BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

五等分の花嫁 第113話 感想2: 四葉は114話以降、風太郎をどう変えていくのか?

2019-12-04 17:57:36 | 五等分の花嫁
113話だけど、四葉が選ばれるという結末を知って、かつ、しばらく時間をおいてから、改めて読み直すと、細部でジーンとくるところは多いね。

四葉の風太郎に対する気持ちに終始、気を配ってきた、その点では四葉に関しては「母」の役割を徹底してきた五月を除いて、三人のダメージは大きい。

二乃は、早くから騎士道宣言をしていたこともあって、自分の気持ちを整理しきれなくなって、思わず涙を流しているし。

京都で一花に対して言った「たとえ自分以外の姉妹が選ばれても祝福する」というのは、一花のように「長女だから」という理由もない中で、とても高邁な心根だけど、でも、実際に自分が選ばれなかった、という事実を突きつけられると、内心、穏やかではない。

そういう意味では、同じ気持ちに至っていた三玖が横にいてくれて本当に良かった、ということになる。

一方、三玖は三玖で、二乃のもとに駆けつけ彼女を気遣うことに気持ちを割くことで、自分の気持ちをも落ち着けているようにみえるし。

とはいえ、やっぱり気になるのは一花かな。

長女らしく、早い段階で達観を決め込み、なんであれ、風太郎が結論を出してくれる方が望ましい、と表向きは言ってきた一花も、休学+女優業専念でせっかく確保した絶対安全圏の愛人ポジションを失うことがはっきりして、しっかり折れているものね。

長女だから、妹である四葉の幸せを喜ばしいと思う一方で、自分の「鼓動(センサー)」がけたたましく鳴り響いたまま、というのが、ベランダに持たれた背中を向けた場面からだけでもひしひしと伝わってくる。

ただ一花って、6年前のときからそうだけど、風太郎に対して本来、四葉がいるべき場所を横取りしてきていた、という印象も拭えない、

端的に「フータローくん」という呼び方がそうで、これは四葉が本心を語るときの、風太郎の呼び方である「風太郎くん」と被ってるんだよね。だから、四葉がそう呼びたいと思っても、一花と被ってしまうことから言い出せず、結局、終始「上杉さん」を貫くことになっていた。

だから、ここから先の見どころは、四葉がいつ「風太郎くん」と呼べるようになるのか。

そのドラマがどう描かれるか。

その一方で、一花がどういうかたちで、その身を引いていくのか。


で、当の四葉だけど、よくよく考えると、3年生になってからの展開は、すべてこの日のためにあったという構成なのには、改めて驚く。

風太郎が今回、自ら気がついていたように、かつて四葉と交わした勉強を頑張るという誓いは、決して勉強「だけ」を頑張る、というものではなく、勉強「も」頑張る、でよかったはず。

その風太郎の心情の変化を吐露する相手が、3年生になってからダチになった前田と武田だった、というのも、高3の4月からの積み重ねの果てにあるもので、これは地味だけど効いている。

ていうか、夏休みの五つ子のいない海水浴回なんて、らいはじゃないけど「なんか違う!」と思わせるためだけのエピソードだと思っていたけど、決してそんなことはなくて、あそこで前田や武田がうろうろしていて、彼らを介してクラスの連中と楽しめた、というのが、結局のところ、風太郎が受け取った四葉からの最大の気遣いであり贈り物だった、ということだよね。

結果として、風太郎から見たら、6年前の四葉との出会いがあったから、勉強のできる優等生になることができたのであり、今また、四葉のおかげで、勉強以外にも大事な「学生生活を素直にエンジョイする」ことができたわけで。

まさに、大恩ある相手が四葉となる。

ただ、だからちょっとだけ気になるのは、この「大恩」と「恋愛感情」がどう風太郎の中で結びつくのか、だよね。

だから、もしもこの先、四葉以外の姉妹が花嫁になるという、もはや九分九厘ありえないのだろうけど(なにしろ14巻で完結すると作者自身が公言しているから)、でも絶対不可能ともいえない展開があるとしたら、風太郎が、四葉への感謝の気持を恋愛感情に昇華できなかったときなんだろうな、と。

まぁ、今回、これからある女子にコクりに行こうとしている前田から、上杉、お前も覚悟を決めろ、と言われた上での四葉詣でだったりするので、風太郎の中では、ちゃんと恋愛感情になっているのだと思いたいけれど。

ここは正直、気になるところ。

少なくとも、すでに一旦、「昔は封印、今が大事」という姿勢で行こうと、日の出祭二日目の風太郎にキスをした後の四葉であり、その意味では、彼女なりに区切りをつけてしまっていたりするわけで。

となると、上杉さんは単にわたしに感謝しているだけです、その気持ちを自分で好きと誤解しているんです、それに、わたしよりも、三玖や二乃、一花だっているじゃないですか、・・・、とかダダをこねそうな気がするじゃない。

だからこそ、ここからが大変ですと、五月が言葉にしているわけで。

すでに、十分こじらせてしまっている四葉をいかに自然な存在にするのか。

もっといえば、「風太郎くん」と呼ばせるのか。

そこで、きっかけになるのが、風太郎が、四葉が封印したはずの6年前の姿で四葉の前に現れることなのかな、と思ったりして。

いや、すでに、四葉の部屋(保健室)を訪れるときに、目つきをいつもと変えているし、話し方も粗野な感じに戻しているので、すでに風太郎の中では、「もともとの自分」に戻っているのかもしれないけど。

その気持ちが四葉にどう伝わるか。

まぁ、昔の髪型にすると、要するにキンタローくんに素でなってしまうので、二乃がもう一回泣き出してしまうかもしれないけれど。

でも、日の出祭中に、二乃をマルオのいる病院にバイクで連れ出す際に、「そのワイルド」な感じにクラスメイトもすでに少し驚いていたから、もしかしたら、マジでワイルド路線に戻すのかもしれないけれど。

ともあれ、風太郎は風太郎で、もう一段階、進化しなくちゃいけないような気もする。
まさに、五月が期待しているように。

そういう意味では、ここから先の物語を進めるトリックスターは、一花ではなく五月になるのかもしれない。

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五等分の花嫁 第113話 『最後の祭りが風太郎の場合』 感想: やっぱり〈彼女〉だったか。

2019-12-04 11:07:07 | 五等分の花嫁
そうか、やっぱり、四葉だったかぁ。
いきなりだなぁ。

「よう、待たせたな」というちょっと気負った言葉遣いも、風太郎が、6年前の風太郎に戻って、四葉と向かいあおうとした、ってことだったんだ。

いや、もうー、書きたいことはたくさんあって、どこから書き始めよう。

まずは、どうやら四葉を除く五つ子の四人は、この風太郎の選択にうすうす感づいていたらしい、ってところからかな。

まず一花。

今回、さらっと明かされたけど、彼女は、日の出祭2日目の夜、公園で風太郎とキスをした直後に、彼がジュースを選択していたことを目にしていた。

あのときの質問自体は「フータローくんは、(キスの相手が)誰だったら嬉しいですか?」という問いだったので、必ずしも「今、風太郎が好きな相手」とは限らないけれど、その選択肢が、二乃=紅茶、三玖=お茶、四葉=ジュース、五月=コーヒー、だった結果が、ジュースだったわけで。

だから、あの時点で、一花は、風太郎が四葉に対して特別な好意を抱いていることには気づいていた。

個人的には、多分、今回の「五人が別々の部屋にいてそこを風太郎が訪れる」というシチュエーションを提案したのは一花だと思っているけど、そうすると、彼女は「好アシスト」だったってことだよね。

そして、彼女が101話の扉絵にあるように、ベランダに出て後夜祭に目を向けていたのもわかる。なぜなら、一花には、すでに風太郎が四葉を選ぶ、というのがわかっていたから。

次に、二乃。

直接の描写はないけれど、二乃の場合、二日目に竹林と遭遇した際、竹林から、昔の風太郎の話を聞いた段階で、風太郎が6年前に四葉と会っていた男子だったということに気づいた可能性は高い。

竹林は、108話で、二乃と五月に、小学生時代に風太郎が京都で会った女の子がどれだけ彼のその後を変えたのか、話しただけでなく、四葉だけがその日、はぐれていたことを知った、と答えていたから。

とすると、二乃は、あの夜、四葉が二乃にも紹介するよ、と言っていた少年が風太郎だったことにも気がついたはず。そして、今の風太郎があるのはその四葉との出会いがあったから、ということにも。

ついでにいえば、となりに五月が控えていたことを思えば、五月に尋ねるなりして、確証を取ることまでしていたのかもしれない。

ともあれ、二乃は多分、竹林経由で風太郎と四葉の関係に気づいてしまった。

で、三玖。

彼女の場合は、理由は不明だけど、日の出祭初日の段階ですでに「風太郎との恋は成就しない」と自覚していた。

だから、なにかしらの理由で、すでに風太郎の中に意中の人がいることに気づいたいたのかもしれない。それは、日の出祭前の、水族館デートのときのことだったかもしれない。

加えて、日の出祭二日目の夜に、三玖が四葉の見舞いに病院に行った際、先に来ていた二乃から「伝えることがある」と言われたことがあった。

てっきりそれは、マルオとの中が改善したことか、あるいは、無堂が五月に接触したことかと、思っていたのだけど、この時、二乃が竹林から聞いた「風太郎と四葉が昔出あっていた」ことを伝えたのかもしれない。

この場合、二乃にしても三玖にしても、どうして四葉が自分の想いを明らかにせずに、自分たちの応援ばかりするのか、そのことに疑問を感じたのかもしれない。

けれども、だとすれば、日の出祭3日目の、三玖の風太郎に対する過剰なまでの積極的な態度は、今日を逃せば、(風太郎が四葉を選んだ後には)もう今の自分の気持ちを伝える機会がなくなる、と考えた結果だったということになりそう。

ともあれ、いつの間にか、二乃と三玖は、風太郎への想いについては、互いに慰め合う同胞になっていたということだね。やっぱり、三玖は、二乃と同列の存在になっていたんだなぁ、と思う。

で、五月については、いうまでもない。
彼女は、四葉と風太郎の出会いをすでに知っていたから。

むしろ、五月の心配は、仮に風太郎が四葉を選んでも、四葉がその想いに応える資格がない、と頑なに拒んでいることにあって。

どうやって、風太郎が、四葉の心を素直に開かせるのか、ということになる。

でも、そういう意味では、五月は、日の出祭初日に、風太郎が一人を選ぶ宣言をした時点で、四葉を選ぶ可能性に思いついていたのかもしれないね。

零奈のふりをする中で、風太郎がどれだけ「6年前の零奈=四葉との出会い」を大切なものとしているのか、その告白も直接聞いていたのだから。


こう見てくると、終わってみれば、一花と五月は風太郎の選択を知った上でそれを促すアシスト役、二乃と三玖は玉砕した際に互いを慰め合う戦友、という位置づけだったことになる。

というか、三玖は、いろいろな意味で二乃を目標にして成長してしまったのが、結果的に、二乃と同様のポジションになってしまったのが、残念だったね。

そう思うと、夏にプールに行った時点で、二乃と競い合っていたのが、すでに将来を暗示していたんだなぁ。。。

ともあれ、今後の展開は、風太郎が四葉の心をどう開いていくのか。

だって、明らかに、四葉は、自分を風太郎の選択肢からはずすべく、逃走していたのだから。
スマフォを忘れていったのは仇になったけど。

でも、風太郎は、風太郎で、四葉からもらった唐揚げ券で、唐揚げを手にしてきているのだから、まずは互いに慰労会だよね。

にしても、風太郎回で、まさか、前田たちとつるんで話をするとは思わなかったけどw

ただ、ここでも地味に上手いのは、前田が、一花だけは見分けられる、という話ね。

いや、それは例の「愛があればわかります」の実践なわけだけど。

ただ、その理屈でいけば、すでに、風太郎は「五月の森」の時点で、四葉だけは見分けられていた、ということでw

あれもてっきり、四葉が変装が下手だから、と笑ってスルーしちゃっていたけど、盛大にネタバレしていたんだね。

あと、この感じだと、多分、鐘キスの相手も四葉になるわけど、あれも、話すと簡単にバレるから、頑なに黙っていたんだろうな。

あと108話の四葉のお別れのキス回の「思い切ったな―」も、四葉からすると、鐘キスは事故だと思っていたし、そもそも無意識のうちに、風太郎のほっぺたについたケーキのクリームを取ろうとほっぺチュもしているわけだから、そのあたりの感覚は、文字通り、五つ子の中で「お子様」モードだったのだろうね。

ともあれ、こんな感じで、今までの伏線描写も概ね回収されたということで。

あとは、きっと次回、二人でキャンプファイアーを踊るんだよね?

とはいえ、それで終わるのか?

いや、十中八九、四葉が花嫁で終わる、という、紆余曲折はあったけど、王道中の王道の「幼馴染」エンド、「ボーイ・ミーツ・ガール」エンドで終わる、と思っているけど。

ここから、さらにもう一段回、物語がひっくり返るのかどうか、だよね?

なにしろ、四葉の気持ちはまだはっきりされていないのだから。
頑なになった四葉の心を溶かしてあげて終わりなのか。

その先に、改めて花嫁を選ぶことになるのか?

今月で連載が終わりなら、四葉で決定。

残りの連載を、後日談的な受験シーズンやそれぞれの進路を描くなら、四葉で決定。

うーん、
でも、やっぱり四葉なんだろうなw

なんか、今回のお話をおさらいするところで、終わってしまったけど、また、なにか浮かんだら、多分書くかな。

今が一番盛り上がって、面白いときだから。

個人的には、竹林のアシスト回があってもいいと思っているけど、こうなると、その「そういえばあの時ね・・・」という、竹林の回想は、風太郎と花嫁の結婚式の場で披露されるのかもしれないw

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