近鉄奈良線、そして生駒といえば、これを忘れるわけには行きません……生駒ケーブル!! もともと近鉄奈良線の建設目的のひとつには、生駒聖天・宝山寺への参拝客輸送が想定されており、生駒トンネル工事のさなかに免許をうけたのち、大阪電気軌道の専務取締役が生駒鋼索鉄道社長代行に就任し、1918年の開業から間もなく大軌に合併するなど、最初から近鉄(大軌)奈良線と運命共同体として建設されたのがこのケーブルカーの縁起であるとのことです。その後大軌は宝山寺~生駒山上間を建設して今日に至っているわけですが、とりわけ鳥居前(生駒駅前)~宝山寺間は1・2号線の二系統を擁し、検査やケーブル交換に伴う運休を断固しないという体制がとられているのみならず、交換が行われる中間点は複々線+ケーブルカー線路を跨ぐ踏切があるという点で、本邦で最も充実したマニアックなケーブルカーの一つであると言えましょう。
というわけで、個人的に鉄活動に復帰したここ13~14年来、対象の間口を半鋼製釣掛式電車から見た目がシブい車両一般に広げたこともあり、是非一度この生駒ケーブルも訪れてみたかったのですが、まさに鉄活動復帰のタイミングとほぼ時を同じくして (2000年)、宝山寺1号線の1928年製古典車両コ1・コ2、及び山上線の1953年製コ5・コ6が廃車となり、よりにもよって宝山寺1号線は「ブル」「ミケ」、山上線は「ドレミ」「スイート」といった女子供向けなコッテコテ車両となってしまい、宝山寺2号線の旧型車コ3・コ4は1号線の検査・点検時や初詣&黄金週間などの超繁忙時しか走らなくなった……ということで悲嘆に暮れていたのでした (何と大袈裟な! ^^;)。肝心のコ3・コ4にしても「ゆめいこま」として結構派手なラッピングがなされ、何かイマイチ……。こうして、出張ついで鉄で近鉄奈良線に乗る機会は度々あれど、結局生駒ケーブルに立ち寄る機会は無限に先延ばしとなってしまったのでした。他にいろいろ撮るものもありましたし (汗)。
しかーし! 昨年夏に生駒ケーブル95周年を記念し、宝山寺2号線の2両がラッピングを止め「すずらん」「白樺」と再び命名されたということで、「これは是非、1号線の運行である可能性が高いとしても、宝くじを当てに行くという覚悟で乗って撮りたい!」という欲望がムラムラと……(笑)。そこで去る3月、JRWバスで遊び呆けた京都出張の翌日は、暗い雨模様につき高速な列車を撮りようがないこともあり、ついに生駒ケーブルを訪れる機会が来たな……という天の声が聞こえたような気がしまして (ウソ)、京都からサニーカーの特急に乗って西大寺へ! さらに阪神9000系に飛び乗って生駒に到着! 期待と「動くのがブルミケだったらどうしよう」という不安で心臓が爆発しそうな気分で (アホか!)鳥居前駅に向かったのでした。
すると……よっしゃー!!本日は2号線が運転!! 折悪しく、宝山寺から上の生駒山中は雨雲に隠れるという最悪の空模様ですが、EOS5D MⅡ持参ですので関係なし!! まずは宝山寺まで一往復するぞ……ということで、ICカードもスルッとKANSAIも使えないことから券売機で切符を購入し勇躍乗車したのでした (続く)。