東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

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2006-09-08 14:55:30 | 社会・経済

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論評に値せず・幾何学的序列6

2006-09-08 07:06:24 | 社会・経済

一の二 

9月1日の産経新聞朝刊一面に載った記事、

昭和天皇お人柄「伝えたかった」、富田メモ公表 夫人語る

論評に値ぜず、という言葉がある。あまり馬鹿馬鹿しくて真面目に答える気がしないということだ。上記の記事について私も吐き捨てるようにそう言いたい所だが、そうもなるまい。

論評に困るんだよね。だけど、あんな記事でも、なるほどと納得する人も結構いるのかもしれない。だから記事になるわけだからね。ま、なんとかやってみよう。

問題の記事は富田未亡人の発言をカッコつきで八箇所引用している。

一の二の一

「こんなに大騒ぎになるとは思わなかった。日記やメモを公表したのは、昭和天皇のお人柄を伝えたかったから」

亭主が家政夫として、お仕えしていたんでしょう。あなたがしゃしゃりでることはない。

「家政婦は見た」なんてテレビドラマがあったが、使用人のモラルに反する。守秘義務に反する犯罪ですよ。あなたにはそんな権利は無い。勿論義務もない。そんな自由もあなたには無い。普通の神経ではこんなことは言えない。なんかトンチンカンだね。

一の二の二

「読んだらとてもおもしろく、まるで富田が生きているみたいで」

これは家庭の日常を書いているところでしょう。産経の記者がこの発言を挿入することは、紛らわしく無用なことだ。

一の二の三

「陛下は口数が少ないと言われていましたが、実はお話好きでした。(自分の見聞のようにいうことはない。家政夫の亭主が家に帰ってきて晩酌をしながら女房に勤め先の主人のことを断片的に漏らしたことを大げさに)いろんな歴史も教えてくださったそうです。ユーモラスなかたでもあって、そのお人柄をみなさん(国民、読者のことか)にお伝えしたかった」

しょっているというか、誇大妄想というか、余計なことというか。もっと起承転結のしっかりした文章として残っているならまだしも、あんな曖昧なものをよくそんなふうに売りつけられるものだ。あの書き方からは自分の一時的な心覚えとして書いていたことが明瞭である。だから他人が読んでも分からなくても平気だったのだ。それに解釈を勝手につけて国民に売りつける。これは犯罪以外の何ものでもない。それならなぜ、大学などの研究機関に渡さなかったのか。いきなり商業新聞に売りつけるのか。売名と金目当てであることは明瞭だ。

一の二の四

「富田に陛下から伝言があって『サフランは蘭ではないんだよ』って。たったこれだけだったそうです」

これは陛下のお話はいつも断片的で唐突であったということを言いたいらしい。そうして富田夫人は陛下の発言という断片的なメモの解釈は私にまかせてくれ、という根拠としてこれを持ち出しているらしい。これは上坂冬子氏の文章にも出てくる。『蘭はサフランではないんだよ』は決定的な証拠になると思っているんだね。老婆の錯乱した浅知恵の典型だ。

第一上の、

一の二の三

陛下は口数が少ないと言われていましたが、実はお話好きでした。

という話と矛盾している。

一の二の五

松岡洋右らの人物批評については「陛下はお亡くなりになる前から、何度もそのような話を(元長官に)されていたようです」。これも曖昧メモの元外相の名前が出てくる部分の根拠のつもりらしい。

一の二の六

亭主がメモや日記の公開を望んでいなかったのではないかという声に対しては「喜んでいないことはないと思います。一冊も本を出さなかった人ですから、一つくらいは出してもいいのかなと思います」。そりゃ家族のこととか、家庭の中のことならいいでしょうよ。問題になっているのはそんな部分ではないでしょう。大体、この対談のテーマは昭和天皇の発言と称される部分のことでしょう。それが、見境も無く一冊くらい出してもいいでしょう、なんて軽々しく言われたら困りますよ。第一新聞はそんな富田氏一身に関する日記なんか一行も報道していないではありませんか。問題は報道されている部分についてですよ。

一の二の七

「こんな大騒ぎになるとは思わなかった。メモや日記をとらえて靖国を論ずるのはやめてほしい」。正論ですな。しかし、日経をはじめとしてマスコミはこのメモを根拠にして世論を強引に、傍若無人に誘導しようとしているんですよ。こんなことを許してはなりません。

第一、これまでに引用したあなたの言葉と矛盾していますね。もし、本当にそう思っているなら日経に渡したメモからその部分を除くのが富田夫人の義務でしょう。あるいは、気がつかずに渡したのなら(随分粗忽な話ですが)、報道後議論が沸き起こった時に報道の訂正を求めるべきでしょう。そうしましたか。富田未亡人?

一の二の八

靖国問題に対しては「国民一人一人が知識をもつべきだと思う。政治家、学者、遺族、、。国民みんなで考え、何回も討論し、結論が出せれば」。こんな一般論を無思慮な行動をとったために騒動を引き起こしたあなたから聞いても始まらない。この発言の意味は日経が7月20日にスクープとして発表した時に断定した「昭和天皇はA級戦犯合祀に不快感、だから靖国にはいかない」という日経の記事の訂正を要求しているものと理解してよろしいか。わかりにくいですね。もしそうなら、はっきりと日経にクレイムすべきです。

この『幾何学的序列シリーズ』は一本にまとめる予定です。タイトルも変える予定です。未定ですが、『富田未亡人はイルのか?』というのが現在考えている仮題です。