもしれない。この条項では、よくわからないが。
 私の考えでは、現行憲法の第三項は、かつて児童が労働者として酷使された時代があったということを踏まえて書かれていると思う。「だれが」が問題ではなく、「児童の労働」がテーマであり、そのことに関しては「酷使してはならない」が現行憲法の意味だと思う。「これを」はテーマが何であるかを指し示す現行憲法が採用している重要な「文体」である。改憲草案は、テーマを隠そう隠そうとしている。
 「何人」というとき、自民党は「だれ」を想定しているのか。それが、とても気になる条項である。そして、これはテーマとも、密接な関係があるはずだ。

(現行憲法)
第28条
 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。(改憲草案)
第28条(勤労者の団結権等)
1 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、保障する。
2 公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる。この場合においては、公務員の勤労条件を改善するため、必要な措置が講じられなければならない。

 ここでも改憲草案は「テーマ」を目立たないようにしている。そして、その改憲草案の第二項は新設されたもの。教員などの公務員の権利制限が「合憲」か「違憲」かをめぐって司法の判断がわかれたことを踏まえ、「違憲判決」が出ないようにするために設置したものだろう。
 問題は、「権利の全部又は一部を制限することができる」というときの「制限する行為者」、つまり「主語」はだれか、ということである。ここには「何人も」が出てこない。制限するのは、「何人」ではなく、権力者(政府)なのである。国民が、公務員の権利を制限しろと求めて、権利が制限されるのではなく、政府が公務員の権利を制限する。政府の意思通りに動かそうとする。それが「できる」と書いてあるのだ。
 そして、ここから第27条の三項にもどると、「何人も、児童を酷使してはならない」は「政府は、児童を酷使してもいい」という意味を含んでいるように見えてしまう。「政府(権力)」は「何人(ひとはだれでも、どんなひとでも)」の対極にある。憲法は権力に対して「〇〇してはいけない」という禁止条項をつきつけるものだが、第27条第三項からは、「政府は」という対象が完全に消えている。そこで「禁止」を言い渡されているのは「何人」であって「政府」ではない。たぶん「政府」の権力行使を許容することの裏返しとして、「何人も〇〇してはいけない」と国民に「禁止事項」を伝える、ということを改憲草案は狙っているのである。
 少し脱線した。そうではなく、問題点に踏み込ことができたのかもしれない。
 現行憲法は、国(政府)に対して「禁止事項」をつきつけているが、改憲草案は逆なのである。国は国民(公務員も国民)の権利を制限できる。すべての勤労者の権利を制限する前に、まず公務員の権利を制限する。たとえば国の方針に反対する公務員を許さない、という形で権利制限が始まる。たとえば、「君が代」斉唱のとき、歌わなかった教員を処分する(歌わないという権利の行使を許さない)というのは、その例だろう。
 「公務員の勤労条件を改善するため、必要な措置が講じられなければならない」というのも、あたりまえのことを書いているように見えるが、では、「だれが」講じるのか。主語を補って考えると、いろいろな問題が見えてくる。さまざまな労使問題を解決するとき、一般の企業では「労使交渉」がある。労働者の代表と資本家の代表が話し合う。公務員の場合も、そうしたことが保障されるのか。きっと保障されないだろう。政府が一方的に公務員の権利を制限する、ということが起きるはずであり、そのときの「労働条件の改善(補償)」のようなものも、一方的に「講じられる」ことになるだろう。
 ここでも改憲草案は、権力をフリーハンドにしている。
 私は公務員として働いたことがないので「労使交渉」の実態がわからないが、この新設条項は非常に危険だと思う。私たち国民が実際に向き合うのは、菅や安倍ではなく、自治体の職員(公務員)である。その人たちの権利が制限されるとき、きっと国民にもその影響が出ると思う。何かの式典で教員が「君が代」斉唱を拒否する。そして、処分される。そういうことが「周知」されると、一般国民が「君が代」斉唱を拒否したとき、そういう国民は許すことができなという「風潮」を呼び起こすことになるだろう。「国のことを思うなら、君が代を歌え、歌わないのは反日だ」という批判を誘うことにもなるだろう。

 

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オリンピックは中止すべきだ(13)

2021-08-02 08:46:09 | 考える日記

 8月2日の読売新聞の一面(西部版・14版)。「緊急事態宣言」が拡大されたことを報じている。そのコロナ関連で注目したのが、次のニュース。

 田村厚生労働相は1日のNHKの番組で、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、感染力の強いインド型(デルタ型)の変異ウイルスの感染拡大によって「フェーズ(局面)が変わってきている」と指摘した(略)。「若い人の間でクラスター(感染集団)の発生が続くと、再び変異(ウイルス)が生まれ、若い人が重症化する可能性のあるウイルスになるかもしれない」と述べ、若い世代への接種の呼びかけを強化する考えを示した。
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 「インド型対策」から、「新種型対策」へと「視野」を広げている。これは、つまり、いまの感染状況が非常に危険であるという認識を示している。

 もう一つ、

 河野行政・規制改革相は1日放送のBS朝日の番組で、新型コロナウイルスワクチンについて、2回の接種を終えた場合、来年に3回目の接種を行うことになるとの見通しを示した。
 米ファイザー製、米モデルナ製のワクチンはともに2回の接種が必要とされている。河野氏は、どちらも「だいたい1年くらいは効果が持続する。今年2回打った人は来年は1回でいい」と述べた。ワクチンの効果を継続するには、3回目の接種が必要との認識を示したものだ。
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 なぜ、3回目接種が必要か。「ワクチン効果を継続する(維持する?)」ということだが、別な角度から見れば、「来年になってもコロナ感染は終息しない」という認識を河野が持っているということだろう。
 3回目接種自体は、
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 【カイロ=上地洋実】イスラエルのナフタリ・ベネット首相は29日、60歳以上を対象に、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を8月1日から実施すると発表した。インド型(デルタ型)による感染が拡大していることを受けたもので、世界初の取り組みとなる。
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 という「世界認識」を受けたものである。私の知っている限りではスペインでも検討しているし、アルゼンチンでは、すでに接種を受けた人が、3回目接種の写真をフェイスブックに掲載していた。

 「新変種(東京型?)」の発生さえ視野に入れ、コロナ終息がみえないために3回目接種さえ考えているというのなら、なぜ、もっと今起きていることに対して真剣に取り組まないのか。なぜ、東京オリンピックを即座に中止し、都市封鎖をしないのか。
 日曜日(きのう)の全国の感染者は1万177人。1万人を超すのは4日連続。しかも、きのうは、ふつうなら感染者が大幅に減る日曜日だった。それなのに、増えている。
 読売新聞は、またしても、姑息な「数字操作」をしている。
↓↓↓↓
 東京都では、新たに3058人の感染を確認。5日連続で3000人を上回り、1週間前からは1295人増えた。
 福岡県では、前週の日曜日の約2・5倍にあたる434人の感染が判明した。(この項、西部版・14版)
↑↑↑↑
3058-1295=1763(先週の日曜日の感染者)
3058÷1763=1・7345433919455
 つまり1・7倍、先週より増えている。この増え方は異常だろう。日曜日でこれなのだから、検査数が増える平日はどうなるのか。

 五輪関係では、どうか。
↓↓↓↓
 組織委は、新たに18人が新型コロナの検査で陽性と判定されたと発表した。7月1日以降に公表した大会関係者の陽性者は259人となった。記者会見に同席した国際オリンピック委員会(IOC)のクリストフ・デュビ五輪統括部長は「プレーブックと緊急事態宣言のルールを守れば全員の安全が確保できる」と強調。武藤氏も「コロナ対策は想定内のレベルで対処できている。多くの方々がオリンピックをやってよかったなと思える状況」と述べた。
↑↑↑↑
 「プレーブックと緊急事態宣言のルールを守れば」という条件付きはおかしいだろう。だいたい五輪開催は「緊急事態宣言」前のことである。あとから「条件」をつけたして、「安心安全」というのは、馬鹿げている。プレーブック自体、各国の五輪予選のはるか後、開催直前にできたものだろう。
 しかも、「コロナ対策は想定内のレベルで対処できている」とはふざけた話ではないか。いったい「想定内」の「想定」とは何なのか。「安心安全」は感染が拡大することを見込んだ上での「安心安全」にならないか。感染の危険が「想定」されるのなら、「安心安全」は口先のものである。
 何度も書くが、外国人選手の入国が始まったとき、感染者が出た場合、必ず「濃厚接触者数」が公表されていた。いま、それを隠蔽するのはなぜなのか。もう、把握することをやめてしまっているのではないのか。これも、「想定内」の対象方法なのか。
 大会が始まれば、国民は「結果」に注目する。何人が感染したか、濃厚接触者は何人かなど気にしないと「想定」しているのか。
 さらに、こんなことも書いてある。
↓↓↓↓
 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は1日、東京都内で記者会見を開き、新型コロナウイルス対策の指針「プレーブック」が適用された7月1日以降、指針の違反で処分した大会関係者が28人に上ることを明らかにした。
 処分は開幕前に麻薬取締法違反容疑で逮捕された外国籍の男4人と、観光したジョージアの柔道銀メダリスト2人の計6人が大会参加に必要な資格認定証の剥奪、8人が認定証の一時効力停止で、14人が厳重注意。厳重注意のうち、4人には指針を順守するとの誓約書も提出させた。武藤氏は「違反には厳正に対処する」と語った。
↑↑↑↑
 処分にわざわざ「麻薬取締法違反容疑で逮捕された外国籍の男4人」を書いているが、これはコロナ対策とは直接関係ないだろう。他の大会のプレーブックは知らないが「逮捕(拘束)」されたのなら、基本的に大会には出られないし、大会にかかわることはできないだろう。こんなことをわざわざ書くのは(言うのは)、コロナ対策から目をそらせるためだろう。もし言うとしても、最後に付け加えればいいことである。
 問題は銀メダリスト。「資格認定書」は剥奪されたが、メダルは? もし、失格なら、だれが銀メダル? 銅メダルは? ソウル大会では、ベン・ジョンソンがドーピング違反が発覚し金メダルを剥奪された。カール・ルイスが繰り上げで金メダルを獲得した。(即日ではないけれど)。ルールブックは、そういうところまで踏み込んで規定しているのか。もし、そういう規定がないのだとしたら、「資格認定証剥奪」にどれくらいの意味があるのか。「一時効力停止」「厳重注意」の対象行為とはどんなものなのか。
 武藤氏は「違反には厳正に対処する」と語った、とあるが、これがカール・ルイスのような選手の場合は、どうなっていただろう。観光に外出したのは、ほんとうにジョージアの選手だけなのか。試合が終わった後も、他の外国人選手は自室にこもっていたのだろうか。私は、なんだか妙な感じがする。ジョージアの選手の観光が「発覚」したのは、どうしてなんだろうとも思う。自己申告したのか、タクシー会社から連絡があったのか。いったい、だれが「監視」していたのか。選手村の場合「監視」が可能かもしれないが、ホテルに滞在している選手、関係者の「監視」はどうなっているのか。そういうことも気になる。
 まあ、それは気にしてもしようがないけれど。
 やっぱり問題は、競技が終わった後も、どこにもいけない。自由行動ができない。それなのに「安心安全」と主張して、大会を強行開催したことだ。
 日本選手で、選手村で「監視」を受けている人は何人いるのか。ストレスのたまらない環境で練習し、「金メダル獲得」して、それでも「公平」な競技と言えるのか。そんなことも考えてしまう。

 オリンピックは即座に中断、中止すべきだ。

 

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