ANA、デルタ航空、アメリカン航空の活用を視野にいれよ:
前号で申し上げたとおり、JLを使い物になる部分と切り捨てる部分に分割して、使える部分は全日空に適正価格で引き取らせる。切り捨て部分は捨て値で古物業者に売り払う。これが基本である。
そしてANAへの売却価格と古物業者からの売却価格で借金、不良資産を償却する。それでも清算できない部分は税金を使うよりしょうがあるまい。
ANAに売却できるJALのリソースを種類別に見ていこう。
1.路線権益;国益上残す必要な路線と不採算路線に峻別する作業。ANAに売却できるのはもちろん残存路線である。
2.航空機;種々の観点から、ANAの保有機材との整合性も勘案しながらANAに売り渡す機材をふるい分ける。残りの機材は売却先を探す。売れないものは古物商か廃棄処分へ。
注;考慮すべきはデルタ航空、アメリカン航空との提携で、彼らのリソースを活用するミックスを常に、以下の事項でも考えるべきことである。すくなくとも、JAL処分過渡期には。
なお、アメリカの航空会社との提携は運航、営業面に限るべきで、資本提携は求める必要がない。
3.機長;若干部分をANAに引き継ぐ。デルタ、アメリカンのリソース活用で不足部分を埋める。どういうミックスにするかは、最適値を常に検討する。将来的にはANAの賃金体系に統一する過程でさらに整理を行う。
4.客室乗務員;基本的には全員解雇だろう。ただし、現在派遣、短期雇用で補っている部分はそのままでよい。デルタ、アメリカンの客室乗務員も活用すべきである。
5・地上事務職;原則としてまったく不要となるから全員解雇処分:
例外的にANAに再雇用する場合には下記8・の年齢制限をきびし目に適用する。
6;整備士;御用組合とその他の組合が入り乱れるところであるが、この部分もANA、デルタ、アメリカンのリソースでカバーする。あるいは整備外注で手当てする。それでも不足することがあれば不足分だけを再雇用する。年齢制限適用、下記8・参照
7・経営者、管理職;ANAが経営を引き継ぐわけだから、まったく不要なオーバーヘッドとなる。例外なく全員処分解雇
8・前にも述べたが日本航空の支配体制は北朝鮮の金正日体制と同じである。すなわち3-5割の体制側に圧政のあがりを吸わせることで体制を維持している。日本航空の場合、おそらく5割前後の御用組合側が残りを収奪しているから北朝鮮より状況は悪い。
この辺の事情は山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」に詳しい。この小説は映画化されて来月公開される。
したがって特殊な技術職(整備士など)をANA再雇用する場合には年齢制限を設けるべきである。
a. 御用組合側; 30歳以上は雇用しない。現在の経営体制(昇進制度)は御用組合のチェックを通ったキャリア・パスしかない(官僚で言えばキャリア官僚になる資格はそれ以外の組合員からは剥奪されている)。
ということはまだ入社早々でごく若いうちはともかく、会社に数年いればまともな人材は濾過されてしまう。現在のお粗末な経営能力もこの御用組合体制護持のために残ったくずのような人材しか管理、経営層にいないために起こった必然的な現象である。
b・ノンキャリア職員;35-40才以上は再雇用しない。もともと有能な人材であっても、絶えざる抑圧にさらされていると加齢とともに能力も衰える現実がある。やむを得ない措置であろう。