今回の北海道訪問では苫小牧に近い某所で研修をしたことから、折角の機会ということで、研修中ちょこちょことヒマを見つけて日高本線で乗り鉄・撮り鉄を楽しんでみることにしました。特に日高線は、なかなか良い雰囲気のオリジナル塗装をまとったキハ40・350番台が集中的に配置され、北海道のJR路線の中でも独特の雰囲気を醸し出しておりますので……(^_^)。
たしか日高線といえば一時期、軽快気動車のキハ130・160が配置されていたと記憶しておりますが、再び20m車のキハ40に戻ったのは、やはり輸送力の面と防蝕の面で問題が大きかったからでしょうか。実際に乗ってみますと、特に苫小牧=鵡川間は朝夕を中心に、少ない列車に多くの客が集まってくるため、まあちょうど座席が埋まる程度ではありますが、そこそこ混み合うという印象です。そこに小ぶりな軽快気動車ということでは、さぞかし利用客の怨嗟も大きかったことでしょう……(^^;)。いっぽう、線路はとにかく太平洋岸に沿っており、しばしば白波が打ち付ける海岸線の脇をかすめるようにして走ります。これでは、華奢な軽快気動車ではたちまち寿命を縮めるのも無理もなく……。そこで、キハ40の単行または2連は、日高線の現状にちょうど合っているのだと思われます。
それにしても日高線、車窓風景はとにかくワイルドでした……。苫小牧から鵡川までのあいだは、一応苫小牧の近郊ということで、それなりに開けているのかなぁ……という先入観を持っていたのですが、さにあらず! この一帯に延々と広がる勇払原野は農耕に適さない泥濘の土地であることから、夏の花が咲き乱れる (と言っても高山植物の類で地味なものですが) 手つかずの大地が広がっていました。そんな中にドカーンと広がる発電所やフェリーターミナル……。荒々しすぎる光景です。
鵡川は、かつてここから富内線が枝分かれしていた、恐らく沿線でも最大の街。ですが……ここもご多分に漏れず駅前や駅構内は枯れた風景が広がり、しかも時間限定で売店が営業しているのみで無人駅! 富内線の代替として走っている道南バスも、どう見ても客が多いようには見えず……。「かつてここが本当にジャンクションだったのだろうか?? 昔の時刻表に確かに載っている富内線の存在はうたかたの夢物語だったのではないか?」とすら思えますが、そのこと自体、北海道の現状を示しているのかも知れません……。
鵡川を発車するとさっそく馬の放牧地が現れ (1枚目の画像。鵡川駅から徒歩15分ほどの陸橋から撮影。馬は写っていませんが ^^;)、いよいよ日高本線らしい「左は山、右は海、その間に放牧地!」という風景が展開します。馬が戯れ、海沿いにははまなすの赤い花が咲き乱れ……心が洗われるような風景です (*^^*)。但し、海だけは折からの大雨の影響で水が濁っていたのが残念!
そんなこんなで風景に見とれているあいだに静内に到着! (2枚目の画像) 何と、この駅が苫小牧を発車して最初の有人駅だったりします……非常時はどうするのでしょうか (@o@)。今回は時間の都合上、ここで折り返したのですが、いずれ是非、澄んだ海に期待しつつ、様似まで乗り通して襟裳岬に向かい、さらに旧広尾線のルートをたどって帯広に抜けてみたいものだと思っています (^_^)。