日立が満を持して毎年開いているuVALUEコンベンションを、今年も聴講して勉強させてもらったが、今回は、協創で挑むビジネス・イノベーションを基盤にしたソーシャル・イノベーションに力点を置き、スマートグリッドなど、地球環境の保全を目指した壮大なテーマを前面に押し出した意欲的なセミナーや展示が展開されていた。
二日目のセミナーは、小宮山宏前東大総長の「エネルギー課題先進国にっぽん」、東大山本良一教授の「今まさに直面している地球温暖化の危機と日本の取るべき施策」、それに、寺島実郎氏の「グリーン革命の視座」など、サステイナブルな地球環境を維持するために如何にあるべきかに焦点を絞った演題に集中していて興味深かった。
寺島氏の講演は、先にこのブログでコメントした論点と全く同じであったし、他の二人の先生の論旨も、これまでと殆ど変わっていなかったのだが、しかし、低炭素社会問題も、愈々、大変な段階まで来てしまったなあと言う感じがひしひしと伝わってきた。
私の手元に、東工大丸山茂徳教授の「地球温暖化論に騙されるな!」と言う、二酸化炭素犯人説に対する世界中の狂騒状態に、冷や水をぶっ掛ける警告の書もあるが、私自身は、ゴアがどう言うとか、世界中の科学者が地球温暖化危機を論証しているとか言う以前に、マルサス論の根底にある、この地球が支えられるエコシステムには限界があり、必ず、パンクしてしまうと言う理論を信じているので、遅かれ早かれ、人類の寄って立つ地球環境は、何らかの形で崩壊すると思っている。
私が子供の頃には、地球上の人口は30億人と言っていたのが、今では60億人をオーバーしており、100億人になるのは目前だと言うのだが、限りあるこの小さな青い地球が支えられる筈がない。
ところで、早速各論に入るが、小宮山先生の提唱している「自立国債」は、早急に実施すべきだと思っている。
国が、太陽光発電15年債などと言った省エネ・エコシステムを目的とした国債を発行して、得た財源で、これらの機器(例えば、個人住宅の屋根の太陽光発電機)を購入して、国民に無償で貸与して、発電で得た電気代を収入して償還に当てて、償還が完了すれば、無償供与すると言う案である。
実際に実施するに当たっては、解決すべき問題は多々あろうが、回収償還は間違いないであろうし、地球温暖化対策への貢献のみならず、日本の誇る省エネ産業への梃入れ、市場の活性化による需要の創造は勿論出来るし、国民もハッピーであろう。
シュンペーターとケインズを同時にやれば良いのだと理科系の小宮山先生は、こともなげに言うのだが、正に、そうでありながら、経済や経営を学んだ筈の文科系の為政者などには、何故かこれが理解出来ない。
需要不足で経済不況の泥沼に呻吟しているのであるから需要創造は必須であり、その需要喚起が、経済の活性化と成長のために貢献するイノベーションの誘発となり、更に、その目的が、人類の将来の幸せのためにプラスであれば、これ以上に理想的な経済政策はない筈である。
アメリカ政府のビッグスリー救済が当たり前となり、持続可能な地球環境の維持のため、エコシステムの保全のためと言った美名の下に、省エネ・ハイブリッド車購入に対して、政府が膨大な税金を投入して、世界で最も優良な企業だと言われているトヨタやホンダの経営をバックアップ(?)している。
あのミルトン・フリードマンが、草場の陰で市場資本主義の堕落だと歯軋りをしている筈だが、資本主義も変わったものである。
政府が、馬鹿な赤字国債や建設国債などと言った亡霊ではなく「自立国債」を発行して、どんどん、戦略的なものづくりを目指して、特定製品をターゲットにしてサポートすることも、最早、タブーではなくなった筈である。
山本教授の話は、オバマ大統領の登場や、今回のラクイア・サミットでの気温上昇2度C以内の抑制合意など、世界は低炭素革命の方向に大きく動き出したとしながらも、このまま地球温暖化を放置すれば灼熱地獄の到来もま近く、地獄を回避するためには、天文学的努力をはらわなければならないと言うことであった。
私が一番気になっているのは、気温上昇が2度Cを突破して、最早、青い地球を救えなくなるPoint of No Returnに何時到達するのかと言うことだが、もう、20年後に迫っていると言う。
2度Cを突破すれば、北海解氷、グリーンランド氷床、北方寒帯林、西南極大陸氷床などのティッピングポイントがドミノ倒しに進む危険があると言うのだが、そうなれば、最早、地球は、今までの地球ではなくなってしまう。
もう一つ山本教授が指摘した点で、注目すべきは、日本は省エネ技術が一番進んでいると言われているが、実際の、日本人一人当たりのCO2排出量は、イギリス、ドイツ、フランスなどと同程度であり決して低炭素社会ではないと言うことである。
小宮山先生が指摘していたが、日本では産業の省エネ低炭素化努力が注目を集めているが、日々のくらしの中でのCO2削減努力が足らないと言うところに問題があるのであろうか。
山本教授は、エコプロダクツの普及と内外でのエコプロダクツ国際展の開催に尽力している。
この面では、EUが最先端を走っていて総てが集中しているようで、イノベーションが次々に生まれていると言うのだが、やはり、人間も、水車の輪の中のハツカネズミのように走り続けて、経済成長と低炭素社会実現の二兎を追わざるを得ないのであるから、ものづくりのエコプロダクツへのシフトは、必然なのであろう。
私自身は、早く走るためにあるのだとシュンペーターが言ったブレーキを踏んで、むしろ、経済成長を止めるべきだと思っているのだが、これについては、次の機会に論じたいと思っている。
二日目のセミナーは、小宮山宏前東大総長の「エネルギー課題先進国にっぽん」、東大山本良一教授の「今まさに直面している地球温暖化の危機と日本の取るべき施策」、それに、寺島実郎氏の「グリーン革命の視座」など、サステイナブルな地球環境を維持するために如何にあるべきかに焦点を絞った演題に集中していて興味深かった。
寺島氏の講演は、先にこのブログでコメントした論点と全く同じであったし、他の二人の先生の論旨も、これまでと殆ど変わっていなかったのだが、しかし、低炭素社会問題も、愈々、大変な段階まで来てしまったなあと言う感じがひしひしと伝わってきた。
私の手元に、東工大丸山茂徳教授の「地球温暖化論に騙されるな!」と言う、二酸化炭素犯人説に対する世界中の狂騒状態に、冷や水をぶっ掛ける警告の書もあるが、私自身は、ゴアがどう言うとか、世界中の科学者が地球温暖化危機を論証しているとか言う以前に、マルサス論の根底にある、この地球が支えられるエコシステムには限界があり、必ず、パンクしてしまうと言う理論を信じているので、遅かれ早かれ、人類の寄って立つ地球環境は、何らかの形で崩壊すると思っている。
私が子供の頃には、地球上の人口は30億人と言っていたのが、今では60億人をオーバーしており、100億人になるのは目前だと言うのだが、限りあるこの小さな青い地球が支えられる筈がない。
ところで、早速各論に入るが、小宮山先生の提唱している「自立国債」は、早急に実施すべきだと思っている。
国が、太陽光発電15年債などと言った省エネ・エコシステムを目的とした国債を発行して、得た財源で、これらの機器(例えば、個人住宅の屋根の太陽光発電機)を購入して、国民に無償で貸与して、発電で得た電気代を収入して償還に当てて、償還が完了すれば、無償供与すると言う案である。
実際に実施するに当たっては、解決すべき問題は多々あろうが、回収償還は間違いないであろうし、地球温暖化対策への貢献のみならず、日本の誇る省エネ産業への梃入れ、市場の活性化による需要の創造は勿論出来るし、国民もハッピーであろう。
シュンペーターとケインズを同時にやれば良いのだと理科系の小宮山先生は、こともなげに言うのだが、正に、そうでありながら、経済や経営を学んだ筈の文科系の為政者などには、何故かこれが理解出来ない。
需要不足で経済不況の泥沼に呻吟しているのであるから需要創造は必須であり、その需要喚起が、経済の活性化と成長のために貢献するイノベーションの誘発となり、更に、その目的が、人類の将来の幸せのためにプラスであれば、これ以上に理想的な経済政策はない筈である。
アメリカ政府のビッグスリー救済が当たり前となり、持続可能な地球環境の維持のため、エコシステムの保全のためと言った美名の下に、省エネ・ハイブリッド車購入に対して、政府が膨大な税金を投入して、世界で最も優良な企業だと言われているトヨタやホンダの経営をバックアップ(?)している。
あのミルトン・フリードマンが、草場の陰で市場資本主義の堕落だと歯軋りをしている筈だが、資本主義も変わったものである。
政府が、馬鹿な赤字国債や建設国債などと言った亡霊ではなく「自立国債」を発行して、どんどん、戦略的なものづくりを目指して、特定製品をターゲットにしてサポートすることも、最早、タブーではなくなった筈である。
山本教授の話は、オバマ大統領の登場や、今回のラクイア・サミットでの気温上昇2度C以内の抑制合意など、世界は低炭素革命の方向に大きく動き出したとしながらも、このまま地球温暖化を放置すれば灼熱地獄の到来もま近く、地獄を回避するためには、天文学的努力をはらわなければならないと言うことであった。
私が一番気になっているのは、気温上昇が2度Cを突破して、最早、青い地球を救えなくなるPoint of No Returnに何時到達するのかと言うことだが、もう、20年後に迫っていると言う。
2度Cを突破すれば、北海解氷、グリーンランド氷床、北方寒帯林、西南極大陸氷床などのティッピングポイントがドミノ倒しに進む危険があると言うのだが、そうなれば、最早、地球は、今までの地球ではなくなってしまう。
もう一つ山本教授が指摘した点で、注目すべきは、日本は省エネ技術が一番進んでいると言われているが、実際の、日本人一人当たりのCO2排出量は、イギリス、ドイツ、フランスなどと同程度であり決して低炭素社会ではないと言うことである。
小宮山先生が指摘していたが、日本では産業の省エネ低炭素化努力が注目を集めているが、日々のくらしの中でのCO2削減努力が足らないと言うところに問題があるのであろうか。
山本教授は、エコプロダクツの普及と内外でのエコプロダクツ国際展の開催に尽力している。
この面では、EUが最先端を走っていて総てが集中しているようで、イノベーションが次々に生まれていると言うのだが、やはり、人間も、水車の輪の中のハツカネズミのように走り続けて、経済成長と低炭素社会実現の二兎を追わざるを得ないのであるから、ものづくりのエコプロダクツへのシフトは、必然なのであろう。
私自身は、早く走るためにあるのだとシュンペーターが言ったブレーキを踏んで、むしろ、経済成長を止めるべきだと思っているのだが、これについては、次の機会に論じたいと思っている。