先日、JRWからトワイライトエクスプレスの廃止が発表されましたが、いつまで経っても行われない老朽24系の置換がなされないことに加えて青函トンネルの通過問題もありますので、だいぶ前から分かり切っていたこととはいえ、やはり客車列車がまた一本消えることに一抹の寂しさを禁じ得ません。私は関東人ですので、残念ながらこの列車には乗ったことはなく、いつか乗ってみたいと思っている間に廃止が発表されてフィーバー開始、切符購入不可能というパターンなのですが……(苦笑)。
しかしまぁ、長距離客車列車というジャンルに限らず、長期的な社会構造や産業構造、それに交通体系の変化ゆえ、都市間輸送と地域コミューター輸送における優越性を失った鉄道及び車両は、今後財政問題や維持コストの問題ゆえに加速度的に減って行くのかも知れません。鉄道趣味活動の主な内容がますます惜別を以って主となすという現象も、ますます顕在化して行くことでしょう。そんな中にあっては、少しでも早く名残りを惜しんでおくことが重要となる一方、お別れ当日に際会するにあたっては、如何に狂乱状態を避け、より落ち着いた雰囲気に近いところを選ぶかが鍵となることでしょう。
先日のJRH江差線の廃止は、私自身は未乗ですので、特にお名残り活動などはしなかったのですが、大都市から遠く離れたところですので、メディアで伝えられたごく一部の騒動を除けば、総じて混み合いながらもしみじみとしたものであったようで何よりです。その模様を、いつもお世話になっております、RP誌の主筆のひとり (?) 斎藤幹雄様から頂きましたのて、ここにご紹介したく存じます! (文面一部編集)
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5月11日、北海道・江差線に行ってきました。目的は江差線・木古内-江差間廃止関連です。別れを惜しむ地元民やファンでにぎわいましたが、道南とはいえ、そもそも北海道という「遠距離」であり、学生ヲタが騒ぐにはちょっとカネと時間と距離がかかる地域であったこと、「18きっぷ」期間といった、いわゆる学生の長期休み中でもなく、まさに単なる日曜日であったこと、などから、もちろん混雑はしましたが、意外なほど落ち着いた最終日でありました。
「はやぶさ」出発式や「あけぼの」さよならではとんでもない数のマニアが終結したことを考えると、”なんでもない日曜日”に最終、というのも都合のいい日ではなかったのではないか、と思います。
*1枚目……湯ノ岱に到着したキハ401793他2連の4175D。11日は複雑な運用をやりくりして大半の列車に「さよならヘッドマーク」が掲示されたが、スタフ交換は駅務係員が出札作業に追われていたためか、乗務員が直接駅舎まで運んでいる。(2時間半待って、決定的瞬間を撮影出来ました。)
*2枚目……約200人の乗客を乗せて江差に到着したキハ401815他3連の122D。この折り返しの133Dでさよならセレモニーがホーム先端で行われる関係で、そのスペースを捻出するため、先頭車のみ車体半分、ホームからはみ出した形で停車している。
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北のキハ40が、淡い新緑に染まり始めた風景の中、主に地元の皆さんに見送られるかたちでさよなら運転をした情景がありありと伝わって来るようです。鉄路がまた一つ消えたのは残念ですが、確かに多くの人々にしみじみと愛されていたということなのでしょう。そして個人的には……去る3月、ヤンゴンで北のキハ48に乗ったのですが (アップが途絶えてますね……^^;)、改めて「やはりこの塗装のDCは北海道を走ってこそ」という気もします。嗚呼……久しぶりに北海道にも行きたいですね……。というわけで、貴重な画像をお送り頂きました斎藤様には心より御礼申し上げます!