熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

映画「ピーターラビット」

2018年05月22日 | 映画
   ピーターラビットは、我が家にとっては、非常に身近な存在で、娘たちと一緒にイギリスで住んでいたので、ピーターラビットの絵本や陶器や縫いぐるみの人形や皿やカップなど、色々なデコレーションが、部屋のあっちこっちにある。
   この映画が放映されると言うので、ピーターラビットと言うよりは、イギリスの田舎の美しさを、もう一度反芻したくて、見に行ったのである。

   それに、このピーターラビットの舞台となった湖水地方にも旅をしたし、この映画のピーターラビットが生まれたウインダミア近くのニア・ソーリーのヒルトップ農場のビアトリクス・ポターの家(下記写真)にも行って、十分にピーターラビットの世界を味わってきている。
   
   秋の紅葉の頃に、湖水地方は、一番美しいと聞いていたのだが、纏まった休暇を取れるのは、夏冬だけだったので、夏休みを利用して、数日間、車で、民宿やコテッジやホテルを梯子したのだが、イギリスの田舎は何処も美しい。
   この湖水地方とコッツウォルズが双璧だと思うのだが、暇にあかせて、随分、イギリス国内を車で回ったので、ワーズワースの詩情もジョン・コンスタブルの絵画の世界も脳裏に焼き付いている。
   尤も、イギリスの素晴らしい壮大な庭園も美しい田園も、すべて、太古の原生林を切り開いて造形された人工の風景ではあるのだが。

   随分撮った写真が倉庫の中なので、インターネット上の写真を借用すると、あのあたりの雰囲気は、次の感じである。
   
   
   
   

   さて、肝心の映画だが、実写とCGをうまく融合させて、生きた擬人化されたピーターラビットなど動物が、あたかも、人間のように動き回って活躍して、人間と実生活を営んでいるようなドラマチックな映画で、素晴らしいイギリスの風景をバックに描かれていて、実に感動的である。
   セットだと言う写真は、
   
   

   登場するうさぎは、お馴染みのピーターラビットと三つ子の妹のフロプシー、モプシー、カトンテール、それに、いとこのベンジャミンで、仇敵である畑主のジョー・マグレガー親父(サム・ニール(Sam Neill)が、心臓発作で亡くなったので、ロンドンのハロッズの玩具部門で働いていたマグレガーの甥のトーマス(ドーナル・グリーソン(Domhnall Gleeson)が跡を継いで、農場主となる。
   近くに、うさぎたちや人物を題材にした抽象画を書いて過しているピーターたちの友達のピア嬢(ローズ・バーン(Rose Byrne)が住んでいて、ピーターたちとトーマスとの争いを上手くさばいてくれているのだが、何時ともなく二人は恋に落ちる。
   ところが、ピーターたちのいたずらに業を煮やしたトーマスが小型のダイナマイトを調達してきて使い始めたのだが、発火装置のリモコンを拾ったピーターがボタンを押して、あやまって、大木の根元にあるうさぎの住まいに置いてあったダイナマイトを爆発させてしまい大木を倒して台無しにしたのだが、トーマスの仕業だと勘違いしたピアに叱られてトーマスはロンドンへ帰ってしまう。
   大木が倒れて、うさぎの住まいが壊れて、大木がピアのアトリエを押しつぶしてしまったので、ピアは引っ越しをしようとする。
   ここからが、感動的で、ピーターとベンジャミンは、列車などを乗り継いでロンドンのハロッズに行ってトーマスに、早く帰って引き留めないと、ピアが行ってしまうと急き立てて連れ戻す。
   このシーン、何故か、ノッチングヒルの恋人のラストを思い出した。

   田舎もののピーターたちが、ロンドンの洒落た紳士然としたネズミに、ハロッズが何処かと尋ねて、急いでいるのに、興味のない今様ロンドンを案内されるくだりなど、正に、絵本の世界で面白い。

   元々、マクレガー親父の畑も、うさぎたちや動物の住処を人間が取り上げたもの。
   共生こそ大切だと言う精神。
   人間とうさぎたちの心の触れ合いを、ほのぼのとしたタッチで描いた、心温まる佳作である。
   
コメント
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