東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

なにがINFAMYか

2006-09-24 15:48:39 | 社会・経済

ハイド委員長へのリトマス試験紙(8)

Yesterday, <date month="12" day="7" year="1941">

December 7th,1941

</date> ? a date which will live in infamy ? the <country-region><place>

United States of America

</place></country-region> was suddenly and deliberately attacked by naval and air forces of the Empire of Japan.

ハイド坊やはいくつだったかな。真珠湾攻撃の時は。中学生かな。端的に云おう。1941年12月7日と2001年9月11日とは同じ過ちを繰り返したのではないか。Who did?

アメリカが。策士策に溺れたのではないか。なにやら最近9・11はアメリカの自作自演ではないかという本が出ているらしい。ヤラセという言葉がある。積極的なヤラセであったかどうか、そこまでは断定しない。

様々な証拠からアメリカが日本の軍事攻撃の可能性を示す情報を得ていたことが明らかである。しかし、どの程度の詳細さ、確度がその情報にあったかはつまびらかではない。つまり何処を攻撃するのか、どの程度の規模の攻撃なるのか、いつ攻撃するのかなどである。日本が大規模な輸送船団を東南アジアに向けて南下させていたという情報は掴んでいたらしい。1940年からアメリカは日本の胸倉を掴んでねじ上げるような挑発的な行動をしていたから、いずれ日本が反撃してくることは予想していた。

というよりも、日本に先に手を出させるように持っていっていった。喧嘩上手である。あくまでも周りの目を気にする。味方に付けたい。国際世論の賛同を得たほうがいい。その上にアメリカの国内世論を戦争に駆り立てなければならない。自分から手を出しては国民の協力を得ることは難しい。

西部劇によくあるシーンだ。賞金かせぎのガンマンが酒場で見つけた相手に因縁をつけ、さんざん殴りつけてたまらず相手が腰の拳銃に手を伸ばしたようなそぶりを見せたら早撃ちで相手を撃ち殺す。あれと同じだ。映画は週に一回は見ておくべきだ。役に立つ。

当時の日本の国内漫画に描かれたアメリカ人の姿はうそではない。日本の軍部はジャズに現をぬかし、女の尻を追いかける享楽主義、厭戦気分を見てアメリカ人は戦争に耐えられないと見ていた。そこに唯一の希望を託していた。

日本漫画は正しい。しかし、相手から先に引っ叩かれれば別だ。それも予想もしなかったようなキツイ一発を貰えば話は別になる。だれだって逆上して馬鹿力を出す。そこが軍部には読めなかった。朝青龍だって千代大海に張り手を食らえば逆上する。

冒頭に引用した英文はアメリカのルーズベルト大統領が真珠湾攻撃の翌日アメリカ下院で行った演説である。今年小泉首相が訪米したときに、下院で演説する予定であった。立派に成長して下院外交委員長となったハイド氏はブッシュ大統領に書簡を送った。ルーズベルト大統領が歴史的な演説を行った下院で靖国神社に参拝する小泉首相に演説させることはルーズベルト大統領を冒涜すると反対したのである。これを三つ子の魂百までと言う。

情報の話に戻るが相手が何かをするという情報を得ているが具体的なことはわからない。しかし、相手に先に手を出させて、相手の手の内を分析するデータを入手したいということがある。こういうときには相手に攻撃をさせてみると言うことがあるのである。また、相手と一戦交えるつもりだが相手に先に手を出させたいと言う時もある。真珠湾はこれだろう。9・11もこのケースに該当する可能性がある。

いずれの場合でも正確な相手のプランは分からないが、大したことはあるまいと多寡をくくる。そうでなければ、攻撃させてみる、などという気にはならない。ボクサーが相手を見くびって先に打たせるようなものである。ところが、往々誤算がある。相手は大したことは出来ないだろうと見くびっていたのが、見事な攻撃を受けてひっくりかえることがある。

真珠湾はまさにそれだった。あんなに見事にやられるとは夢にも思わなかったろう。当時の科学技術、軍事常識からも不可能と見られていた作戦である。これでかっとなってINFAMYと口走る。INFAMYはある翻訳によると「恥ずべき行い」となる。大体が、日本の行為をだましうちと非難する意味で相手の行動を非難するわけだらから、そういう訳でいいのだろう。

あまり英語に詳しくないので辞書を引くと、INFAMYとは1・醜聞、汚名、2・非行、破廉恥な行為 3・市民権の剥奪、名誉剥奪とある。「恥ずべき行い」というのは上記第二項の意味だ。当座第三項の意味は排除して、第一項の意味だと、どうだろう。醜聞、汚名とすると、むざむざ敵にしてやられた不甲斐なさがアメリカの醜聞、汚名だということになる。つまり、ひとかどの武士が刀も抜かずに切り殺される不名誉みたいなものだ。江戸時代だったら、被害者であってもお家断絶となる不名誉である。ようするに、この言葉は不明瞭で両義性がある。

言葉の選択というのは無意識の呪縛がある。ジムクンド・フロイト先生によるまでもないことだ。ルーズベルト大統領がINFAMYという両義性のある言葉を選択したことは興味深い。

9・11テロでも事前に情報があったという。本当だろう。しかし、あのテロを正確に予測したわけではあるまい。もし知っていてやらせたのなら、それこそブッシュは悪魔である。予想外の敵の手並みにカッとなってアフガニスタンからイラクまで突っ走った。馬鹿げた話だ。

I ask that the Congress declare that since the unprovoked and dastardly attack by <country-region><place>

Japan

</place></country-region> on <date month="12" day="7" year="1941">

Sunday, December 7th ,1941

</date>, a state of war has existed between the <country-region><place>

United States

</place></country-region> and the Japanese Empire.

とルーズベルトは締めくくる。ここではDASTARDLYという言葉が使われている。これは小さな辞書には出ていない言葉で古語らしい。「非常に残酷な」という意味のようだ。

INFAMYではじめDASTARDLYで締めくくっているわけだ。

もう一つ云うと、UNPROVOKEDという言葉を選択したのも無意識のなせるわざだろう。意味は挑発によるものではない、ということだ。たしかにひそやかに行われたのだから挑発によるものではないともいえるが何か妙だ。引っ掛かる言葉遣いだ。作文の先生だったら何点を付けてくれるかな。ここは冒頭の文章を踏襲して

suddenly and deliberately

とするか、あるいはUNNOTICEDのような、あるいはもっと直裁にWITHOUT DECLARATIONのような言葉を選ぶべきではないかな。ルーズベルト大統領はよほど慌てていたのか、もともと演説が下手だったのかもしれない。ルーズベルトは正直だから、自分が日ごろから日本を戦争へ挑発していたことが頭にあったので無意識に「挑発によるものではない」と云ってしまった可能性が強い。この演説くらいルーズベルトの無意識が露出しているのはめずらしい。

DASTARDLY(非常に残酷な)であるが、真珠湾で日本軍が攻撃したのは軍事目標だけ、死者は確か軍人3千人弱(これも多いとはいえるが)。アメリカが日本空襲で狙ったのは民間人である。東京では3月10日だけで10万人以上の死者が出た。広島、長崎の原爆では30万人以上の死者である。アメリカが日本全土の都市への空爆で殺害した市民の数は百万人に達するのではないか。真珠湾をDASTARDLYというなら、このホロコーストを表現する英語があるのか、聞きたいものだ。


私の予想法

2006-09-24 10:26:59 | 社会・経済

昨日は朝青龍が負けたね。制限時間一杯まで賭けられる相撲賭博があれば儲けていたんだが。結び前の一番は琴欧州と白鵬だった。琴欧州が勝って居残りで千代大海に力水をつけていた。その段階で横綱は危ないと思った。安馬が負けて優勝が決まっていたしね。気の緩みもどうしてもある。

大相撲では負けた力士は力水をつけない。その日は神々に嫌われた、つまり穢れたと見なされて力水をつける資格がなくなる。次の力士も嫌がる。だから若い下位の力士が来て水をつける。国技館の電光掲示板を見ていると東なら東、西なら西に数番続けて勝ち力士を示すランプがつくことが多い。勝った力士(神に祝福された力士)にアテンドされた力士は幸運がついてまわる。何の不思議もない。

もちろんこれも一つの要素に過ぎない。実力が段違いなら関係ない。相性が好くなければ関係ない。そのほか、作戦やら色んな要素がもちろんあるが。今場所の白鵬はとくに神々に見放された力士だからね。その悪い気が横綱を錯乱させたのかもしれない。一方の琴欧州は今場所は運気が回復過程に入ったようだった。千代大海に良い影響があった。