地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

JR西日本バス・高雄京北線の旅

2014-04-03 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 二段窓、前後ドア。ゴツさの中に機能美が宿るキュービック万歳! (1月撮影)



 そんなキュービックに乗って周山まで完乗したものの、折悪しく逆光……。



 帰りはエアロスターM。ドア間の窓が完全に同じ大きさで揃ったイケメンぶり♪



 この路線の看板娘はエアロスターKC代。でも製造後15年以上経ているとか。

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 先月ミャンマーを訪問した際には、昨年の初訪問のときと同様、鉄道だけでなく日本中古車天国なバスも撮りまくろうと思ったのですが、その野心は凄絶な酷暑の中で木っ端微塵に砕け散りました。何と、ラッピング車が激増している……(号泣)。そして、K国現代エアロエース中古の比率が確実に上がっている……(鬱)。一応、路線によってラッピングの進行度に違いがあるようで、ラッピングが少ないバス溜まりを見かけたり、あるいは日本時代の塗装を改めて塗り直された状態の良い車体が目の前を颯爽と通り過ぎる光景も眼にしましたが、総じて僅か一年間のあいだに激化した交通渋滞の中、なかなかやって来ない非ラッピング車をうまく撮影するのはハードルが高くなったとしか言い様がありません。そして、その名の通り三菱の技術を取り入れた現代エアロエースの比率が今後一層増えることは、ドア改造不要にして安定した走行性能であるだけに、ほとんどやむを得ないものがあるでしょう。現代の中古を扱うディーラーが店先にドーンと中古バスの見本品を並べて猛プッシュしている光景も眼にしましたし……。
 というわけで、今回のミャンマー訪問ではバスをほとんど撮らず、逆に「今そこにある日本の非ラッピング古参バスに乗って撮っておかなければならない」という思いが募ってしまいました (爆)。そこで、帰国後さほど時間をおかずして京都を出張で訪れた際には、例によって夕方からの会合出席に間に合えば良い……ということで、かねてから気になっていたJR西日本バス・高雄京北線に乗ってみました。怒濤のように京都市営バスの新車が入り乱れる京都駅前にあって、時間が1990年代で止まったような顔触れの国鉄バス近似色車両が15~30分に一回やって来て、不思議な存在感を漂わせているという光景に魅せられまして……♪
 また、この高雄京北線は、他のJRバス路線がそうであるように、鉄道未成線の陰影が見え隠れしています。古くは京都から北上して小浜に至る鉄道が計画され、その取りかかりとして京都から府県境手前の鶴ヶ岡までの路線が開設されただけでなく (京鶴線)、北山杉の一大産地として名を馳せる京北町(現在では右京区に編入)の中心地・周山にはバスの駅が設けられて支線も設定されたものの、その後の人口減と路線の整理により、JRWバス直営路線として残るのは京都駅~周山間のみとなりました。とはいえ、時刻表上では所要1時間20分、地図を見ても御室~福王子界隈を過ぎると山岳ルートの連続で、依然としてハードな路線らしさを感じることができます。
 そこで、京都駅14時発の周山行に乗り、周山で20分休憩ののち15時40分発の京都行に乗れば、上手い具合に京都17時着となり、プチ旅にしては結構お腹いっぱいとなるのでは……というプランを描いたのですが、これが大いに甘かった! 京都市内における頻繁な信号待ちと小まめな乗降のため、次第に遅れが拡大して行くという当たり前の話が脳内から抜け落ちていたため、結局17分遅れの15時37分に周山に着いたときには、とにかく周山駅の外観を撮っておくだけで精一杯。台湾あたりの地方バスターミナルに通じる雰囲気の周山駅を満喫するヒマがないという遺憾が残りましたし、昨年末の京北トンネル開通により狭隘路の連続である栗尾峠越えが省略され、面白い道は高雄近辺と山城中川界隈の旧道のみという……(まぁ、栗尾峠越えをもしやっていたら、完全に周山でのとんぼ返りに失敗し、会合の時間に間に合わなかったわけですが。汗)。とはいえ、90年代半ば製のキュービックやエアロMに延々と乗りまくって、あ~お腹いっぱい♪という感じです♪
 なお、この路線はIC読み取り機がなく、現金収受のみですので御注意を……。


 正面が一枚窓でワイドビューなキュービックならではの離合シーン激写♪



 山城高雄・栂ノ尾界隈が一番の急カーブ&急勾配ゾーン。風景も山里ですね~。



 栂ノ尾から本数は半分以下に (日中90分間隔……。昔は1時間間隔でしたが)。



 山城中川界隈の旧道を行く。北山杉の産地らしく、昔からの製材所がズラリ。



 供用開始間もない京北トンネル入口。栗尾峠の隘路越えは経験できず……。



 1時間37分かかって周山に到着! しかし駅舎内でくつろぐ時間なし! (泣)



 屋根があるバスの駅は、停車中のバスを撮りづらい反面、雰囲気は結構好き♪