地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

弘南鉄道・銀色の夏 (4) 一閉塞の弘南線

2007-08-15 22:30:27 | 地方民鉄 (東北)


 大鰐線での乗車と撮影を楽しんだあとは弘南線へと移動したのですが、その際には予め弘南バスのHPで調べておいた大鰐=平賀=黒石を結ぶ路線を利用しまして、大鰐から一気に平賀へワープしました。地方のバス路線のうち、中心都市へ向かうわけではなく、周辺の街を点々と結ぶ外郭路線の常として、本数は一日数本と微々たるものですが、上手く組み合わせることが出来れば使い勝手が良い路線なのではないかと思います。山裾の田舎道っぽいところを経由しますし……(*^^*)。
 もっとも、今回このバス路線を利用したのは、ワープという目的のほか、より現実的な問題がありました。それは……去る6月中旬に平賀駅構内で発生した脱線事故をうけて、原因究明と再発防止策を講じるまでは弘南線全線が一閉塞とされ、4両編成が80分サイクルで単純に往復するだけとなったという非常事態!
 本来であれば、大鰐から弘南線方面への移動は、大鰐線で中央弘前へ戻るか、あるいはJRの普通列車で弘前へ向かうかのいずれかを選択し、弘前から弘南線の乗り初めをしたかったのですが、弘南線の臨時ダイヤとにらめっこしても、どうしても上手い接続が思いつかない……。しかも、弘南線で一度列車に乗ってしまうと、その列車を撮る機会を逃すことになってしまい、80分間隔ダイヤのもとでは非常にもったいない事態となってしまいます (@o@)。撮影機会を最大限確保するためにも、大鰐から平賀へのワープは欠かせませんでした。はい (^^;)。



 そこで到着した平賀駅……ここで最も列車を撮りやすそうなのは構内踏切を渡った2番線ですが、2番線が事故の影響で使用されておらず、しかも昔ながらに列車ごとの改札が実施されている中では、2番線ホームからの撮影は望み薄。そこで、適当な場所を探したところ、列車が脱線したポイントのすぐそばの踏切にたどり着きました。ここで、最初にやってきた黒石行を後追い撮影 (1枚目)。画像では分かりにくいかも知れませんが、2番線へと向かうレールは銹が浮いております……。
 その後、黒石発弘前行をどこで撮ろうか……ということで、平賀駅から徒歩でロケハンをしてみたのですが、駅周辺は見事に弘前のベッドタウンとして宅地開発がなされており、なかなか見通しの良い場所が見つからない……。しかもとにかく蒸し暑い! 北東北まで来れば、盛夏でもそれなりに過ごしやすいだろうと思っていたのですが、甘かった……(実はやはり異常な蒸し暑さだったようで、この湿気が翌日北海道で異常事態を引き起こすことになるとは、この時点ではつゆ知らず)。
 ようやく水田の脇の撮りやすい場所を見定めたときには、既に柏農高校前駅 (というか無人の停留所) がすぐそばに見えていました。ここで弘前行を撮影した後、次の黒石行までは45分以上の空き時間が……。炎天下、かなり効率の悪い撮影に「やってられん!」とヘロヘロになりながら、まずは柏農高校前駅の待合室で涼むしかなかったのですが、ふと待合室からホームと線路を眺めると、その奥には見渡す限りの水田と岩木山の眺めが広がっていました。駅の自販機で買った缶コーヒーを開け、窓から入る風に吹かれていると……臨時ダイヤのために大いに退屈なはずの待ち時間も悪くない、という気分になってくるから不思議です (^^;