地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

弘南鉄道・銀色の夏 (1) 大鰐線の青帯編成

2007-08-05 12:03:19 | 地方民鉄 (東北)


 弘前駅から大通りを歩くこと約15分、突然街並みが昔ながらのシブい商店街に変わったあたりの片隅に、大鰐線の中央弘前駅が佇んでいます。ここはかつて、確かに弘前の「中央」だったと思われ、年季の入った味わいの駅舎が昭和そのものの街並みに囲まれていますが……「ねぷた」の巡行のために電線を取り払った小綺麗な弘前駅前通りと比べますと、時代の荒波に取り残されてしまっているのも否めない雰囲気が漂っているような……。
 それでも、鯛焼き屋とラーメン屋を併設し、三々五々集まってきた乗客たちが待合室でのんびりとくつろいでいる中央弘前駅は、まさに古き良き地方私鉄の始発駅らしい風情が感じられます (^_^)。こういうシーンを未来に残したいものだなぁ……と思っていたら、やがて電車が到着! 数十人の客が一斉に吐き出され、ご多分に漏れず乗客減といわれる大鰐線が辛うじて弘前市内の身近な足として機能している光景にうれしさを感じました (^^)。



 この7031+7032編成は、今のところ大鰐線で唯一、弘南の新標準色と思われる青帯を巻いていますが、他の7000系3編成が何故赤帯のままなのかはよく分かりません (^^;)。何はともあれ、スノープロウやワンマン機器、それにドア開閉ボタンなどを除けば東横線時代と変わらない原型を保ちながら、すっかり津軽の風土に融け込んでいる姿に、会いに来たうれしさもひとしお……(*^^*)。ただし、外装はさておき内装が相当ヘタレているように感じられ、7000系の登場以来早くも40数年が過ぎ去ってしまったことを改めて痛感したのでした。
 4両運転をやめてしまった大鰐線の運行は、現在全列車ワンマンとなっているようですが、驚いたのは、特に中心街に近いエリアでは交換設備がない停留所でも駅員のオバチャンが配置されていたことです。そういう点で、大鰐線はそれなりに都市内鉄道としての性格も強いのだろうかと思ったのですが (実際、すでに取りやめになっていますが、中央弘前=千年間は20分間隔として誘客につとめた時期もありました……)、今ではラッシュ時以外原則45分間隔ということで、かなりヒマなのではないか……という印象も拭えません (^^;;
 とまあこんな感じの第一印象の大鰐線、千年を過ぎれば一気に周囲はリンゴ畑ばかりとなってローカルムード炸裂! クーラーはないものの、窓から入る爽やかな風に津軽の夏を感じながら、今回の撮り鉄スポットである松木平・津軽大沢へと向かったのでした。