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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

五等分の花嫁 第113話 感想6:「フータロー君」vs「風太郎君」、一花vs四葉、どちらがホンモノの京都の子のヒロインか?

2019-12-09 15:00:01 | 五等分の花嫁
いよいよ114話が近づいてきたので、せっかくだから一花と四葉を軸にして、物語の流れを振り返っておこうかな。

いや、わりと個人的には、このまま四葉で決定では、あまりにもセオリー通りすぎて、これまでどうしてこんな手の混んだプロットを展開してきたのか、よくわからない!という完全に作劇上の要請からの疑問から発していることなのだけど。

雑な整理になるけど、はじめからの展開で行くと、

物語開始当初は、実は再会して一目で風太郎とわかった四葉が、しかし、自分に対する引け目から「京都の子」と名乗りはあげないまま、風太郎が家庭教師を続けていけるよう、協力的な態度を示した。

ただし、初期の風太郎(ならびに読者)の印象は、なんか能天気ないいヤツキャラくらいに思わされていた。いかにもな、元気っ子キャラだったから。

ともあれ、第一本命たる四葉は、潜伏したまま、風太郎のために物語当初から尽くしていた。

けれども、それはあくまでも「潜伏」にすぎず、他の4姉妹が風太郎に対して「塩な」態度のままではラブコメにならないので、早い段階で、内気な三玖が風太郎になびくことになった。

だから、当初ラブコメを引っ張っていたのは三玖。

ちなみに、物語当初における「ボタンの掛け違い」的な不和を風太郎と起こしたのは五月で、そのいかにもラブコメ的な「不幸な出会い」があったがために、逆に、今に至るまで五月が真ヒロインとしていつか覚醒するはず!、という期待の下で物語は進んでいった。

ただ、日の出祭エピソードでも結局、実父問題があてがわれたように、後から振り返ってみれば、五月に与えられた役割は、風太郎に五つ子の家庭事情を教えていく伝令役だった、といえる。そう思うと、物語の最初期の時点で、風太郎だけでなく、らいはや勇也といった上杉家の全員と面識をもったのも、五月といえば「家族の話題」という位置づけをするためのものだった。

もっとも、逆に、この家族の話もできるという「気のおけなさ」が、もしかしたら風太郎とラブラブになるかも、と思わせる要因でもあったわけだけど。でも、それは113話までの時点では、盛大なミスリーディングだったことになる。

で、こうして四葉が「縁の下の力持ち」、三玖が「第一のヒロイン」、五月が「物語の設定の説明役」をして序盤が過ぎていく中で、頭角を表してきたのが一花、ということになる。

最初こそ、風太郎に対して無関心で適当にあしらってる感が強かった一花だったけど、花火大会での実は女優の卵バレをきっかけに、風太郎との距離を詰めていく。とはいえ、長女として三玖に遠慮しながらのことだったけど。

でも、その三玖への遠慮を越えて一花が風太郎を完全に意識するようになったのは、(これもあとから判明したことだけど)、一花もまた6年前に風太郎に京都で出会っていたことが、林間学校の肝試しのときにわかってしまったから。

それ以後、一花の思いがどんどん高まっていくばかり。というか、高まっていくのを具体的に描くエピソードがいくつも続いていた。

とはいえ、113話の今に至るまで、一花は、直接、風太郎に「好き」と、自分の気持ちを伝えてはいない。つまり、告白していない、という点では、実は四葉とは変わらない。この点は注意が必要だと思う。

風太郎が家庭教師をクビになったときも、姉妹にマンションを出て暮らすことを提案し、風太郎と五つ子との関係の維持に一役買ったわけだけど、もちろん、その背後には、彼女自身が風太郎との接点を失いたくなかったこともあったのだろうね。

そういう意味では、この一花の思いをややこしくしたのは、突然、手のひらを返したように、キンタローくんは風太郎だったのだから、そのまま風太郎を好きになればいいじゃん!と自分の気持ちに気づいた、「愛の暴走機関車」たる二乃の参戦w


今振り返ると、この二乃の参戦で、三玖のペースに合わせていた一花が俄然焦りだし、そこから、三玖の変装をして、事態を紛糾させることに。

その意味では、二乃は、三玖に続く、中盤以降の物語の進行役としての「第二のヒロイン」。

で、その結果は、知っての通り、テンパった一花が三玖の邪魔をし、京都の修学旅行で起こした、様々な失態、醜態。挙句の果てに「全部、嘘」と風太郎に伝える始末。

でも、わりとこの一件で大事なのは、それ以前に四葉が一花に対しても、やりたいようにしなよ、とハッパをかけていた事実。四葉は、そんなつもりじゃなかった、とは、京都の現場で言っていたものの、そもそもハッパをかけたときに、いつもお姉ちゃんの一花に自分の大事なものを取られてきたから、という話をわざわざしていて、実は軽くディスっていたんだよね。

で、これも今思うとだけど、このとき、名前を出さないまでも風太郎についても触れていて、四葉は、昔仲良くなりたいと思った男の子のことを話したら、一花の方がその子と仲良くなっていた、ともいっていて。

あの時、一花は、そんなことあったっけ?ととぼけていたけど、でも、一花は一花で、風太郎のことだとわかっていたはずで、となると、四葉が風太郎に対する気持ちを封印していることにもその時点で気づいていた、ということだよね。

だから、その後、四葉にも風太郎に対する気持ちを明らかにしたら、と四葉お気に入りの公園のブランコをいっしょにこぎながら勧めたわけで。。。


・・・と、こういうふうに、後でわかったことを含めて、振り返ると、大きな役割分担としては、

二乃、三玖:
表のラブコメを進めるための原動力。
三玖が前半、二乃が後半。

五月:
物語の設定を上杉家(と読者)に伝える語り部。
花嫁ダークホースとしてのミスリード役。
その意味では、五月が、零奈を演じたのは、まさに自分の物語の中における役割を演じて見せていることでもあった。
風太郎については、結局、「思慕」ではなく「尊敬」する相手となった模様。

一花、四葉:
裏のヒロイン。
ともに「京都の女の子」。
ともに、自分だけでなく、風太郎と五つ子の関係が続くことに尽力。縁の下の力持ち。
ともに、風太郎に告白はしていない。風太郎への想いを隠蔽している。
ともに、早期に自らの才能に気づいている。一花は女優。四葉はスポーツ(と見せかけて実は演技も・・・もいうのが日の出祭で判明したこと)

と、こんな具合で、やっぱり、最終章では、四葉だけでなく一花にもスポットが当たらないと話が進まない。

しかも、最後に四葉に焦点が当たるように、物語の枠組みを作ったのも一花だから(それは、112話の感想でトリックスターとしての一花について書いたこと)。

ということで、風太郎は、やはり一花とももう一度、向き合わないといけない。

だって、多分、日の出祭初日に、一花にビンタされて活を入れられているはずだし。

四葉との話に決着をつけた上で、その次に風太郎が向かうべきは一花だと思うのだよね。

少なくとも113話の描写の多くは、それぞれの独白でしかないわけだから。

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鬼滅の刃 第186話 『古の記憶』 感想

2019-12-09 13:46:29 | 鬼滅の刃
思っていたとおり、夢的な不思議空間。
で、それはどうやら、炭治郎の祖先の炭吉の記憶らしい。

一応の理屈としては、炭治郎の中に流れる炭吉の子孫としての竈門家の血と無惨の血がぶつかることで、何らかのシンクロニシティが生じた、ということなのかね?

よくわからないけれど。

もしかしたら、すでに一度、炭治郎は「死んで」いて、鬼化の過程で、無惨と炭吉の交差点としての縁壱が登場してきているのかな?

それはさておき。

今回の最後に、無惨と、珠世と思しき女性が出てきたところをみると、このままいくと、縁壱の火の呼吸によって無惨が一度、死に体になるところまで進むのかな。

そして、炭治郎としては、その無惨vs縁壱の戦いの中で、日の呼吸の極意を知る、ないしは会得する、という展開になるのかな。

いずれにしても、炭治郎は、自分の血の中の記憶に、無惨の血の侵入をきっかけにして、アクセスすることで、伝承者のいない日の呼吸の習得に向かう。

ということは、結果的にパワーアップ!して、その力で、少なくとも今、進行中の戦いで、無惨に一太刀浴びせることになるんだろうな。

で、チキンな無惨様wは、あ、これ、ヤバい、撤退だ!、ということで逃走する・・・、という展開。

そうすると、もうちょっと続くのかな。

しかし、それにしても、このマンガの作者の「血」に対する執着は凄いね。

オマージュ元の荒木飛呂彦のジョジョにしても「血統」が重要な役割を果たしているけれど、ある意味で、それ以上。

なにしろ、血の記憶まで辿って、在りし日の無惨や縁壱の姿まで描き出してしまうのだから。

このあたりは、やはり作者が女性だからなのかな。

少なくとも少年誌にマンガを書くような男性作家は、もっと短絡的で、あえていえば幼稚だよね。今のワンピースなんて、ワノ国編に入ってから、完全にイキった歌舞伎バンザイのようなヤンキーな話になってきていているし。

基本的には、UFOTABLEの作画力のおかげだったと思うけど、あれで有名になったことで、一味違う物語が描かれていたことが明らかになったことは、ジャンプ編集部のためだけでなく、今のマンガ文化シーンにとってもいいことだったのかもしれない、なんて思うようになってきた。

ともあれ、次回、無惨vs縁壱の一戦が楽しみ。

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