地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

弘南鉄道・銀色の夏 (5) ああ田舎館!

2007-08-20 00:55:19 | 地方民鉄 (東北)


 柏農高校前駅で夏の津軽平野のでっかい光景を満喫 (?) した後は、事前に地図を眺めて「どうやら良さそうだ」と目星をつけていた田舎館に向かいました。この駅、駅名からして何やら津軽情緒豊かな雰囲気を想像してしまうのですが……実際に降り立ってみますと、古き良き地方私鉄の駅らしさがそのまま残っており、余りの素晴らしさに思わず目を見張ってしまいます。勿論、既に無人駅化され、車扱貨物の扱いも廃止されていますが、開業以来変わらない佇まい (?) の木造駅舎、島式ホームに貨物側線を加えた3線の構内、そして堂々たる農業倉庫群……。駅の裏には鎮守の森があり、暇つぶしに (失礼) ご挨拶がてら訪れてみますと、まるで時間が止まったような奥ゆかしい涼しさ……。列車が来ない間は、そんな昔ながらの光景をじっくりと眺め、列車が来る時間になったら駅構内や近くの水田の旁らでカメラを構えるという、何とも悠長なひとときです。田舎館……この駅名は、抜けるような青空の下を走る青帯の7000系の姿とともに、個人的な超お気に入り駅として今後も長く記憶されることでしょう! 惜しむらくは、小銭の持ち合わせが底を尽きかけ、財布には万札しかなかったことから、駅事務室を利用した茶店で小腹を満たすことが出来ませんでした (^^;)。(↑は田舎館=境松間の直線にて)



 それにしても、本来ならば午後3時を過ぎれば弘南線は30分間隔ダイヤとなり、平均15分に1回は走行シーンを撮影出来るはずですが、全線一閉塞の臨時ダイヤではあくまで80分間隔……。そんなダイヤに午後1時から夕方までずっと付き合うのは誠に辛いものがありました (汗)。恐らく、地元の利用者も間違いなく不便を感じていたことでしょう……。しかも、このあとには何と100分間隔という衝撃の事態にも遭遇することになったのでした (爆)。
 田舎館から黒石まではバスで移動し、黒石に到着する列車を撮影、その後は黒石市街の南を流れる川の畔にある「岩木温泉」で汗を流したのですが、実に良い湯加減の温泉が豊富に湧き出し、湯船から溢れ出した湯が浴場の床を滔々と流れているのですから、まさに循環式の温泉におけるレジオネラ菌などとは一切無縁!! 異常事態ダイヤに苦しみながらも充実した撮り鉄の一日をこのような温泉で締めくくることが出来て万々歳、コーヒー牛乳が美味い! 隣のコンビニでさらにビールを購入し、夕焼けに浮かび上がる岩木山の絶景を眺めながら川風に吹かれてグイッと飲めば、もう津軽最高!!
 ……なーんて感じでのんびりとくつろいでいたら、いつの間にか19:10発の弘前行には間に合わなくなってしまいました (汗)。そこで、次の電車は20:30か……まあ夕食も黒石市内で食べ、そのまま乗って行けば、ちょうど弘前では当初から乗るつもりだった青森行の普通列車に間に合うな、と思案したのも束の間、何と弘前行の最終電車は20:50発!! 青森へは500円余計に払って特急「いなほ」に乗らなければなりません……(まあいいけど)。通常ダイヤなら19:20・19:50・20:20……と、何と空白の100分のあいだに3本も弘前行が発車すると思うと、これは気分的に辛すぎます……。
 というわけで、最後の最後まで臨時ダイヤに苦しめられた弘南線初訪問、堂々4両編成が終日行き交う姿はそれなりの記録となりましたが、やはり編成が短くとも便利にこしたことはなく、8月以降無事通常ダイヤに戻ったのは誠にめでたいことだと思っています。今後も弘南鉄道が津軽平野の身近な足として活躍し発展することを願いつつ、次はいつ訪れようか……と思案することにしたいと思います。