熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

雨の神田古本まつり

2007年10月27日 | 書評(ブックレビュー)・読書
   昨日、恒例の神田古本まつりのために神保町に出かけて行ったが、朝から雨のために、道路に設営されていたワゴンや書棚の露天商店はブルーのビニールシートを被せたままで中止になっていた。
   2年前までは、三省堂のロビーが会場になっていたので雨でもここだけは開いていたが、今回は全滅である。
   午後に雨が上がった後、本降りになるまでのしばらくの間は、個々の古書店の前のワゴン店は所々開いていたようだが、今日も朝から雨なので、二日間の古本まつりは散々であろう。

   私は、何時もの古書店に出かけて2冊新古書を買った。
   J.J.ミアシャイマー&S.M.ウォルト著「イスラエル・ロビー Ⅱ」
   リズ・カーン著「アラビアのバフェット」である。

   その後、三省堂の別館にある上島珈琲店に入って、しばらく、アラビアのバフェットを読んでいた。
   やはり、本の街だけあって神保町には沢山面白い喫茶店がある。古くて歴史のある喫茶店も多いのだが、何となく臭いがこもっていたり暗い雰囲気が好きになれないので、私自身はスターバックスやタリーズに入って学生達の中に混じって本を読むことが多い。
   最近では、何の変哲もない簡易喫茶店だが、この上島珈琲の神田神保町店で黒糖ミルク珈琲をすすりながら本をしばらく読むことにしている。

   今、書店の店頭で、小冊子「神保町が好きだ!」創刊号が置かれて配布されている。
   神保町アンケートと銘打って三つの質問を投げかけて色々な人の答えを特集している。
   Q1 神保町。お気に入りスポット
   Q2 神保町・ここが嫌い
   Q3 神保町に変わってほしいこと
   井上ひさしや常盤新平、安西邦夫や岡村正、北原照久などと言った人たちのコメントなども含めて色々な人たちの神保町への思いが綴られていて興味深い。
   平均的と言うか一般的な印象記は殆どなく、夫々個性的なコメントが多くて、夫々の人生の歴史を背負っているのが良く分かり、本との関わりがその人それぞれにもの凄く影響を与えているのが垣間見えて面白い。

   この神保町では、結構、映画やTVのロケに使われていることがあり、先日も、喫茶店さぼうるの前で映画撮影の一隊がロケをしており、覗くと薄暗い店内で若い男女の会話シーンであった。
   また、別の日には、靖国通りの店頭でNHKの英会話のロケをしていた。
   東京の街は、大型の再開発でどんどん変貌しているが、この古書店街の一帯だけは取り残されたように変わらないのが不思議である。

   私が神保町に通い始めたのは、まだ、10数年くらいだが、他の職種の小さな店の出入りはあるが、古書店の佇まいは殆ど変化せず、それに、殆ど客の出入りがあるようにも思えないような店でも営業を続けているのは何か秘密があるのだろうかと不思議に思いながら見ている。
   何故か時間があると、神保町に来てしまう。そんな魅力を持った不思議な街が神保町である。
   
コメント
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