東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

不同意堕胎罪とどちらが重罪か6臓器移植犯罪

2010-08-12 17:12:51 | 社会・経済

本人同意を必要とする改正前の法律で13年間にわずかに86例の臓器移植が行われたという。これが我が国の精神風土でありエトスである。本人同意必要なしと改悪しても期待したように移植ケースは増えることはないだろう。

今回の臓器屋の暗躍のような殺人罪が増えるだけである。くしくも、このニュースがマスコミをにぎわした10日に、読売新聞は同じ紙面の横に、不同意堕胎罪で医師を有罪にした判決の記事がならんでいる。

考えさせられることだ。この慈恵大学の医師がとんでもない野郎であるのはもちろんだが、今回の臓器屋の殺人罪との軽重の判断はわが国民が正気を失ったか、失っていないかを判断するバロメーターになるであろう。


だめ押しのつもりか5臓器移植犯罪

2010-08-12 08:20:38 | 社会・経済

10日の新聞見出しにはどでかい見出しで「家族の合意」という文字が躍る。

臓器移植ネットワーク医療本部長の小中某女が記者会見で高らかに宣言した。今回のケースで生前本人の明確な臓器提供拒否の表明がないうえに家族全員の合意を取り付けた(家族の総意)から手続き上は完ぺき以上だと言いたかったのだろう。

浅はかな女だ。前にも述べたように家族の説得過程に5日もかけて「総意」を勝ち取ったそうだが、その経過を完全に国民の前に可視化する義務がある。もし出来ないなら国会の証人喚問に呼び出すべきだ。改正法が適法に実施されたかどうか、大事な最初のケースだから徹底的に可視化可能な状況で国民の検証に晒すべきである。

また、これでもか、と自分の立場を補強するつもりなのだろう、死亡した本人も生前口頭で合意していたという。浅はかな女だ。余計なことをいうからますますボロが出る。

聞いてみると、臓器移植の問題をテレビで放映したときに、見ていた本人が家族に自分も提供したいといったという。これが正式、適法な意思表示とみなされるのか。バカも休み休み言え。

この「記憶」も臓器屋が無理やりに誘導してひねり出させたものだろう。

自分の臓器提供について拘束力のあることを言うのは、遺言の有効性と同じに考えなければいけない。口頭で言ったと記憶しているなどが証拠になるのか。

その時に遺言のように立会人もいないし、文書化もしていない。もしこの口頭の同意があったということを盾に取るなら小中某女は即刻刑事被告人となろう。

だいたい、常識で考えて御覧。家族とテレビを見ている。それはいろいろ感想をいうだろう。それはうたかたに本人にも忘れ去られることもあろう。十分にねれていない感想なんていくらでも出てくる。

それが本人の死後、遺言と同様に扱われたら本人が生きていたらどう思うだろうか。常識で考えればわかることだ。


法体系に整合性はあるのかA-4臓器移植犯罪

2010-08-12 06:51:16 | 社会・経済

法改正の目的は本人の同意がない場合にも移植が出来るということらしいが、その要件は明確、一義的、整合的に整備されているのか。余はいない、と法律を読まないで断定した。

悪法を読むのは目がけがれる、だからもっぱら新聞報道にたよるわけ。このくらいの冗談がわからないと当ブログは読めないよ。

閑話休題、マスコミ解説報道によると、本人が生前、明確に臓器移植を拒否していなければいいという。明確に拒否するためには、運転免許証や健康保険証に自分でその旨記載しなければいけないそうだ。

そこで自分の健康保険証を見た。臓器移植を拒否する記入欄があるそうだが、そんなものは影もかたちもない。こぐ最近発行されたものからそういう欄が出来たのか。そうならこれほど重大な、生死の問題にかかわることは、運転免許証や健康保険証が全面的に新様式に移行したあとから法改正を実施すべきだろう。

また、政府は積極的な広報活動をとうして、その趣旨を国民に周知せしめる義務がある。それを怠っていればこの条項は法律的に無効である。

地デジ移行の案内は死に物狂いになって何年も前からテレビのコマーシャルを使い、芸能人を使って、税金をジャブジャブ使ってやりながら、はるかに重要深刻な臓器移植の問題では何もしない、そんな政府があるのか。

さらに根本的な問題がある。臓器移植に適した臓器というのは若い健康な人間のもので今回のように交通事故などで突発的に死亡したケースが臓器屋が舌なめずりするものである。

こういう若い男女が日ごろから、自分が死んだ場合を考えて意思表示をしますか。こういう抹香くさい年寄りくさい考え方そのものが若い人たちには非常識非現実的である。毎日仏壇にお線香を上げるようになった老人ならともかく、未来のことしか考えない若者がそんなことを考えるわけがない。

また「明らかに拒否をしていなければ、臓器を取ってもいい」、というのは極めて横暴な考え方である。どれだけ善意の被害者を生むか知れたものではない。国民をこういう恐怖に陥れるのは政府の取るべき態度ではない。

たとえて言えば、置き引きで物を取られても、本人の不注意、明確な所有の意思表示がないから置き引きをされても文句が言えないというのと同じである。

次回、本人の拒否という意思表示がなければ臓器を取り出してもいいというのが法律なら、なぜ家族の同意があったと水戸のご老公の印籠みたいなものをふりかざすのか。