詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(97)

2019-08-27 08:50:56 | 嵯峨信之/動詞
* (晴れた日はどこへも行くところがない)

立つたまま 水晶になり 霧になり 鶏頭の花となつて
黙つて立つている

 「立つたまま」「立つている」と繰り返される。書かれていないが「座る」と対比されている。「立つ」と視線は高い。つまり、遠くまで見える。遠くを、ここではないところを見たいから「立つ」のである。
 それを強調するのが「黙る」である。意識を集中するために「黙る」。
 「黙つて立つている」は「黙つたまま立つている」である。引用の一行目と二行目は「まま」ということばで強くつながっている。








*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
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