あまりの大きな被害に、息を呑みつつテレビの前に釘付けになっています。
「壊滅」などと言う言葉は、日本にはないと思っていたのに。
ばらばらに唐黷トまがっている電車が、まるで、砂場に忘れられた電車のプラモデルのように見えました。
そして、高潮が押し寄せて根こそぎ家を押し流し波間に消える様子は、まるで特撮物を見ているような錯覚。そう、錯覚であって欲しい。
あっという間に、真昼間に、そんなことが起こってしまうなんて。
そのとき、5階の職場にいた私は、始めて体験する揺れにまず、机の下に身を隠した。
まだ、右往左往している人に、机の下に入ってと声をかけたが、果たして聞こえたのか。
揺れが収まってから、非常階段から外へ。
始めての経験だ。
真夜中の散歩
そのあとの帰宅劇は、寒さと戦いながら列に並んでバスに乗り、また、乗り継いで。
次は、そのバスを捨て、最後は徒歩。
さいわい、バスの乗り継ぎ地点で夫と合流できたので、渋滞で動かなくなったバスを後に歩く気になった。ひとりではとても、バスを降りる気にはならなかった。時は、0時。
ほとんど治りかかっていた膝が、遅々として進まない苛立ちのストレスと、後ろの人が体重を預けてくるのと、自分の体重を支えるのとで悲鳴を上げ始めたのでした。
真夜中の散歩としゃれ込んだのは、始めだけ。 〈スカイツリー〉
バスで痛みを覚え始めていた膝は、歩いて動かすことで、滑らかになったのは、初めのうちだけ。すごいーい、膝がどんどん良くなる。負荷をかけることが、良いほうに転じたと思ったのは、つかの間。
やがて、いたみがはしるように。
ただ、ふくらはぎや太ももの後ろ、腰の筋肉は、快調に働いて、膝の痛みさえなかったら、走り出せそうだった。
ほどほどの寒さと、体を動かしておきる熱とが、等価交換をしているあいだは。
東京駅で、バスに乗る行列に2時間並んでいた10時過ぎに温度が7度と言う表示だった。
12時を超えると、しんしんと寒さが肩から降りてくる。
熱量が足りない、膝の潤滑油が足りない。
コンビニで、トイレを借り、暖かい飲み物を買う。
もう相当の人が、買い物をした後なので、ホットとの表示なのにまだ冷たいものもある。
うっかり、自動販売機で買ったら、冷たいものを手に入れることになったかも。
一つ一つ触って、熱いのを手に入れる。味はどうでも良い。
その一口のおいしいこと。沢山飲むと、トイレの心配があるので、二人で1本にした。
飲み干した缶の温度が下がりきらないうちに、自動販売機のゴミ箱を見つけて捨てられたのは、うれしかった。
そんなちょっとのことでも、気を取り直して、歩く、歩く。
正しい姿勢とわずかの体操を納得いくように教えてもらったばかりだったので、それを実践しながら、足首から腰へのラインを意識する。
何かに集中していないと、そして、自分をほめることが無いと、前に進まない気がした。
夫は、最近体重を落とすことが出来なくて、しかも、偏平足だから、体力はあっても、歩きは下手だ。
歩きのレッスンをしようとしたけど、ご機嫌を損ないたくないから、自分だけ、課題を思い出しながら、歩く、歩く。
だんだん正しい姿勢をしていても、痛みが強烈にやってくるようになる。
これで、姿勢を崩したら、元も子もなくなるなぁ。
道路に写る黒い影を見つめて、姿勢が崩れてないか、夫に、痛そうに歩いてないかを聞きながら、チェック、チェック、歩く、歩く。
目標の橋が近づいてきた。
こんなに長かったかしら? 車でしか渡ったことが無いもんねぇ。
後ろから追い抜いていくタクシーは、「割り増し」か「回送」表示をて点けていく。
だって、もう2時を回ったから。
遠くまで客を送った運転手は、一刻も早く家族の元に帰りたいのだから。
すれ違うタクシーは、かなりの台数になったが、すべて回送のランプ。
○○エレベーターの表示を付けたバイクのお兄さんが、携帯で「家が気になるけど・・・」と携帯で電話している声が聞こえる。
もう、歩いている人は、若者が多い。軒並みお店は、満席かクローズだったから、どこか、ホテルに入るべきだったか。「満員だよ」「こんなときだからロビーにいさせてくれるんじゃない?」と、言葉を交わす。
こんなときにも、同調しようとしない夫だ、その思いを飲み込んで、黙り込む。
寒空に、探しに来てくれるのは、夫しかいないもんねぇ。
目標の橋を越えてからの、あと少しの長かったこと、きっと、速度が半分に落ちていたのだろう。
私のリュックをしょい、自分の荷物も持った夫は、珍しく歩調が私と合っている。
いつもは、どんどん先を行くのに。今日は、私が一歩先を行く。
今日は、相当、ふくらはぎが痛いらしい。
こんなときは、お互い慎重に言葉を選んで、けんかにならない会話をする。
まだ、それ位の余裕は有ったらしい。 大人だねぇ。
息も絶え絶えに家について、電気がつきガスの警告灯が点滅しているのを見て、喜んだ。
そして、ガスの復旧ボタン操作をして、ガスが使えることがわかったとき、ほんとにうれしかった。
冷え切った体にはお風呂しかない。夫には足湯の準備をし、インスタントの味噌汁に湯を注ぎ、<ハぁー、あったかいってうれしい。>
時は、午前3時過ぎ。
電話は通じないが、携帯のメールが通じたおかげで、夫と連絡がつき、ちょっとつらい夜の散歩をすることになった。
テレビの報道に、驚き、恐浮oえたのだけれど、疲労には勝てず、眠り込んだら、早朝娘からの電話に起され、「電話に出ないから、爆睡しているのかと思ったよ。歩いてたんだねぇ」と長女らしいのんびりおだやかなコメント。
散歩の顛末を語っているうちに、姉からも何度も電話したよと次々に電話。また、顛末を語り。
そんな私の体験は、大変な部類に入らないことを、テレビで知り、無くなった方のご冥福を祈り、いまさらながらに、恐浮ノおののくのでした。
社内や、知り合いに一人のけが人もいないことを感謝。
残念なことになった方々が沢山いらっしゃるのに、まだ、厳しい寒さの中にいる方も沢山いらっしゃるのに、お風呂に入れたとはしゃいだことを申し訳なく思うのでした。
「壊滅」などと言う言葉は、日本にはないと思っていたのに。
ばらばらに唐黷トまがっている電車が、まるで、砂場に忘れられた電車のプラモデルのように見えました。
そして、高潮が押し寄せて根こそぎ家を押し流し波間に消える様子は、まるで特撮物を見ているような錯覚。そう、錯覚であって欲しい。
あっという間に、真昼間に、そんなことが起こってしまうなんて。
そのとき、5階の職場にいた私は、始めて体験する揺れにまず、机の下に身を隠した。
まだ、右往左往している人に、机の下に入ってと声をかけたが、果たして聞こえたのか。
揺れが収まってから、非常階段から外へ。
始めての経験だ。
真夜中の散歩
そのあとの帰宅劇は、寒さと戦いながら列に並んでバスに乗り、また、乗り継いで。
次は、そのバスを捨て、最後は徒歩。
さいわい、バスの乗り継ぎ地点で夫と合流できたので、渋滞で動かなくなったバスを後に歩く気になった。ひとりではとても、バスを降りる気にはならなかった。時は、0時。
ほとんど治りかかっていた膝が、遅々として進まない苛立ちのストレスと、後ろの人が体重を預けてくるのと、自分の体重を支えるのとで悲鳴を上げ始めたのでした。
真夜中の散歩としゃれ込んだのは、始めだけ。 〈スカイツリー〉
バスで痛みを覚え始めていた膝は、歩いて動かすことで、滑らかになったのは、初めのうちだけ。すごいーい、膝がどんどん良くなる。負荷をかけることが、良いほうに転じたと思ったのは、つかの間。
やがて、いたみがはしるように。
ただ、ふくらはぎや太ももの後ろ、腰の筋肉は、快調に働いて、膝の痛みさえなかったら、走り出せそうだった。
ほどほどの寒さと、体を動かしておきる熱とが、等価交換をしているあいだは。
東京駅で、バスに乗る行列に2時間並んでいた10時過ぎに温度が7度と言う表示だった。
12時を超えると、しんしんと寒さが肩から降りてくる。
熱量が足りない、膝の潤滑油が足りない。
コンビニで、トイレを借り、暖かい飲み物を買う。
もう相当の人が、買い物をした後なので、ホットとの表示なのにまだ冷たいものもある。
うっかり、自動販売機で買ったら、冷たいものを手に入れることになったかも。
一つ一つ触って、熱いのを手に入れる。味はどうでも良い。
その一口のおいしいこと。沢山飲むと、トイレの心配があるので、二人で1本にした。
飲み干した缶の温度が下がりきらないうちに、自動販売機のゴミ箱を見つけて捨てられたのは、うれしかった。
そんなちょっとのことでも、気を取り直して、歩く、歩く。
正しい姿勢とわずかの体操を納得いくように教えてもらったばかりだったので、それを実践しながら、足首から腰へのラインを意識する。
何かに集中していないと、そして、自分をほめることが無いと、前に進まない気がした。
夫は、最近体重を落とすことが出来なくて、しかも、偏平足だから、体力はあっても、歩きは下手だ。
歩きのレッスンをしようとしたけど、ご機嫌を損ないたくないから、自分だけ、課題を思い出しながら、歩く、歩く。
だんだん正しい姿勢をしていても、痛みが強烈にやってくるようになる。
これで、姿勢を崩したら、元も子もなくなるなぁ。
道路に写る黒い影を見つめて、姿勢が崩れてないか、夫に、痛そうに歩いてないかを聞きながら、チェック、チェック、歩く、歩く。
目標の橋が近づいてきた。
こんなに長かったかしら? 車でしか渡ったことが無いもんねぇ。
後ろから追い抜いていくタクシーは、「割り増し」か「回送」表示をて点けていく。
だって、もう2時を回ったから。
遠くまで客を送った運転手は、一刻も早く家族の元に帰りたいのだから。
すれ違うタクシーは、かなりの台数になったが、すべて回送のランプ。
○○エレベーターの表示を付けたバイクのお兄さんが、携帯で「家が気になるけど・・・」と携帯で電話している声が聞こえる。
もう、歩いている人は、若者が多い。軒並みお店は、満席かクローズだったから、どこか、ホテルに入るべきだったか。「満員だよ」「こんなときだからロビーにいさせてくれるんじゃない?」と、言葉を交わす。
こんなときにも、同調しようとしない夫だ、その思いを飲み込んで、黙り込む。
寒空に、探しに来てくれるのは、夫しかいないもんねぇ。
目標の橋を越えてからの、あと少しの長かったこと、きっと、速度が半分に落ちていたのだろう。
私のリュックをしょい、自分の荷物も持った夫は、珍しく歩調が私と合っている。
いつもは、どんどん先を行くのに。今日は、私が一歩先を行く。
今日は、相当、ふくらはぎが痛いらしい。
こんなときは、お互い慎重に言葉を選んで、けんかにならない会話をする。
まだ、それ位の余裕は有ったらしい。 大人だねぇ。
息も絶え絶えに家について、電気がつきガスの警告灯が点滅しているのを見て、喜んだ。
そして、ガスの復旧ボタン操作をして、ガスが使えることがわかったとき、ほんとにうれしかった。
冷え切った体にはお風呂しかない。夫には足湯の準備をし、インスタントの味噌汁に湯を注ぎ、<ハぁー、あったかいってうれしい。>
時は、午前3時過ぎ。
電話は通じないが、携帯のメールが通じたおかげで、夫と連絡がつき、ちょっとつらい夜の散歩をすることになった。
テレビの報道に、驚き、恐浮oえたのだけれど、疲労には勝てず、眠り込んだら、早朝娘からの電話に起され、「電話に出ないから、爆睡しているのかと思ったよ。歩いてたんだねぇ」と長女らしいのんびりおだやかなコメント。
散歩の顛末を語っているうちに、姉からも何度も電話したよと次々に電話。また、顛末を語り。
そんな私の体験は、大変な部類に入らないことを、テレビで知り、無くなった方のご冥福を祈り、いまさらながらに、恐浮ノおののくのでした。
社内や、知り合いに一人のけが人もいないことを感謝。
残念なことになった方々が沢山いらっしゃるのに、まだ、厳しい寒さの中にいる方も沢山いらっしゃるのに、お風呂に入れたとはしゃいだことを申し訳なく思うのでした。