TPPは原則無関税、共通の基準で貿易すると言うことである。それぞれの国の、風土と歴史や民族性や食習慣や慣行で築かれた、規制を均一化することでもある。
そうした中でとりわけ気になるのが、遺伝子組み換え作物あるいは食品である。
ご多分に漏れず、遺伝子組み換え(GM)作物を無原則に作付けしているのが、アメリカである。イラクやアフガンに無為な戦争を仕掛けたブッシュの父、パパブッシュの時代にモンサントがお願いをしたのである。
遺伝子組み換え作物は、改良と同じものであると、パパブッシュに認めさせた。アメリカでは、GM作物は原則通常の交配を重ねて作られる、改良と同じものとみなされている。
したがって表示する必要もなく、消費者には知らせる義務などないのである。また、GM作物は高生産のために、世界の食糧危機を救うと、何も知らない経済学者は主張する。
しかし、GM作物は特許があり種を取ることもできないし、許可なく栽培することもできない。毎年モンサントは農民相手に、数件の法廷闘争うをしている。
世界最大のアグリビジネス会社モンサントは、自社の強力な除草剤のラウンドアップに耐えられる品種を開発する。それらの作物をラウンドアップレディと呼び、除草剤とあわせてGM作物を売るのである。
GM作物の普及で救われるのは、貧しい人たちでなくモンサント社である。
アメリカの大豆のほぼ100%、トウモロコシの90%がGM作物である。カナダもこれに準じているが、EUや日本は原則認めていない。
EUもオーストラリアやニュージーランドや日本は、食品への表示義務を課している。TPP参入はアメリカに従うこととほぼ同義語である。
TPPに日本が参入することによって、大量のGM作物が入ってくることになる。また、農家への種子の売込みが激しくなる。価格競争に強いGM作物は、市場を席巻することになるであろう。
TPPで農家は、GM種子を使わざるを得ないことになり、日本の消費者は、安価で危険なGM食品を口にすることになる。