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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

五等分の花嫁 第113話 感想5: 最後の頂上決戦は「四葉vs一花」の「京都の女の子」対決となるのか?

2019-12-07 19:18:54 | 五等分の花嫁
特に四葉と一花の対決を煽ろうと思っているわけではないけど、ここのところ、考えながら感想、というか考察を書いていたら、だんだんこういう方向かな、と思ってきたので、頭の整理のためにも書いておくことにする。

まぁ、こんなふうにあれこれ考えていられるのも、来週の114話までの期限付きのお楽しみだから、ということでw

タイトルの通り、最終コーナーは、四葉と一花の「京都の子」対決になるような気がしてきた。

理由はいくつかあるけれど、一番大きいと思っているのは、作者であるネギ先生が14巻で終わりだ、と公言したこと。

つまり「最後の祭り」は本当に、最終コーナーであること。

そして、この「最後の祭り」に今まで積み残してきた「いざこざ」の解決に一気に手を付けていること。

二乃:マルオとの関係を改善して「お父さん」と呼べる関係に
三玖:引っ込み思案の自分にサヨナラして積極的な自分になる
五月:母・零奈への思慕のあり方の調整。実父・無堂の介入の排除。

いずれも風太郎が介在することで解決に至る、という点で、風太郎との出会いがもたらした成果とも言えるべきもの。

ところが、この「成果」が、四葉と一花には当てはまらない。

というか四葉の方は、まだましで

四葉:風太郎への想いを封印。過去を捨てて今を生きる。

と自分の気持ちに決着をつけているのだけど、一花についてはよくよく振り返ってみると、

一花:思い出?のキスを風太郎とした(だけ)。

101話と102話の一花回の話って、要するに、この『最後の祭りが・・・』編の、物語展開のパタン、すなわち「2話完結」、「2回めで当番回の五つ子が風太郎にキスをする」、「物語の展開はあくまでも当番回の五つ子目線」、というパタンを与えただけのことなんだよね。

つまり、一花の問題が特に解決されているわけではない。というか、「五つ子の問題の解決」というパタンは、その次の二乃回から始まったことで。

だから、戻ると、一花の問題は何も解決されていない。

では、一花が抱えている問題とはなにか、といえば、もちろん、春の京都の修学旅行で起こしてしまった一連の醜態。

なかでも「風太郎との心のすれ違い」。

つまり、一花自身も「6年前に風太郎と会っていた」という事実を、風太郎が真実と受け止めなかったこと。むしろ、それを嘘と断定して、「今のお前(=一花)は信じられない」とまで罵った上で、雨の中、一花を残して、立ち去ったこと。

この風太郎のとった行動は、一花にとってはものすごいショックだったと思うのだけど、その結果、一花がとった行動は、まるで懺悔するがごとく、三玖の救済に完全に乗り出したこと。

そして、その上で、最後に風太郎の頬に口づけをしたあとに、「全部、嘘」と告げた。

この「全部、嘘」というのは、よくよく考えてみると、「私たち、6年前に会っていた」という発言を、風太郎の言う通り、嘘だったことにする、ということだったのではないか。

裏返すと、一花としては、「6年前に風太郎と会っていた」という事実を「封印」することに決めた、ということなのでないか。

で、なぜ、この「6年前の事実の封印」が重要かと言うと、一花の心のなかでは、どうやら、6年前に風太郎に出会っていたという事実が、風太郎に対する好意や思慕の点で圧倒的に重要なことだったから。

一花が、最初に風太郎に対して好意を感じるようになったのは、物語のかなり早い時期の「姉妹で花火をみる」イベントを通じてだったけど、その気持が決定的になったのは、林間学校で物置部屋?に風太郎とともに閉じ込められたときのことだった。

そして、もはやこれは、この物語の名場面の一つ(というか、アニメ版11話で、さすがはシャフト!と思わせた場面だけど)といえるところだけど、風太郎が林間学校のキャンプファイアーで踊るのはやめるか?と、軽い感じで問いかけた瞬間、一花が思わず涙をこぼしてしまったところね。

風太郎が泣いた理由を聞かなかったこともあって、その理由は結局、明らかにされないままでいたわけど、どうやらその理由は、その事件の直前にあった林間学校の肝試しの際に、黄色い髪(茶髪?)にして「お化け役」をしていた風太郎を見て、一花は6年前に京都でトランプをした男の子だったことに気づいたからだった、というのが真相のようだった。

で、ここが大事なところなのだけど、まず、この「6年前のあの男の子」と気づいたことで、一花は、それとなく今まで感じていた風太郎への好意の理由がわかってしまった。もしかしたら、運命的なものを感じてしまったのかもしれない。

そして、これもまた重要なことだけど、一花は、「6年前に京都で風太郎と会って」トランプをした時、実は、本当に楽しくて、彼女にとっては、かけがえのない思い出になっていたのではないか、ということ。

だって、あの時の五つ子たちの状況といえば、ただ一人の肉親である母親の零奈は、すでに不治の病に犯されていて、毎日、不安で仕方がなかった頃であったはずだから。なにしろ、迷子になった四葉を探しに来たのが、マルオだったくらいなのだから。

多分、友だちらしい友だちも五つ子にはいなくて(なぜなら、彼女たちは5人で常に一緒に過ごしていたから)、その中で「長女」であった一花は、なにかと周りを気にかけていて、彼女なりに不安を口に出せない環境にあったと思う。

つまり、一花も妹たちと同様、不安で仕方がなかったにもかかわらず、お姉ちゃんらしく気負いながら過ごしていた。

そんな緊張感のあるときに、どこの誰だかはわからないけれど、その分、自分たちの置かれている環境なんか全く気にすることなく普通に接してくれる「バカな男の子」であった風太郎と過ごした時間が、ホントに楽しかったのだと思う。

そして、そのことを思い出したのが、一花にとって、風太郎への好意を明確に意識した瞬間なんだったのだと思う。

つまり、一花は一花で、彼女の中では、風太郎は「6年前に出会った運命の男の子」だったと感じている、ということ。

そう思うと、その後の風太郎とのやり取りの中で、必死に風太郎の「隣」を占めようとしていたのもよくわかる。

けれども、そんな「風太郎への想い」のきっかけになった「京都の出会い」の事実を、風太郎に嘘と言われた上に、一花自身もそのことを封印すべく「全部、嘘」と告げてしまったということ。

何が言いたいかと言うと、この「6年前に出会った事実」を頑なに封印しているという点では、一花も四葉とまったく変わらない、ということ。

そして、この「一花と風太郎の出会い」の事実は、風太郎にとっては、いまや公然の秘密となっている「四葉が京都で誓いをした女の子」だった、という事実とは異なり、いまだに風太郎も気づいていない、秘密中の秘密、であること。

となると、この「秘密のバレ」が、この先のイベントの要になってもおかしくはないと思う。

そして、この一花の「秘密のバレ」には、四葉ないしは二乃の助言がどうしても必要になるということ。

この意味で、この先の展開の鍵は、「一花vs四葉」の頂上対決になるのではないかと思ってきた。

そして、この頂上対決に至るシチュエーションを作るために選ばれたのが、風太郎と五つ子という強固なグループの日常に、それほど違和感なく、けれども強制的に都合のよい「外部の人物」をいきなり投入できる学園祭というシチュエーションが選択されたのではないか。

そこに実際に突然、やってきた「外部の人間」が、竹林と無堂だった。

特に、竹林は、「四葉が風太郎と6年前に会っており、その時の誓いが風太郎を変えた」という事実を、(ほぼ)初めて聞く話として、二乃と、あとおそらくは三玖に伝えることで、作劇的には、二乃と三玖が、四葉にはかなわない、だから、選ばれなくてもおかしくはない、という心理を生み出すのに貢献したはず。

無堂は、それまで「眠れる獅子」扱いされていた五月を、それでも、本当に花嫁レースでは関係ない存在に落ち着かせるための役割を果たさせた。

そして、残ったのが、四葉と一花。
京都の女の子が二人。

もっとも、風太郎は、勘のいい男子なので、一花に「6年前に会っていた」と告げられたことを反芻しながら、もしかしたら、6年前に会った京都の女の子に対して、五つ子の姉妹による「入れ替わり」の可能性に気づいていたのかもしれない。

だから、京都の最終日のコース選択で、風太郎は、一花が選択する可能性の高い映画村(太秦?)を選択して、一花と和解しようとしていたのだと思う。

けれども、その風太郎の思惑を、一花はいわば、先回りして潰してしまった。

それが、三玖の救済に乗り出すことと、頬への口づけと「全部、嘘」という言葉だった。

そして、この一花の想いは、未だ行き場所がないまま、放置されたままになっている。

この残された「秘密」「謎」に、風太郎はまだ手をかける必要があり、そのためにも、まずは、四葉に、お前が京都で会った子だったんだろう?と問いただす必要がある。


で、もしも、風太郎の花嫁となるのが一花だった場合、いくつかクリアしなければいけないことがあるのは確か。

で、最大の難点は「鐘キス」。

もはや、鐘キスの相手は四葉だったとする状況証拠が、走り方やその擬音(タ、タ、タ)、あるいは、足元が滑りやすい場所、というようにてんこ盛りなのだけど、それらを覆すことができる材料が一花にはあるのか?

つまり、あの相手が一花の可能性があるか?ということだけど、まず、あの「スクランブルエッグ」編では、二乃の「キスするわ!」という発言で、一花自身もだいぶキスモードになっていたことがあって、五月の姿であることをいいことに駆け寄る可能性は皆無ではない。

で、滑って転んで事故でキスした、という状況だけど、確かあの時、一花は足を挫いていたはずで、だったらバランスを崩して倒れてしまう可能性はある。

だから、一花が鐘キスの相手だった可能性もある。

だったら、どうして101話や102話の話で、自分を鐘キスの相手から外していたのか、といえば、それは「全部、嘘」の言葉通り、それまで風太郎とあったことを、基本的には封印していたから、と言っておいてもいいと思う。

次に、「愛があれば(五つ子を)見分けられます」という、もはやこの物語の「呪い」の言葉でしかない条件。

これも、113話で四葉が選ばれてから、そういえば「五月の森」で最初に風太郎が見抜いていたのは四葉だった、だから、風太郎が好きだったのは四葉だったのだ!説が濃厚になってきているみたい。

だけど、もしも、風太郎が6年前に京都で四葉と一花と出会っていたときに、もっと正確に言えば、四葉のふりをした一花とトランプをしていたときに、あれこの子、さっきまでと雰囲気が違うな?と感じていたらどうだろう。

その場合、一花こそが風太郎が最初に見抜いた五つ子だった、ということにはならないか。

いや、さすがにこれは一花説を持ち上げるための強弁だ、という気は書いている本人も自覚してはいるのだけど、でも、さっき書いたように、「愛があれば(五つ子を)見分けられます」というのは、もはやこの物語の「呪い」であることは間違いないから、とにかくこの要件をみたしてさえすれば、そこに「愛があった」ことになるわけでw

あと、これはもしもそうなら四葉にとっては辛いことになるけど、風太郎が6年前の京都の女の子に対して抱いた好意が、実は、トランプをして打ち解けたときに感じていたものだったらどうだろう。

その後の風太郎を変えたのは、四葉なのか、一花なのか。

それが直接、花嫁は誰か、につながるかどうかはわからないけれど、でも、この疑問も、物語の決着をつける上では必要かな。

ともあれ、こう見てくると、二乃や三玖、五月はさておき、一花については、まだ四葉と「戦って」いけるだけの材料が残っている。

そして、このどんでん返しがあるなら、『ネギま!』型ではなく『神のみ』型の、サプライズのある終わり方ができるかな、と。

ちなみに、『神のみ』の最終話についてはこのブログでも以前、感想を残しているけど、そのときも、(幼馴染の)天理ではなく(現在出会って本音を語り合えた/罵倒もしあった)ちひろが選ばれて、ものすごく納得していた。

その意味では、物語の序盤から、三玖の影に隠れながらも、しかし、かなりのエピソードを費やして風太郎とのやり取りや風太郎への想いが具体的に描かれてきた一花が選ばれる方が、物語としては納得がいくように思っている。

なにより、102話で風太郎が一花にかけた「長男に長女、お互い苦労したな」という言葉が、一花が風太郎にとって、自分の今までの苦労を理解できる(五つ子の中で)別格の相手だと感じていることを表していると思う。

四葉vs一花、どちらに軍配が上がるのか?

いや、決して、戦争ではないんだけどねw

でもね、「全部、嘘」という言葉は、風太郎の心を縛る呪詛にきっとなっていて、ずっと心の片隅に残っていたと思うんだ。

その呪いの言葉があったからこそ「お互い苦労するな」という言葉が自然に出てきたと思うんだよね。

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