年寄りになると、つまり経験と知恵がついてくると、かしこい人は医者を信用しなくなる。チンピラの汚わい屋に何をされるか分からない、と用心するようになる。そして自分が健康であれば、医者などには寄りつかないという老人は多くなっている。
老人で健康保険を使っていないのは悪いことをしているなどと、理解しがたい発想である。それも百歳以上の人ならまだわかる。健康保険や介護保険を使っていないのはどうしてかな、と一応は考えてもいい。
それが70をすぎて健康保険を使わないのはおかしい、と発想するのはキチガイの部類だろう。そもそも、高齢者の保健使用が国庫を圧迫しているとして制度を改悪する一方で、健康保険を使っていないのは悪人だとあおりたてる。みののモンキーは完全にヤキがまわった。
また、役人が強制訪問して面会を強要する。合わなければ年金の受給を停止する案があるようだが、狂気のさたである。
これを聞いて、また振り込み詐欺やおれおれ詐欺に類似した犯罪の被害者が増えるだろうなと思った。
用心深い年寄りが不意の訪問客を警戒するのは犯罪者的新聞勧誘員、押し売り、訪問販売、役所を装った犯罪者を警戒するからである。だから、事前に訪問が分かっている知人以外のチャイムには応答しない。現在の日本に住む当然のライフスタイルである。
年金機構を騙った悪質、犯罪的な訪問販売に利用されるだけだ。よほど慎重に考えないといけない。アメリカのように勝手にチャイムを鳴らす見知らぬ人間を拳銃などで撃退しても正当防衛と認められる社会風土に戻らない限り、役所からの訪問調査はすべきではない。